SOMPO美術館で「ブルターニュの光と風(巡回展)」を観てきました。

SOMPO美術館で開催の「ブルターニュの光と風」展

 

先日、SOMPO美術館巡回展ブルターニュの光と風 画家たちを魅了したフランスを観てきました。

 

ブルターニュ”もしくは”ポン=タヴァン”は、西洋画では頻繁に描かれる地名の一つ。それだけに、風景画好きはぜひ見てほしい展覧会です。東京(新宿)の後は、福島静岡愛知と巡回開催するので、気になる方は日程と見所は要チェックですね。

ここでは私のレビューを元に、見所やポイントも話していきたいと思います。巡回展なので、基本的な流れは同じでしょうから、これから行く予定の人は参考にしてもらえると幸いですね。

 

ブルターニュの光と風 画家たちを魅了したフランス < 辺境の地 > 】

東京開催:2023年3月25日(土)~6月11日(日)、SOMPO美術館にて
福島開催:2023年7月1日(土)~8月27日(日)、福島県立美術館にて
静岡開催:2023年9月5日(火)~10月22日(日)、静岡市美術館にて
愛知開催:2024年3月1日(金)~4月7日(日)、豊橋市美術博物館にて

 

 

「辺境の地 ブルターニュの光と風」展のレビューと見所!

SOMPO美術館で開催の「ブルターニュの光と風」展

さて、私が行ってきたのは東京開催のSOMPO美術館でした。SOMPO美術館は損保ジャパン本社にある美術館で、かの有名なゴッホの名画「ひまわり」を所蔵している事でも有名!もちろん今回の「ブルターニュ展」でも、3階で観る事が出来ます。こちらもお見逃しなく堪能してほしいと思います。

 

東京開催 ブルターニュの光と風 画家たちを魅了したフランス 

・期間:2023年3月25日(土)~6月11日(日)
・時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
・場所:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1ー26ー1)
・観覧料(当日券/事前購入券):一般(1,600円/1,500円)、大学生(1,100円/1,000円)

 

SOMPO美術館で開催の「ブルターニュの光と風」展
この「ブルターニュの光と風」展の一番のポイントは、何といっても地元”カンペール美術館”の作品を中心に展示している事でしょうか!日本では知られていない画家や、名は知っていても普段見る事が出来ない珍しい作品もあったりと、地元ならでは!!が最大の魅力で醍醐味かな?と思っています。

もちろん有名どころで言えば、ポン=タヴァン派の代表格ポール・ゴーギャンや、他にはエミール・ベルナールやポール・セリュジェもいます。それから私の好きな画家リュシアン・シモンの作品もあるので、こちらもぜひチェックして見てほしいですね!

 

れでは、まずはこちらの作品から…

「プルケルムール渓⾕、アレー⼭地」(1883年)アレクサンドル・セジェ

「プルケルムール渓⾕、アレー⼭地」(1883年)アレクサンドル・セジェ

・135×204cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

これはアレクサンドル・セジェ(Alexandre Sege)の風景画「プルケルムール渓⾕、アレー⼭地」。

おそらく知らない人も多いと思います。というか、私も知らない画家でした。今回は地元カンペール美術館の作品がメインなので、日本では知られていない画家の作品が見れるのは魅力!イイ作品と出会えたら、画家の知名度って関係ないんだな~というのが実感できる瞬間ですね。

歴史的にブルターニュは独特な文化と風習、それから美しい自然が残る辺境の地とも呼ばれていたので、風景画には最適な場所だろうと思います。元々私が美術館デビューしたきっかけが風景画だったので、今回は私にとって本当に楽しみな展覧会でした。改めて思いますが、風景画ってボ~と眺める感じて見ていられるのがイイですね!

 

「海岸の泥炭地における黄昏、ロクテュディ」(1898年)マキシム・モーフラ

「海岸の泥炭地における黄昏、ロクテュディ」(1898年)マキシム・モーフラ

・54.5×65cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

マキシム・モーフラ(Maxime Maufra)は、イギリス風景画の巨匠”ウィリアム・ターナー”の作品に感銘を受けて画家を目指したと言われています。その後ブルターニュではゴーガンとも出会っています。こういった経緯からも、風景画家になるべくしてなった画家という感じがしませんか。

 

「じゃがいもの収穫」(1907年)リュシアン・シモン

「じゃがいもの収穫」(1907年)リュシアン・シモン

・102×137cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

そして私の好きな画家”リュシアン・シモン(Lucien Simon)”の作品も観てほしいと思います。おそらく、この画家は日本ではあまり知られていないかもしれませんね。実はリュシアン・シモンは現在国立西洋美術館にも数点所蔵されています。「婚礼」や「ブルターニュの祭り」、「墓地のブルターニュの女たち」などあります。「常設展」でも展示されるので、気になる人はぜひ観に行ってほしい!中でも私のお気に入りは「婚礼」という作品で、初めて観た時は色彩感に一目ぼれしてしまったほどです。

そんなわけで、今回”リュシアン・シモン”という名を目にした途端、ちょっと嬉しくなってしまいました。自分が好きな画家と再会する!こういった出会いは何度味わってもイイものですね。^^
・参考)⇒ブルターニュに魅了された画家”リュシアン・シモン”を解説!

 

「さらば!(Adieu!)」(1892年)アルフレッド・ギユ

「さらば!(Adieu!)」(1892年)アルフレッド・ギユ

・170×245cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

今回の看板作品アルフレッド・ギユ(Alfred Guillou)の「さらば!(Adieu!)

高さ170cm、横245cmという大きな作品で、大画面で描かれた迫力あるシーンは本当に印象的です。荒れ狂う波と大画面の組み合わせは、圧巻の一言!!ですね。

アルフレッド・ギユはブルターニュの出身の画家で、後にカンペール美術館の理事も務めた人物でした。そういう意味では、カンペール美術館の看板画家と言ってもいいでしょうね。ギユはコンカルノーという漁村の人々を描いた画家として知られています。人々の生活に寄り添った作品が多いという意味では、ブルターニュの風景画にはなくてはならない存在でしょうか。

 

「ブルターニュの婚礼」(1863年)アドルフ・ルルー

「ブルターニュの婚礼」(1863年)アドルフ・ルルー

・138×203cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

フランスのパリで生まれた画家アドルフ・ピエール・ルルー(Adolphe Pierre Leleux)。20代中頃にブルターニュに居住し、その後多くの作品を描いて事で”ブルターニュのルルー”と言われた画家です。当時の庶民の行事や生活を、細部まで描いている点は見物!!ある種”資料的な価値”も感じませんか?

 

ここでCheck!
ブルターニュの光と風展で要チェックの画家!

そして、今展で押さえてほしい画家がいるので、紹介したいと思います。その名はピエール・ド・ブレ(Pierre de Belay)です。この画家もあまり知られていない画家ですが、でも作品の描き方が実にオモシロイ!

・「コンカルノーの港(1927年)ピエール・ド・ブレ
 …筆のタッチと豪快ともとれる絵具の厚塗りで、作品に重厚感が生まれている作品。

・「ブルターニュの少女」・「ブルターニュの女性(1940年)ピエール・ド・ブレ
 …線の規則性で表現した独創的な画風(トレイリスム:格子状技法)が特徴の作品。

今回ピエール・ド・ブレの作品が4点展示されていますが、描き方の違いで作品を描いている点は必見ですね。

 

ここまであまり知られていない画家ばかり挙げてしまいましたが、もちろんゴーギャンやベルナールなどポン=タヴァン派を代表する画家たちの作品もあります。

・「ブルターニュの子供」(1889年)ポール・ゴーギャン

・「さようなら、ゴーギャン(1906年)ポール・セリュジェ

・「水瓶を持つブルターニュの女性※ジンコグラフ(1886年)エミール・ベルナール
・「りんごの採り入れ※ジンコグラフ(1889年)エミール・ベルナール
 …上の2点は共にジンコグラフ(亜鉛版リトグラフ)による作品です。絵画とは違ったラフな線と柔らかな色は、味わいがあってイイですね!^^

 

 

SOMPO美術館で開催の「ブルターニュの光と風」展
地元に寄り添った作品を見るなら、地元にある美術館が一番!

こう考えると、ブルターニュの絵画を見るなら現地にあるカンペール美術館が最適!!ただ地元の画家も多くなるので、知らない画家も多かったりするでしょうけど。でも作品を見ていく上で、画家を知っているか知らないかは正直言って関係ない。

だって、イイな~!と思う作品があればイイわけですから!

 

「ドゥアルヌネの渡し船の乗り場」(1870年)オーギュスト・アナスタジ

「ドゥアルヌネの渡し船の乗り場」(1870年)オーギュスト・アナスタジ

・88×130.5cm、カンヴァスに油彩、カンペール美術館所蔵

「ブルターニュの光と風」展では、日本では知られていない名画と出会えるかもしれない!!そう思うと、ちょっとワクワクしてきませんか??東京、福島、静岡、愛知と4か所で開催するので、ぜひ日程をチェックして行ってみるのもイイと思います。新たな発見があるかもしれませんよ!

 

ブルターニュの光と風 画家たちを魅了したフランス < 辺境の地 > 】

東京開催:2023年3月25日(土)~6月11日(日)、SOMPO美術館にて
福島開催:2023年7月1日(土)~8月27日(日)、福島県立美術館にて
静岡開催:2023年9月5日(火)~10月22日(日)、静岡市美術館にて
愛知開催:2024年3月1日(金)~4月7日(日)、豊橋市美術博物館にて

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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