国立西洋美術館で「モネ 睡蓮のとき」を観てきました。

国立西洋美術館で「モネ展 睡蓮のとき」を観てきました。

 

先日、国立西洋美術館企画展モネ 睡蓮のときを観てきました。

 

モネの作品は静かに観たい!

そんな願望がある私にとって、今回の混み具合にはビックリでした。予想はしていたけれど、まさかここまでとは…

でも、そんな状況であれ素敵な作品と出会えた!これは何より嬉しい収穫でした。

 

今回は話題の「モネ展」について、気になる作品を挙げながらレビューしていこうと思います。

 

【 目次 】

国立西洋美術館で「モネ展 睡蓮のとき」を観てきました。
「モネ展 睡蓮のとき」の開催概要

 

 

 

 

国立西洋美術館で「モネ展 睡蓮のとき」を観てきました。

国立西洋美術館で「モネ展 睡蓮のとき」を観てきました。

では早速ですが、「モネ展 睡蓮のとき」のレビューをしていこうと思います。

 

先ほども話した様に、今回の「モネ展」はかなりの混雑ぶりです。

私もそれなりに覚悟はしていたけれど、それでもここまで人が多いとは!美術館でここまでの行列を見るのは、本当に久々って感じでしたね。思えばコロナ前に開催した「若冲展」以来でしょうか。

 

国立西洋美術館
さて、今回の開催場所でもある国立西洋美術館ですが、現在モネの作品だけで約20点近く所蔵されています。

元々松方幸次郎モネとの親交の深さによって、コレクション化されたという経緯があったわけで。そういった意味でも、この場所で「モネ展」が開催するのはある意味”自然の流れ”と言ったところでしょうか。

 

「セーヌ河の朝」(1898年)クロード・モネ

「セーヌ河の朝」(1898年)クロード・モネ

・73.0×91.5cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵

普段「常設展」に行く私としては、見慣れた作品もいくつかありました。

でも不思議ですよね!?

よく観る作品でも、展示場所や展示方法が変わるだけで、いつもと違った印象を受けるからです。

これは絵画ならではの魅力ってものでしょうか。^^

 

「チャーリング・クロス橋」(1899‐1901年頃)クロード・モネ

「チャーリング・クロス橋」(1899‐1901年頃)クロード・モネ

・60×100cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

これは第1章で見かけた作品「チャーリング・クロス橋」。

実は、私はこの絵を観た瞬間オオッ!!と唸ってしまったのです。^^

何て斬新なのだろう!?と。

空気感や光の表現、そして画力の高さがすべて凝縮されている様で魅入ってしまいましたね。

クロード・モネと言えば、光の機微を巧みに描いた印象作品が特徴です。でも元々モネは絵が超上手い画家でした。

この「チャーリング・クロス橋」はシンプルに描かれていながら、でもその場の雰囲気が感じられる。まさしく上手い画家にしか描けない代物だと思うのです。

今展は様々な「睡蓮」シリーズや自然を描いた作品がありました。それでもあえて列車の通り過ぎるチャーリング・クロス橋を選んだ理由は、この絵にすべての要素が詰まっていると思ったからなのです。

 

ちなみにこの作品が制作されたのが、1900年頃。モネが画家として最も油の乗っていた時期です。

そういえば、僕がモネを好きになったきっかけの「睡蓮」も、この時期に制作したものだった記憶がありますね。

 

 

「睡蓮、夕暮れの効果」(1897年)クロード・モネ

「睡蓮、夕暮れの効果」(1897年)クロード・モネ

・73×100cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

画像からも分かると思いますが、葉一枚一枚を描くのに様々な色が使われている。モネが睡蓮の葉っぱにまで目を向けていたのが伺えますね。

私が”モネは自然の本質を観ていた画家”と思う理由は、こういった理由が大きいのです。

 

「藤」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

「藤」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

・100×300cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

英語では”wisteria”、つまり日本名は「藤」になります。

日本で馴染みのある”藤”をモネが描くと、この様な作品になるわけですね。それにしても横の長さが300cmとは、かなりの大作です。

 

「藤(detail、左部分)」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

「藤(detail、左部分)」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

少し横幅が長いので、左右で分割して挙げてみました。

 

「藤(detail、右部分)」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

「藤(detail、右部分)」(1919‐1920年頃)クロード・モネ

今回の「モネ展」の見所は、こういった大画面の作品が多い事!!

おそらくたくさんの来場者が来ても鑑賞出来るように、あえて大きな作品をチョイスしているのかもしれませんね。

 

 

して、一番のメインになるだろう第3章へと向かいます。

「モネ展 睡蓮のとき」の第3章:大装飾画への道より
・「モネ展 睡蓮のとき」の第3章:大装飾画への道より

3章は”大装飾画への道”で、周り一面が代表作「睡蓮」で囲まれている部屋になります。

すべてが大画面の作品ばかりですから、当然ながら迫力はいつも以上!!

しかも撮影可能というのも嬉しい!!

 

「モネ展 睡蓮のとき」の第3章:大装飾画への道より
・「モネ展 睡蓮のとき」の第3章:大装飾画への道より

写真からも分かると思いますが、フレームに収まらないくらいの大きさです。今回展示されている作品がいかに大きいかが分かると思います。

僕のスマホの問題もあるんでしょうけど、さすがに作品全体を撮ろうと思っても難しい。

しかもここは撮影可能なエリアだけに人も多いし。もっと「睡蓮」を鑑賞しよう!!と言いたくなるくらいですが、でもしょうがないですよね。こういった本物のモネの「睡蓮」に囲まれる事って、おそらくないでしょうから。

 

「睡蓮」(1916年)クロード・モネ

「睡蓮」(1916年)クロード・モネ

・200.5×201.0cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵

そういえば、この3章で私の好きな「睡蓮」がありました。

国立西洋美術館所蔵の「睡蓮」です。

普段見慣れている作品ですが、やっぱりこれは素敵ですね!^^ 良い作品は、何度観てもイイ!というわけでしょうか。

 

「睡蓮」(1916‐1919年頃)クロード・モネ

「睡蓮」(1916‐1919年頃)クロード・モネ

・150×197cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

そしてこの「睡蓮」は、今展のパンフレットの顔になっている作品。

それにしても美しい一枚ですね。^^ 私の好きなモネ作品の仲間入り!ってところでしょう。

 

 

てさて、ここまでは良かったものの…。

ここからが私にとって、興味の薄れる作品たちの登場です。

別に興味が薄れるからと言って、質が落ちるというわけではないのです。後半の「モネ展」は、1920年代の作品が続いているからです。

 

「睡蓮の池」(1918‐1919年頃)クロード・モネ

「睡蓮の池」(1918‐1919年頃)クロード・モネ

・73×105cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

私にとって、モネは自然の本質を見抜いていた画家というイメージです。

でも晩年になると、モネの視力は低下し思うような絵を描けなかったと言われています。

モネは1910年頃から目の視力が低下し、その後約10近くは放置状態だった。

さすがにまずいというわけで、1920年頃になって手術をする。一応手術は成功したものの、でも視野や色彩のズレはある状態だった。晩年のモネは、画家にとっては致命的な状態だったわけです。

 

「日本の橋」(1918‐1924年頃)クロード・モネ

「日本の橋」(1918‐1924年頃)クロード・モネ

・89.0×116.0cm、カンヴァスに油彩、マルモッタン・モネ美術館所蔵(パリ)

確かに解釈によっては、豪快で力強いタッチという感じはあります。

4章のタイトルにもある様に”交響する色彩”、つまりは色彩のハーモニー的な感じもしなくはない。

 

私の考え
でも私の解釈にはなるけれど、この頃の作品は”思った様に描けない自分に対する苛立ち!”が感じられてしまう。

つまり、本来のモネの作品じゃない!と思ってしまうわけですね。

確かにモネと言う画家の生い立ちを垣間見れる言う意味では、この時期の作品も魅力的ではあるけれど…。

 

僕にとってのベストは、”1900年頃のモネ”!!
(これが再確認出来たのも、大きな収穫ですね!)

 

国立西洋美術館で開催の企画展「モネ展 睡蓮のとき」
今回の「モネ展」ですが、作品数が少ないという点では物足りない感はあります。でも普段見れない大画面の作品を観れたと言う意味では、イイ経験だったと。

ただちょっと残念なのが、以前の企画展で「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」がありました。僕にとっては、国立西洋美術館の新たな挑戦を感じられただけに、もっとチャレンジ精神溢れるモネ展」にして欲しかったな~と。

例えば、「睡蓮」シリーズだけでも200点くらいあるので、可能なら200点近くを集めて欲しかった!

つまり「睡蓮だけ展」です。

これはこれで物凄い挑戦的な企画展だと思いませんか!?
(もし実現したら、間違いなく私は行きますが…。^^)

 

 

 

「モネ展 睡蓮のとき」の開催概要

国立西洋美術館で開催の企画展「モネ展 睡蓮のとき」

改めてモネの人気度が再確認出来た今回の「モネ展」ですが、開催概要は以下になります。

東京と京都での巡回開催なので、気になる方はぜひ行ってみるのもイイと思います。

 

東京開催:「モネ展 睡蓮のときの開催概要

・会期:2024年10月5日(土)~2025年2月11日(火・祝)
・場所:国立西洋美術館、企画展示室にて

・時間:9:30~17:30(金、土曜は21:00まで) ※入館は閉館の30分前まで

・休館日:月曜日、10月15日(火)、11月5日(火)、12月28日~2025年1月1日、1月14日(火)
※ただし10月14日(月・祝)、11月4日(月・祝)、2025年1月13日(月・祝)、2月10日(月)、2月11日(火・祝)は開館。

 

京都開催はこちら!

京都開催:「モネ展 睡蓮のときの開催概要

・会期:2025年3月7日(金)~2025年6月8日(日)
・場所:京都市京セラ美術館にて

 

私が芸術好きになるきっかけがモネの「睡蓮」だった。そう思うと今回の「モネ展」は、きっかけとしては良いかもしれないですね。

ただかなりの混雑が予想されるので、チケットは前もって購入しておいた方がイイと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Category

2024年10月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
ページ上部へ戻る