東京都現代美術館で、個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』を観てきました。

東京都現代美術館で『坂本龍一:音を視る 時を聴く』を観てきました。

 

先日”東京都現代美術館”で坂本龍一音を視る 時を聴くを観てきました。

 

昨年(2023年)亡くなった坂本龍一の個展で、しかもここまで大規模なのは日本で初!

それだけに、興味を持っている方も多いと思います。

特に注目はサウンド・インスタレーション!?

つまり、体験を通してアーティスト”坂本龍一”の新たな一面を垣間見ようというもの。実際に行かないと分からないって事でしょうか。

今回は展示様子も交えながら、坂本龍一の個展についてレビューしていこうと思います。

 

目次

坂本龍一の個展『音を視る 時を聴く』を観てきました。
『坂本龍一 音を視る 時を聴く』の開催概要

 

 

 

坂本龍一の個展『音を視る 時を聴く』を観てきました。

東京都現代美術館で『坂本龍一:音を視る 時を聴く』を観てきました。

先日、待ちに待った個展坂本龍一 音を視る 時を聴くを観てきました。

坂本龍一は2023年に亡くなったばかりで、どうしても気になってしょうがない存在の一人。

しかも体験型をベースとした”インスタレーション”が見所だそうで、これは実際に行かないと味わえないと思ったからです。

 

東京都現代美術館
場所は清澄白河駅から歩いて約10分程にある”東京都現代美術館”。

Museum Of contemporary art Tokyo”で、略して”MOT”です。

同時に所蔵作品をベースとした『MOTコレクション』展も開催しているので、ついでに観てみるのもイイと思います。

 

私の考え
速ですが、私の感想から…

端的に言うなら、坂本龍一の音楽はただ聴いているだけでイイ!

つまり坂本の音楽に聴き入ってしまうからです。音楽自体が没入型のアートという感じなんでしょうね。

正直言ってあれこれ映像や空間演出は無くてもいいのでは?と思うけれど、これを言ってしまったら元も子もないですよね。

 

 

て先ほどもちょっと触れましたが、今回の注目は没入型のインスタレーション

最近何かと流行りの体験型のアートです。

例えば、高谷史郎とのコラボ「Is Your Time」は、とても心に染み入る作品でした。

 

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

これは坂本龍一が2011年の東日本大震災の津波で被災した宮崎県農業高校のピアノに出会い、「自然によって調律されたピアノ」と捉えた作品だそうです。

つまり今回展示されているピアノは、被災時の実際のピアノというわけでしょうか。

 

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

室内は非常に暗いけれど、ピアノのホコリや汚れ様が見て取れる。

生々しいから余計に心に染み入るわけですね。

 

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「Is Your Time」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

そしてピアノの上部には、舞い降りている雪の映像が!

でも私の解釈では、”黒い灰”にも感じてしまう。

白黒の映像美だからこそ、そう感じてしまうんでしょうね。

 

「async - immersion tokyo」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「async – immersion tokyo」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

今回高谷史郎さんとのコラボ作品は計5点で、その内の1点です。

 

「async - immersion tokyo」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「async – immersion tokyo」坂本龍一 with 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

大画面のスクリーンによるインスタレーションで、何も考えずにただ座りながら魅入るのもイイかと思います。

 

 

「async - volume」坂本龍一 + Zakkubalan ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「async – volume」坂本龍一 + Zakkubalan ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

この作品には、坂本が実際に過ごしていたリビングやスタジオの断片的映像が使用されているそうです。

という事は、上にあるピアノは実際に坂本龍一が弾いていた!?

想像しただけでも、深く染み入る映像ですね。

 

「LIFE - fluid, invisible, inaudible...」坂本龍一 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「LIFE – fluid, invisible, inaudible…」坂本龍一 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

天井から吊るされた9つの霧が発生する水槽と、そこに投影される映像。

ちなみに作品名「LIFE – fluid, invisible, inaudible…」ですが、意味としてはこういった感じになるでしょうか。

・fluid… 流体。
・invisible… 目に見えない。
・inaudible… 聞こえない。

 

「LIFE - fluid, invisible, inaudible...」坂本龍一 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「LIFE – fluid, invisible, inaudible…」坂本龍一 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

深く読み解こうとすると、余計に訳が分からなくなる。

何も考えず、ただ歩きながら鑑賞するに限ると思います。

 

個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』の展示様子です。

 

個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

 

 

「LIFE - WELL TOKYO」坂本龍一 + 中谷芙二子 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「LIFE – WELL TOKYO」坂本龍一 + 中谷芙二子 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

今回は展示が室内・室外と多岐に渡っていますが、室外で特に見所?と言われているのが「LIFE – WELL TOKYO」です。

坂本龍一と中谷芙二子、そして高谷史郎とのコラボ”霧の彫刻”で、霧と光と音が一体となった作品です。

 

「LIFE - WELL TOKYO」坂本龍一 + 中谷芙二子 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「LIFE - WELL TOKYO」坂本龍一 + 中谷芙二子 + 高谷史郎 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

辺り一面が霧に覆われると、前が全く見えない。

しかも観終わった後は、しっとりと服も濡れる。

冬だと余計に寒く感じますよね。これが夏場だったら良かったのに…。

 

「MPI × IPM」坂本龍一 × 岩井俊雄 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「MPI × IPM」坂本龍一 × 岩井俊雄 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

個人的に最も印象的で、最も心に響いた作品が「MPI × IPM」という展示作品。

「Music Plays Images X Images Play Music」の頭文字を取って「MPI × IPM」になっています。

個人的な感想として、坂本龍一の音楽自体が一つの没入型アートなのでは?と。

純粋に聞いているだけで、その世界に浸れるから。シンプルだけれど、坂本龍一の良さを感じるには最高な方法だろうと思います。

 

「MPI × IPM」坂本龍一 × 岩井俊雄 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

「MPI × IPM」坂本龍一 × 岩井俊雄 ※個展『坂本龍一:音を視る 時を聴く』より

こういった映像を流されると、坂本龍一は亡くなったんだと再確認してしまう。

”しんみり”としてしまうけど、坂本の音楽って芸術性が高いんだろうな~って感じる瞬間ですね。

 

 

東京都現代美術館で『坂本龍一:音を視る 時を聴く』を観てきました。
今回の個展『坂本龍一』は展示のほとんどが映像と音によるインスタレーション・アートです。

作品数でいうと10点程ですが、どれもじっくりと鑑賞出来るのがイイ。

気が付けば長居してしまう…、そんな展覧会だと思います。

 

 

 

『坂本龍一 音を視る 時を聴く』の開催概要

東京都現代美術館で『坂本龍一:音を視る 時を聴く』を観てきました。

個展『坂本龍一』の開催概要は以下になります。

 

坂本龍一 音を視る 時を聴くの開催概要

・会期:2024年12月21日(土)~2025年3月30日(日)
・時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)

・場所:東京都現代美術館 企画展示室 1F&B2F
・休館日:月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月28日~1月1日、1月14日、2月25日

・観覧料:一般は2,400円(20名以上団体は1,920円)、大学・専門学校生・65歳以上は1,700円(1,360円)、中高生は960円(760円)、小学生以下は無料
※本展チケットで「MOTコレクション」も観覧可能

 

結構混む事が予想されるので、じっくり鑑賞するなら閉館1時間前(5時くらいから~)がベストでしょうか。

というわけで、興味のある人はぜひ!!

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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