- 2023-10-15
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
- コメントを書く
版画家”棟方志功”より、「世界のムナカタ」の方が一般的なのかもしれませんね。
日本を代表する版画家でありながら、でも実はこれまでよく知らなかった。地元が埼玉県の私にとって、”棟方志功”はちょっとした繋がりがあるにも関わらずです。意外と馴染みのある芸術家ほど、目が向かないのかもしれないですね。
そんなわけで、先日東京国立近代美術館で「棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」を観てきたのですが、想像以上に発見の嵐だったわけですね。
逆にこの展覧会のお陰で、私が棟方を深く知ろうと感じるきっかけになったわけです。
今回は展覧会を観てきた私のレビューも交えながら、”棟方志功の凄さ!”を私なりに考察してみました。
【 話の流れ 】 |
「棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」の一部をご紹介!
東京国立近代美術館で開催した「棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」。
巡回展なので、すでに観たという人も多いと思います。
ここでは展覧会の一部様子を紹介したいと思います。
※「善知鳥(うとう)版画巻(巻一・巻三)」(1938年)棟方志功記念館所蔵
※「大和し美し」より一部(1936年)日本民藝館所蔵
※「法林經水焔巻(ほうりんきょうすいえんかん)」(1945年)個人蔵
※「法林經水焔巻」(1945年)個人蔵
この「法林經水焔巻(ほうりんきょうすいえんかん)」を観ると、画風的に「十万石まんじゅう」を思いだすのは私だけでしょうか。
最初でもちょっと話しましたが、地元が埼玉県ですから”棟方志功”はちょっとした繋がりがあるのです。”うまい、うますぎる!”のフレーズで有名な「埼玉銘菓十万石まんじゅう」がそれです。実際に棟方は”まんじゅう”を食べて絶賛し、それが現在のフレーズにもなっている。しかもCMに登場する絵も棟方が描いているわけですから。
※「二菩薩釈迦十大弟子」(1939年)日本民藝館所蔵
※「二菩薩釈迦十大弟子」(1939年)東京国立近代美術館所蔵
日本を代表する版画家でありながら、でも棟方志功についてはよく知らなかったわけです。こうやって興味を持つきっかけになっただけでも、「棟方志功展」に行った甲斐があるというもの。
特に今回の様な単独の展覧会は、得るモノも多いですよね。
2023年の12月3日まで開催するので、興味のある人は行ってみる事をおススメします。大画面の作品も多いですし、展示数も結構充実しています。それに基本的にある程度は写真撮影OKなのも嬉しいですね。
【 生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ 】 ・会期:2023年10月6日(金)~12月3日(日) ・時間:10:00~17:00(金曜、土曜は10:00~20:00)※入館は閉館の30分前まで ・観覧料:一般は1,800円(20名以上の団体1,600円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生700円(500円) |
”棟方志功の凄さ!”を私なりに考察してみた!
それでは展覧会を観て私が思う、棟方志功の凄さ!について話していきましょうか。
私的には2つに絞られるわけですが、これから展覧会に行こうと考えている人にも参考になるかと。観る際のポイントになると思うからです。
1、作品制作に対する凄すぎるバイタリティ!
まず1つ目は、作品制作に対する姿勢が凄すぎます。というか、傍からみるとちょっと異常にも見えてしまいます。
内から湧き出る制作意欲というか、情熱と言うか…、カッコ良く言えばバイタリティの塊ですね。展覧会の作品数を見ればその理由も納得と言うものです。変人と天才は紙一重とはよく言うけれど、映像を観たら”天才!”と言いたくなると思います。
「棟方志功展」では、後半に映像も見れるので必見ですよ。
2、棟方作品の神髄は、純粋に観て愉しめる!
棟方志功の作品は一見すると、よく言えば豪快でパワフルにもなりますが、悪く言えば僕でも描けるのでは?という感じです。でもコレがイイわけです。
作品を見て純粋に雰囲気を楽しむ!
棟方志功がデザイナーと言われる所以でしょうね。何の知識も背景を知ってなくても、純粋に観て愉しめる。これが棟方志功の最大の魅力であり、特徴かなと思います。本来の作品というものの在り方を分かっていたって事でしょう。
棟方が様々な商品のイラストを手がけるに至ったのも頷けます。版画家というより、デザイナーという言葉の方が合っているでは?とつくづく思いますね。
実はちょっと悲しいお知らせがありまして、青森県にある「棟方志功記念館」が2024年3月31日で閉館するとの事。
所蔵していた作品は青森県立美術館に移管されるそうですが、でも何とも残念な話です。今回の「生誕120年 棟方志功展」は、生誕120年の節目もあるだろうけど、閉館するに伴って世間に観てもらおう!という考えもあるのかもしれない。そう思ったら、行かない理由はないですよね!^^
ぜひ、興味のある人は立ち寄ってほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。