井上響さんの本『「なんかよかった」で終わらない 絵画の観方』をレビュー!

井上響さんの著書『「なんかよかった」で終わらない 絵画の観方』より

 

先日、井上響さんの著書『「なんかよかった」で終わらない 絵画の観方』を買ってみました。

 

今回は自称”絵画鑑賞中級者”による、率直な本のレビューをしていこうと思います。

随所に絵画作品を挙げながら、でも極力ネタバレはしないよう話していきます。

興味のある人は、参考にしてもらえると幸いですね。

 

私の率直な感想としては、10年前にこの本を手にしていたら良かったな~と。

そして同時に、良い時代になったな~と。

つまりはそういう事です。

 

「アモルとプシュケ」(1817年)フランソワ=エドゥアール・ピコ

「アモルとプシュケ」(1817年)フランソワ=エドゥアール・ピコ

・233×291cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

これはフランソワ=エドゥアール・ピコの作品アモルとプシュケ

本の””に描かれた作品です。

フランソワ=エドゥアール・ピコ(François-Édouard Picot、1786年~1868年)
フランスの画家で、エコール・デ・ボザールで多くの画家を育てた事でも知られています。

 

井上響さんの著書『「なんかよかった」で終わらない 絵画の観方』(帯)
Q、なぜベッドから出ていく?の気になる一文が目を惹きますね。

帯表紙は興味を持たせるためのコピー的な役割もあるので、もちろん本を読めば””が解けるわけですが…

でも私の場合は読む前に”もう答えは分かってしまっている状態”でした。

というのも、私もそれなりに絵画知識がある人間だからです。
(一応私も”絵画鑑賞中級者”ですから。)

 

「サント・ヴィクトワール山」(1902-1904年頃)ポール・セザンヌ

「サント・ヴィクトワール山」(1902-1904年頃)ポール・セザンヌ

・70×92cm、カンヴァスに油彩、フィラデルフィア美術館所蔵

それなりに絵画知識のある人間にとっては、新鮮味溢れる内容ではないかもしれないわけです。

 

ただ一つ言える事は、”この本を10年前に手にしていたらな~”って。

内容的に王道の作品を中心に取り上げていますし、物語や神話など基本的な説明も分かりやすくされているから。

初心者など絵画の楽しみ方が分からないという人には最適な一冊!だと思うのです。

 

「ソロモンの審判」(1649年)二コラ・プッサン

「ソロモンの審判」(1649年)二コラ・プッサン

・101×150cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

これは二コラ・プッサンの「ソロモンの審判」。

個人的な話になりますが、「ソロモンの審判」が本に取り上げられていたのは嬉しかったですね。

何せ、名画中の名画!ですからね。
(つくづくルーヴルは凄い作品ばかりを所蔵していると思いますね。)

 

これまで色々な本を買ってきた私からすれば、この本1冊である程度が網羅されている感じがします。

ただ欲を言えば、”宗教画”にもうちょっとスポットを当ててくれたら嬉しかった。

西洋画において、宗教画は大きな比重を占めているからです。
(ま~、欲を言えばキリがないですけどね。)

 

「聖トマスの不信」(1601年頃)カラヴァッジョ

「聖トマスの不信」(1601年頃)カラヴァッジョ

・106.9×146cm、カンヴァスに油彩、サン・スーシ宮殿所蔵

そういえば、自称”中級者”の私が、なるほど!!と思う部分も結構ありました。

例えば、”人物の表情や表現方法”に鑑賞のポイントが置かれている点です。

人物の”喜怒哀楽”を絵画から読み取る。

これはさらなる絵画の楽しみ方に繋がりそうですね。^^

 

私の考え
という感じで、初心者にとっては最適な一冊だと思います。

”美術入門書の新定番”とコメントされていますし、何より分かりやすく書かれているのがイイですね。

興味のある人は、ぜひ読んでみるのもイイと思います。

 

なみに私的余談になりますが…

また私の本棚に、アート系の本が一冊加わったわけです。

こうやって自分の本棚を観ると、自分で言うのも何ですが”圧巻です!!”

将来自分の書斎を持ちたい!と夢見ている私としては、この本もコレクションの一つになるわけですね。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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