- 2025-3-20
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日、六本木で手塚治虫の「火の鳥展」を観てきました。
世代的にはドンピシャというわけではないですが、”火の鳥”というワードを聞くと妙に興味が湧いてきてしまう。
それだけ手塚治虫が偉大だったというわけでしょうね。
今回は東京シティビューで開催した「火の鳥展」の私的レビュー、そしてエントロピー増大の法則!?について話していこうと思います。
【 目次 】 ・六本木で手塚治虫の「火の鳥展」を観てきました。 |
六本木で手塚治虫の「火の鳥展」を観てきました。
六本木で開催した手塚治虫の「火の鳥展」に行ってきたので、随所に展示風景も交えながらレビューをしていこうと思います。
まず私の感想を言ってしまうと、今回の「火の鳥展」は原画展(正式には直筆原稿)です。
表現としては適切かどうか分かりませんが、”地味に凄い!”です。
何といっても、展示数が半端ない!
手塚治虫の直筆原稿が約400点展示されています。
だから私の様に漫画を観ていた人間からすると、ある種の”懐かしさ”を感じてしまう内容でした。
「火の鳥」を読んでいた人は、おそらく僕と同じ感覚を味わえると思いますよ!^^
そういえば僕が少年時代の頃って、学校の図書室にも「火の鳥」が置いたあったものでした。
学校に漫画があるって、考えてみれば不思議なものですよね。
でもそのお陰で、買わずに読めたわけですが…。
そういった思い出もあって、原稿を見ながらふと懐かしさも感じてしまった。^^
(年を取ったのを感じる瞬間ですね。)
もちろん個人的に欲を言ってしまえば、もうちょっと他の展示品もあると良かったのにな~というのもあります。
アニメになった漫画なので”セル画”の展示だったり、”火の鳥”に関連する絵画などがあるともっと嬉しかったわけですが…。
(さすがに欲を言えばキリがないわけですね。)
さて、今回の大きなテーマですが、タイトルにもなっている様に”エントロピー増大と動的平衡”があります。
生物学者の福岡伸一さん監修によるものなので、漫画「火の鳥」を生物論的な視点で解説がされていたのも興味深い点でした。
さすがに子供の頃はそこまで難しく考えて読んでいませんでしたが…。
というか、難しく考えて漫画を読んでいたら、おそらくつまらないものになっていたかもしれない。
だって、漫画ですから!
でも大人になった現在なら、生命論的視点で読み解くのもオモシロいかもしれない。
というわけで、また「火の鳥」を読んでみようかな~と思い、早速ネットで購入してしまったわけです。
それにしても、「火の鳥」って実に壮大な漫画だな~と思いますね。
漫画というよりか、一つのドラマと言った方が適切かもしれないけれど。
ここまで時間軸があって、壮大な世界観を持った漫画って他にはないと思います。多くの漫画家が影響を受けるのも分かる気がしますね。
さて、今回の「火の鳥」展ですが、ここまで観てきた様に撮影OKなエリアがあります。
最初のエントランス部分、つまり”火の鳥”の世界観を表現したシアタールームです。
こじんまりとしたシアター演出なのでそこまでではないですが…。
ただ個人的には、下に敷かれた漫画のコマシーンは良かったですね。
アルバム写真みたいな感覚で、漫画のストーリーが蘇ってくるからです。
そしてもう一つ忘れてはいけないのが、エントランス部分からの最高な眺めでした。
個人的に今回の「火の鳥」展ですが、六本木ヒルズ森タワーの52階で開催というのは良かったと思っています。
まるで”火の鳥になった気分で、人間世界を眺めているような…”
そんな錯覚にも浸れるからです。
そういえば、漫画「火の鳥」にはこんなフレーズがありましたよね!
”宇宙のなかに人生など いっさい無だ! ちっぽけなゴミなのだ!”と。
ちなみに開催概要ですが、以下の通りになっています。
【 手塚治虫「火の鳥」展の開催概要 】 ・会期:2025年5月25日(日)まで ・時間:10:00~22:00 ※最終入館は21時 |
興味のある人は行ってみるのもイイと思います。
エントロピー増大の法則と動的平衡って!?
今回の「火の鳥」展ですが、大きなテーマは”エントロピー増大と動的平衡”です。
この「火の鳥」展は、生物学者の福岡伸一さんの生命論”エントロピー増大の法則に抗い続けている動的平衡”と重ね合わせているので、随所に福岡さんの解釈や解説も交えていたりします。
エントロピー増大や動的平衡といった難しい言葉を並べられても、文系出身の私としては”何のことやら!?”って感じですが。
でも大人になった現在なら、漫画「火の鳥」をより深く解釈してみるのもオモシロいかもしれない。
子供の頃だったら、ただ漫画を見るだけでも良かったかもしれないけど、今はそれなりに良識を持った一人の人間ですからね。^^
というわけで、私なりの解釈も交えながら説明してみようと思います。
さて、私なりに調べた感じになりますが…
福岡伸一さんの言う”エントロピー増大の法則”は、どんなものでも時間と共にエントロピー(混沌・乱雑さ)が増大するというのです。
熱々のコーヒーが時間と共に冷めていく様に、どんな頑丈な建物も、雨風にさらされれば劣化していく。
つまり秩序あるものは必ず壊れる(無秩序に向かう)というわけです。
でも命あるものは、そんなエントロピーに逆らおうとする。
新陳代謝を繰り返してバランスを保とうとするわけです。つまり”動的平衡”というわけです。
無秩序へ向かう流れに、人間は変化しながらバランスを保とうとする。
人間は死に向かうという宇宙の大原則に沿って生きているけれど、その流れに逆らうかの様に永遠の命を得ようと”火の鳥の血”を欲しようとする。
福岡伸一さんは”エントロピー増大と動的平衡”を、漫画「火の鳥」と重ね合わせて考えている様です。
ん~、実に深いですね。
理解できる様で、でも理解出来たか?と問われたら微妙ですが…。^^
これについては、より「火の鳥」を深読みする必要がありそうですね。
とにかくまた漫画「火の鳥」を読もうと思うきっかけになったのは確かなわけで、興味のある人はまた読み返すのもイイと思います。
手塚治虫さんの「火の鳥」は、それだけ深い作品だと思うからです。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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