フランスに行ったら、「ニコラ・プッサンが好き!」と言える人間になりたい。

フランスに行ったら...

 

私は二コラ・プッサンが好き!

フランスに行った時、この言葉が自然と言えたら、もしかしたら一目置かれる人物として見られるかも!?

 

ある程度美術に親しんでいる人なら、”二コラ・プッサン(Nicolas Poussin)”という画家は知っていると思います。17世紀に活躍した古典主義の巨匠で、俗にオールド・マスターと呼ばれる画家です。セザンヌやピカソにも影響を与えた事からも、影響力の高さは分かると思います。

 

でもここでちょっと疑問に思いませんか?モネやルノワール、マティス、ドラクロワなど、フランスには巨匠と呼ぶにふさわしい画家がたくさんいます。それなのに、なぜフランスでは”二コラ・プッサン”なのか??理由を探っていくと、実に深い意味が込められているわけです。

 

 

フランスで「プッサンが好き!」と言える人間になりたい。

アートを愉しむ!

さて、今回このタイトルにした理由は、以前「プレジデント オンラインPresident Online」で見かけた西洋美術史家”木村泰司”さんの記事がきっかけでした。

木村泰司さんはこれまで多くの書籍を書いていますが、どれも西洋絵画史に触れながら、分かりやすく絵画や芸術について語られているのが特徴。歴史というとちょっと堅苦しい感じがしますが、木村泰司さんの本は、良い意味で期待を裏切っていて気楽に読めるのがイイですね!世の中には初心者向けのエピソード本が多くあるなか、歴史という観点を交えた内容はなかなかないと思っています。

 

「サビニの女たちの略奪」(1634‐35年)二コラ・プッサン

「サビニの女たちの略奪」(1634‐35年)二コラ・プッサン

・154.6×209.9cm、カンヴァスに油彩、メトロポリタン美術館所蔵

近い将来的”フランスにある美術館を制覇したい!”なんて思っている私にとって、この木村泰司さんの話は結構参考になったりします。フランスに行くなら、その国を代表する画家をしっかりと知っておきたい!”アートに敬意を!”を信条としている私なりの考えでもあるからです。

その国を代表する画家…、フランスを代表する画家と言えば、例えばクロード・モネやルノワール、それからゴーギャン、マティスなどを挙げる人が多いと思います。個人的にはドミニク・アングルやドラクロワも捨てがたいわけですが、本当に挙げればキリがないくらいです。

でもその中にあって、二コラ・プッサンという画家は、ちょっと知名度的に落ちる感じがします。オールド・マスターなのに、なぜか日本での知名度は低い様に思うのです。

 

なぜなのか??

 

 

他の画家ではなく、なぜ”ニコラ・プッサン”なのだろう!?

なぜ??

モネやルノワール、アングルと様々な画家がいる中、なぜフランスでは二コラ・プッサンなのだろう?逆をいうとフランスに行って「モネが好き!」ではダメなのか?別に駄目というわけではない様です。もちろんクロード・モネは印象派の巨匠ですし、個人的にモネは好きな画家なので…^^)。でも木村泰司さん的には、モネだと「その程度の人か」…と思われてしまうそうです。

それでは、なぜフランスでは二コラ・プッサンなのか?

その理由を私なりに導き出してみました。

 

1,プッサンがオールド・マスターだから

二コラ・プッサンが活躍した時代は、17世紀のバロック時期。俗にオールド・マスターと呼ばれる画家です。オールド・マスターは18世紀以前に活躍した巨匠を指すことが多く、つまり画家の中の優れた画家という感じになるでしょうか。

もちろんプッサン以後の時代に与えた影響力は計り知れないものがあります。ドミニク・アングルやポール・セザンヌなど、影響を与えた画家もそうそうたる面々が挙がってくるわけです。特に二コラ・プッサンは古典主義の巨匠と呼ばれ、アカデミーが良しとする模範でもあった画家でした。歴史的に見て、二コラ・プッサンはフランス芸術の模範的画家だったわけです。

 

2,西洋美術史、歴史を知っていると思われるから

日本だとルネサンスや印象派が特に知られているジャンルだと思いますが、もっと広げていくと西洋美術はルネサンス、バロック、ロココ、新古典、ロマン主義など、様々な様式の変化がありました。その様式のほとんどは当時の歴史と大きく関係があったのです。つまり歴史と西洋美術は表裏一体の関係にあったわけですね。特に西洋では宗教、つまりキリスト教が大きなポイントで、宗教上の変化も芸術に大きな影響を与えていました。二コラ・プッサンの活躍していた17世紀。バロックの時代に古典主義の巨匠として名を挙げたプッサンもまた西洋美術史を語る上で重要な人物。プッサンが好きと言える人は、美術史や歴史を知っている人間と見られるでしょうね。

 

3,芸術を知っている人間だと思われるから。

日本とフランスの価値案の大きな違いの1つに”芸術に対する重き”があると思っています。フランスでは芸術家の社会的地位は日本とは比べ物にならないくらい高いそうです。実際ヨーロッパは絵画1枚でも裁判になったり、芸術に関する記事やニュースも大きく取り上げられる事が多いそうです。事実歴史上の画家が紙幣になったりもします。木村泰司さんの書籍『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』では、「プッサン知らずして、フランスの美を語るなかれ」とまで言っているほど!!

二コラ・プッサンはフランス美術における模範なわけです。特にプッサンの場合は知性や理性に訴える作品が多いので、プッサンを好き!と言えるという事は…

つまり”芸術が何となく好き”ではなく、”芸術を知的に深く理解している”と思われるからでしょうね。

 

ここでCheck!
さて、ここまでをまとめてみます。

フランスで二コラ・プッサンが最適な理由。プッサンの作品は”芸術=知性”が根幹になっているからだと思うのです。でも、日本では”芸術=感性”が重要視されるいる様で、日本人にはプッサンの作品は、ちょっと合わないのかもしれませんが。でもこれって裏を返せば二コラ・プッサンを理解できれば、間接的に自分の”知性の高さ”を証明できると思うのです。

欧米人にとって芸術の知識はビジネスでは必須!とよく言われます。以前何かで見た話ですが、欧米では大学の授業で”美術史”が重要視されていたり、企業研修では美術鑑賞をするところもあるくらい。もちろんビジネスだけでなく、旅行する上でも”美術の知識”あった方が良いそうです。”普通の日本人旅行客と違う!”と一目置かれるそうです。美術好きな私にとって、欧米人から”一味違う日本人!”というレッテルは貼られたいですしね。

そのためにも、フランスに行ったら、二コラ・プッサンが好き!”と、自然と言える人間になりたいわけです。

 

 

二コラ・プッサンの代表作を3つ挙げてみました!

美術鑑賞

フランスで二コラ・プッサンは偉大で重要な画家です。おそらくフランスでは知らない人はいないくらい有名だと思うわけです。日本で言う葛飾北斎の様な存在だと思います。

もちろんフランスを代表するルーヴル美術館にも、プッサンの作品は多数所蔵されています。

 

「アルカディアの牧人たち」(1638‐39年)二コラ・プッサン

「アルカディアの牧人たち」(1638‐39年)二コラ・プッサン

・85×121cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

おそらくプッサンの一番の代表作は「アルカディアの牧人たち」になると思います。

これは墓石の周辺に集まり、佇んでいる4人の人物を描いた作品。アルカディアは現在もギリシャに実在する地名で、ユートピア(理想郷)を代表する場所とも言われています。墓石にはラテン語で「Et in Arcadia Ego(我もまたアルカディアにあり)」と刻まれている。我は”死”を意味するとも言われ、”死はアルカディアに存在する”つまり”死を忘れるな”という教訓が作品に込められているわけです。

寓意的な作品で、フランス古典主義の模範とも言えるプッサンの傑作!ルーヴルに行ったら、ぜひ見たい作品ですね。

 

「マナの収集」(1639年)二コラ・プッサン

「マナの収集」(1639年)二コラ・プッサン

・149×200cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

砂漠でマナを集めるイスラエル人たちを描いた作品。エジプトから逃れ、故郷カナンへ向かう途中、食糧難からひどい飢餓に襲われますが、その時に奇跡が!神からの食物”マナ”が降り注いてきたのです。ちなみにマナは、平たい形のパンの様な食べ物だそうです。

 

「バッコス祭」(1627‐28年)二コラ・プッサン

「バッコス祭」(1627‐28年)二コラ・プッサン

・121×175cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

二コラ・プッサンが好んで描いた連作「バッコス祭」。バッカナール(Bacchanale)と言い、お酒と収穫の神ディオニューソス(バッコス)を祀るお祭りの事。つまり収穫祭を描いた作品です。

二コラ・プッサンの作品は神話、歴史、宗教画など、比較的知的な作品が多いのが特徴です。事実プッサン自身、教養のある人に作品を見てもらいたいという考えがあったそうです。すべての人に見てもらおう!ではなく、プッサンは人を選ぶ作品を制作していたわけです。

ここで挙げた3点はルーヴル美術館に所蔵されている作品。フランスを代表するルーヴル美術館に行った際は、ぜひ押さえたい作品だと思います。

 

言葉ならいくらでも、”二コラ・プッサンが好き!”は言えるけれど、でも私は本心から、この言葉を言える人間になりたい。そして美術館ではプッサンの作品をちゃんと理解して楽しみたい!そのためにも今よりもっとプッサンを知っておきたいのです。

プッサン知らずして、フランス行く事なかれ!”そう思った今日この頃でした。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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