根津美術館で『燕子花図屏風』とカキツバタを、一緒に観るには!?

「尾形光琳の燕子花図屏展」

 

都内で尾形光琳の『燕子花図屏風』と、カキツバタの花が一緒に見れる!

 

そんな贅沢な場所と言ったら、南青山の”根津美術館”しか考えられませんね。

都内に居るのを忘れるかの様な素敵な庭園を持っていて、池には”カキツバタ”の花が生息している。当然、時期になったら、見事!としか言いようがないカキツバタの花が一斉に咲き誇ります。

そして、咲く時期を見越して展示される国宝『燕子花図屏風』。考えただけでも粋な演出だと思いませんか??

【目次】

・『燕子花図屏風』とカキツバタが同時に見れるのは、いつ??
・根津美術館で観れる国宝『燕子花図屏風』
・根津美術館の庭園で見れる”カキツバタの花”

 

もちろん、この時期は人で混みあいますが、絶対に行ってほしい場所です。前もって日程のチェックをした上で、足を運んでほしいですね。

 

 

『燕子花図屏風』とカキツバタが同時に見れるのは、いつ??

余談

南青山という都内にありながら、一瞬”都内”に居るのを忘れさせてくれる場所。

その理由は、根津美術館には素晴らしい庭園があるから。私は何度も行っていますが、本当に素敵な場所です。普段のすさんだ生活?で疲れた気持ちも和らぐってものです。^^

そんな都会のオアシスで、『燕子花図屏風』とカキツバタの花が同時に見れるわけです。行った事のない人は、絶対に行ってほしい!ただ、花が咲く時期は限られているだけに、行く時期が重要!毎年ある程度同じ時期4月中旬~5月中旬の開催でほぼ間違いはないと思います。

とはいえ、行く前に日程のチェックは必要です。

 

(参考)
・2022年「特別展:国宝燕子花図屏風の茶会」4月16日(土)~5月15日(日)
・2021年「特別展:国宝燕子花図屏風 色彩の誘惑」4月17日(土)~5月16日(日)
・2020年はコロナのため中止
・2019年:尾形光琳の燕子花図 寿ぎの江戸絵画」4月13日(土)~5月12日(日)

 

カキツバタはアヤメ科アヤメ属の、主に湿地に生息する植物。時期は5月~6月にかけて紫色の花を咲かせます。ただ、根津美術館で開催する特別展は、毎年4月中旬~5月の中旬頃なので、ちょっと早めなのかもしれませんね。この時期の「特別展」は、尾形光琳の国宝『杜若』と、庭園のカキツバタの両方が見れます。しかも、カキツバタにちなんだ作品も他に展示する事も多いので、結構見所満載なのが特徴だったりします。

 

なみに根津美術館の場所ですが、”根津”という名だけに、文京区の根津駅と間違えない様に!

住所:東京都港区南青山6丁目5−1
地下鉄「表参道」から歩いて8~10分ほど

私は最初、根津駅周辺にあるのかと、勘違いしてしまったほどですから…。

 

 

根津美術館で観れる国宝『燕子花図屏風』

「尾形光琳の燕子花図屏展」

この写真は2019年の「特別展:尾形光琳の燕子花図」の様子です。

尾形光琳の国宝『燕子花図屏風』は、現在は根津美術館が所蔵している作品です。国宝は作品保護の観点から、どうしても展示期間も決められているため、タイミングを逃したら、本当に次いつになるのやら?そんな具合です。しかも、カキツバタと同時となったら…。行かない理由はないですよね。

 

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

 

さて、この「燕子花図屏風」を見て、アレ!?と思いませんか?学校の教科書などで見た事がある人も多いと思います。琳派を代表する尾形光琳の代表作で、しかも国宝ですから。でも、本物は写真や画像とは一味も二味も違います。本物ならではのLIVE感で、ぜひ味わってほしいですね。

 

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

 

尾形光琳の「燕子花図屏風」は、金地の背景に大きく燕子花が描かれているのが特徴です。非常にシンプルに描かれているので、何だか自分にも描けそう!と思うかもしれない。でもシンプルなほど、実は奥深かったりするのです。

 

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

尾形光琳の『燕子花屏風』(国宝)、紙本金地着色、6曲1双、左右縦151.2×横358.8cm

シンプルでありながら、そして大胆!見る人が見たら、凄い!と絶賛するほど。装飾性やデザイン性の高さは、一見の価値があります。私も最初は琳派の良さが分からなかったのですが、観ていくにしたがって、琳派ってイイな~と思う様になってきましたから。

まだ光琳の「燕子花図屏風」を見た事のない人は、ぜひ試しに見てみるのもイイと思います。最初は良さが分からないかもしれないけれど、自ずと良さが分かってきますから!

 

尾形光琳(おがたこうりん)

万治1~正徳6.6.2(1658~1716)江戸中期の画家、工芸意匠家、琳派の大成者。京都に生れ、同地で没。生家は桃山時代以来の高級呉服商雁金屋(かりがねや)、父宗謙は多趣味で本阿弥光悦(光琳の祖父宗柏の母方の叔父)系統の書の名手。その次男で、弟が尾形乾山。通称市之丞、34、35歳より光琳と称す。名は惟富(これとみ)、ときに惟亮(これすけ)・伊亮を用い、53、54歳より方祝(まさとき)。号は初め積翠、次に澗声、道崇、寂明、青々など。少・青年期に父や山本素軒らから、狩野派の画法を学び、のち生家の所蔵品中より光悦蒔絵や宗達の絵を発見、その作風の復興を志した。遺産を蕩尽した元禄10年(1697)頃より本格的に画家として立ち、貴族の二条綱平らの推挙で法橋に叙せられた同14年を中心に、第一の画風高揚期(1697‐1704)を迎える。代表作の『燕子花図』屏風(1702頃、東京、根津美術館)は、伊年印草花図の系統を継ぐが、独自の純化した形と色を明快なリズムで金地の大画面に構成、画期的な様式を確立。 

~以下省略

出典元:新潮世界美術辞典

 

ここでCheck!
後半の文章に『燕子花図』の特徴が簡潔にまとめられています。

独自の純化した形と色を明快なリズムで金地の大画面に構成、画期的な様式を確立”。シンプルでリズミカルな画風は、当時としては斬新的で画期的だったのかもしれないですね。現在のデザインにも通じる部分がある点からも、琳派を大成させた光琳の功績は大きいと思うのです。琳派って、最初の頃はその良さが分かりにくい流派ですが、観ていくにつれて良さと凄さがしみじみと分かってくると思っています。ぜひ、試しに琳派をお試しあれ!!

 

 

 

根津美術館の庭園で見れる”カキツバタの花”

根津美術館(NEZU MUSEUM)

根津美術館は実業家の初代根津嘉一郎氏の蒐集した美術品を保存、展示するために造られた美術館です。根津氏の名前からとって根津美術館となったわけですね。現在では日本画や東洋の古美術などを中心に所蔵している美術館。設立当初は4,643点のコレクションだったのが、今や7,000点を超えるほどになっているそうです。

別に国宝の『燕子花図屏風』だけが見所!というわけではないのです。

しかも庭園は時期によって様々な姿を見せてくれるだけに、興味がある企画展があるなら、ぜひ南青山にある根津美術館に立ち寄ってほしい!そして、ついでに庭園もプラ~と散歩してみるのもイイと思います。

 

回は、カキツバタの花が咲き誇る時期の、庭園の様子をご覧いただければと思います。

根津美術館の”カキツバタ”の咲く庭園

 

根津美術館の”カキツバタ”の咲く庭園

 

根津美術館の”カキツバタ”の咲く庭園

庭園だけあって、緑に包まれた木々や日本の風情のある自然美も素敵!

 

根津美術館の”カキツバタ”の咲く庭園

 

カキツバタのある庭園  …根津美術館より
カキツバタと緑の調和は、実に風情がある!と思いませんか?

まだまだ、日本美術の奥深さを理解できていない私でも、それでもカキツバタの花の素晴らしさは観て分かります。都内でこれほどまでに、一斉に花を咲かせる場所って、なかなかないと思います。近い将来、本当に意味で日本美術を理解できる日が来たら、その時はまた違った愉しみ方が出来るかもしれない!!

 

根津美術館(NEZU MUSEUM)

絵画も屏風も、観る人の気持ちや体調によって作品の印象が違ったりします。もちろん、花も環境や天気によって、違った姿を見せてくれる!毎年行っても、違った『燕子花図』とカキツバタが見れると思います。

ぜひ、試しにどうぞ!!

 

 
 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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