”中級”と言っても、明確な基準はないけれど、私的に言うなら、美術館賞も10回くらいを超えた辺りでしょうか。ここまでくれば、美術館へ行くにも抵抗がなくなってきますし、ある程度自分なりの鑑賞ペースも分かってきます。もちろん好きな画家も一人や二人くらいは見つかってくるでしょう。
でもまだまだ知識面では追いついていないんじゃないかな?と思っています。好きな画家についてだったら、大体は分かるとして、でも西洋史や技法などはまだまだ…といった状態でしょうね。でも普通に楽しく鑑賞するだけなら、全然問題のない状態ですが。
ー 目次 ー ・中級者向け、美術鑑賞の楽しみ方 ・美術中級に見てほしいジャンル |
さて、そんな中級者さんの美術鑑賞の楽しみ方について、話していこうと思います。
中級者向け、美術鑑賞の楽しみ方
”中級者”だからといって、特別な鑑賞方法というわけではありません。初級者だろうと中級者だろうと、基本は同じで一番は”美術鑑賞を楽しむ事!”だと思っています。でも中級ですから、前後でちょっと加えてほしいポイントもあるわけです。
1,企画展の下調べをしよう!
予習と言うと、ちょっと勉強っぽく聞こえるけれど、言葉を変えると”下調べ”みたいなもの。好きな人とのデートを思い返してください!デートで行く場所の事を多少は調べたりしますよね!それと同じです。
例えば企画展のテーマや見所は何か??どんな画家の作品が観れるのか?最低でもこのくらいは調べておいた方がイイと思います。企画展のチラシや公式ホームページでこのくらいの情報は簡単に調べられます。
でも、もう少し掘り下げて調べるのもイイ!例えば、画家の簡単な生い立ちや作品の特徴。どんなジャンルの画家なのか?例えば、ルネサンスだったり、バロックやバルビゾン派だったり…。ここまで調べてしまったら、当日の美術館では解説はほとんど見る必要もなくなると思います。
2,当日の美術館では、手抜き鑑賞で楽しもう!!
さて、待ちに待った美術鑑賞の日がやってきました。
もちろん鑑賞方法は初級と同じくあっさり手抜き鑑賞で十分です。作品を1枚1枚じっくりと観る必要もない。解説を飛ばして読まなくてもOK。気にある作品を発見したら、立ち止まりじっくり鑑賞すればいい!本当にこれだけで十分楽しめます。
中級者となったあなたなら、前もって下調べをしていますし、そこからさらに掘り下げて調べしている人なら、なおさら解説は見る必要もないでしょう。なぜなら画家や作品の特徴、ジャンルについて知っているわけですから!他の人が解説を読んでいるのを横目に、あなたは一直線に作品へと向かえばよいのです!
なぜ、猿が絵を描いているのだろう??ちょっとした疑問が作品を立ち止まって見るきっかけ!!
初級で気になる作品との出会いがじっくり鑑賞のきっかけと話しました。もちろん中級となれば、気になる作品がますます増えている事でしょう!前もっと見所作品も調べているので、”アッ!この絵は見所作品だ!!”。”この絵はモネの絵だな!”と目に留まるはずです。そうなるとあっさり手抜き鑑賞だったはずが、意外と立ち止まる回数も増えていると思うのです。前もって下調べをする理由は、当日の美術館で目に留まる作品数が増える事にも一躍買っているわけです。
人間は知っている情報量が増えると、不思議と楽しくなってくるものです。作品を見ただけで誰が描いたものかが分かれば、自身の自信にもつながるし嬉しくなってくるもの。中級者の美術館賞は、知識の量に比例して美術鑑賞が楽しくなる時期なのです。
3,素敵な作品は、形として持っておこう!
これは初級でも話した事ですが、良いな~と思った作品のポストカードやポスターを買ってみようです。せっかく素敵な作品と出会えたわけですから、ポスターなり買って、部屋に飾るのもいいと思います。もしくは前回の延長でネット上で画像を探し、好きな作品リストのホルダーに追加していくのもイイですね!自分だけの美術アルバムがさらに蓄積されていきます。ただ注意してほしいのが、作品には著作権が存在するものもあります。私的に楽しむだけならイイですが、営利目的では使用しないでくださいね。
4,さらなる飛躍へ!
これまで誰かと一緒に美術鑑賞をしてきたあなた!今度はさらに一歩進んで『ひとり美術館』をしてみてはどうでしょう!?
中級者に見てほしい、絵画ジャンルは何?
初級では印象派がおススメと話をしました。でも西洋絵画だけを見ても、ルネサンス、バロック、ロココ、写実、印象と様々なジャンルがあります。もちろん他にも彫刻や日本画もあるし、美術と言っても実に様々あるわけです。
仮に最初は印象派から始めたとして、お次は…。
正直言って、別にどのジャンルでも良いと思います。最初に印象派をおススメした理由は、一番手軽に楽しめると思ったからにすぎないから。美術と言っても、本当に色んなジャンルがあって、それぞれ違った特徴や作風があります。まずは一度色々なジャンルの作品を見てみるのもイイと思います。イイな~と思うものから始めて、幅を広げるのもイイと思います。
・363×437cm、カンヴァスに油彩、アムステルダム国立美術館所蔵
バロック期に活躍した「光と影の魔術師」の異名を持つ”レンブラント”。
・83×65cm、カンヴァスに油彩、ウォーレス・コレクション(ロンドン)
ロココ期に活躍したフランスの画家フラゴナールの作品。
・65×50cm、カンヴァスに油彩、プリンストン大学美術館所蔵
抽象主義に属しているけれど、異色の作風が特徴的な画家ルドンの作品「出現」
その時代、ジャンルによって作風も多様で、画家によっても違いが表れてくるのがアートの面白い所!中級まで足を踏み入れたあなたなら、おそらくこれから待受ける芸術の世界に魅了される事間違いなしでしょうね。
さあ!!今週も近くの美術館に行って、たくさんの作品と出会ってみようではありませんか!!中級者は回数に比例して、美術の興味も増してくるものですから…。
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