- 2024-11-18
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日、アーティゾン美術館で「ピュシスについて:毛利悠子」を観てきました。
これは毎年開催しているジャム・セッション展で、今回は毛利悠子さんとの共演。
展覧会名になっている”ピュシス”は、古代ギリシア語で”自然”を意味する言葉で、今展の重要なキーワードにもなっている様です
さて、一体どんな共演が観れるのだろう!?
というわけで、実際に行ってきた私による感想レビューをしていこうと思います。
【 目次 】 ・「ジャム・セッション:ピュシスについて」をレビュー! |
「ジャム・セッション:ピュシスについて」をレビュー!
毎年アーティゾンでは、アーティストとの共演”ジャム・セッション展”を開催しています。
正式名は「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 - ピュシスについて」。
今回はインスタレーション・アートを得意とする”毛利悠子”さんとの共演でした。
ちなみに展覧会名になっている”ピュシス(physis)”ですが、古代ギリシア語で”自然”を意味する言葉で、今展の重要なキーワードにもなっています。
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
まず早速姿を現したが、丸形ライトで照らされた空間の絵画作品でした。
上の画像ではちょっと分かりずらいかもしれませんが、展示作品はジョルジュ・ブラックの「梨と桃」と藤島武二の「浪」の2点。
どちらも石橋財団コレクションです。
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
そしてメイン広場に足を踏み入れると、見えてきたのは「Magnetic Organ」という作品。
ケーブルやアルミ、コイルやモーターなど様々な素材を使用して制作したインスタレーション・アートです。
パッと見”天秤”にも見えなくもないですが、興味を惹かれたポイントはここではありません。
パウル・クレーの「数学的ヴィジョン」という絵画が展示されていた点です。
同じ視線の中に、同じようなテーマの作品を共演させるなんて!!この発想はなかなか洒落ていると思いませんか!?
今回はジャム・セッション、つまりはアーティストとの共演です!
毛利悠子さんのインスタ空間に、他の画家の絵画が展示されていたわけです。
私の認識ではインスタレーション・アートも絵画もそれぞれ独立した芸術作品だと思っていただけに、まさか2つの作品を共演させるなんて!!
この発想自体がなかった。
下手をすれば、作品同士が喧嘩するかもしれないですからね。
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
こちらは毛利悠子の「Piano Solo: Belle-Ile」で、海の映像と波の音を融合させたインスタレーション。
映像と音で表現されたら、そりゃあ臨場感は半端ない!!
ここはじっくり魅入ってしまう場所だろうと思います。
そして、ここでもインスタレーションと絵画との共演がされていたわけです。
ちなみに、右側に見える絵画は誰のだと思いますか!?
・60.5×73.7cm、カンヴァスに油彩、石橋財団コレクション
クロード・モネ(Claude Monet)の「雨のベリール」という作品です。
モネの風景画と同じような映像が真横でも観れる。しかも耳からは波の音が聞こえてくる。
この五感を刺激する演出は素敵です!!^^
毛利悠子さんといえば、現在日本でも注目を挙げているアーティストの一人。
正直私も詳しく説明できる程ではないですが、穏やかな感じのインスタレーション・アートを特徴とするアーティストというイメージです。
例えるなら、”日本的奥ゆかしさ”を感じさせるアーティストと言ったところでしょうか。
だから毛利悠子さんのアート空間に作品を展示するという演出も、ある意味”間違ってはいない試み”だと思うわけです。
事実、全く違和感がなかったからです。
個人的には何とも思い切った挑戦!にも感じますね。
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
これは「めくる装置、3つのヴェール」
非常に静かで穏やかな感じのインスタレーションですが、不思議と魅入ってしまいますよね。
美術館という空間で展示されているから、なおさらなんでしょうか。
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
それにしても、光と音が美しい。
この6階の空間では、主に波と神秘的な音が流れているけれど、非常に居心地がイイ感じがするのは僕だけだろうか!?
元々海好きな私にとっては、この毛利悠子さんの創る空間は相性がイイのでしょうね!^^
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より
理解しようとするにはちょっと難しいけれど、でも体感してこそ良さが感じられる。
これもインスタレーションの醍醐味!
私的な願望を言うなら、6階だけの展示だけって実に勿体ない。
もっと大きな展示室で毛利悠子さんのインスタレーションを観てみたいですね。
というわけで、ぜひあなたも体感してほしいと思います。
インスタ・アートは実際に体感してナンボですから!!
毛利悠子(もうり ゆうこ) 1980年神奈川県藤沢市で生まれ、現在は東京を拠点に活動する現代アーティスト。 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業、東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。その後は様々な分野でも活躍中。 特に光や重力といった目に見えないものをインスタレーションで表現する作品を得意とする。 |
「ジャム・セッション:ピュシスについて」の開催概要
インスタレーション・アートは体験がベースとなっている作品。
しかも今回はインスタレーション空間に作品を展示すると言う、ある意味”挑戦的”とも言える展覧会になっています。
【 「ジャム・セッション: ピュシスについて」開催概要 】 ・会期:2024年11月2日(土)~2025年2月9日(日) ・時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで ・入館料:ウェブ予約チケットは1,200円、窓口販売チケットは1,500円、学生は無料(要ウェブ予約) |
興味のある人はぜひ足を運んでほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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