アーティゾンで「ジャム・セッション:ピュシスについて」を観てきました。

アーティゾン美術館

 

先日、アーティゾン美術館ピュシスについて:毛利悠子を観てきました。

 

これは毎年開催しているジャム・セッション展で、今回は毛利悠子さんとの共演。

展覧会名になっている”ピュシス”は、古代ギリシア語で”自然”を意味する言葉で、今展の重要なキーワードにもなっている様です

 

さて、一体どんな共演が観れるのだろう!?

 

アーティゾン美術館
というわけで、実際に行ってきた私による感想レビューをしていこうと思います。

 

目次

「ジャム・セッション:ピュシスについて」をレビュー!
「石橋財団コレクション×毛利悠子 - ピュシスについて」の開催概要

 

 

 

 

「ジャム・セッション:ピュシスについて」をレビュー!

アーティゾン美術館で「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」を観てきました。

毎年アーティゾンでは、アーティストとの共演ジャム・セッション展を開催しています。

正式名は「ジャム・セッション石橋財団コレクション×毛利悠子 - ピュシスについて」。

今回はインスタレーション・アートを得意とする”毛利悠子”さんとの共演でした。

 

ちなみに展覧会名になっている”ピュシス(physis)”ですが、古代ギリシア語で”自然”を意味する言葉で、今展の重要なキーワードにもなっています。

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

まず早速姿を現したが、丸形ライトで照らされた空間の絵画作品でした。

上の画像ではちょっと分かりずらいかもしれませんが、展示作品はジョルジュ・ブラックの「梨と桃」と藤島武二の「浪」の2点。

どちらも石橋財団コレクションです。

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

そしてメイン広場に足を踏み入れると、見えてきたのは「Magnetic Organ」という作品。

ケーブルやアルミ、コイルやモーターなど様々な素材を使用して制作したインスタレーション・アートです。

パッと見”天秤”にも見えなくもないですが、興味を惹かれたポイントはここではありません。

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子

パウル・クレーの「数学的ヴィジョン」という絵画が展示されていた点です。

同じ視線の中に、同じようなテーマの作品を共演させるなんて!!この発想はなかなか洒落ていると思いませんか!?

今回はジャム・セッション、つまりはアーティストとの共演です!

毛利悠子さんのインスタ空間に、他の画家の絵画が展示されていたわけです。

私の認識ではインスタレーション・アートも絵画もそれぞれ独立した芸術作品だと思っていただけに、まさか2つの作品を共演させるなんて!!

この発想自体がなかった。

下手をすれば、作品同士が喧嘩するかもしれないですからね。

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

こちらは毛利悠子の「Piano Solo: Belle-Ile」で、海の映像と波の音を融合させたインスタレーション。

映像と音で表現されたら、そりゃあ臨場感は半端ない!!

ここはじっくり魅入ってしまう場所だろうと思います。

そして、ここでもインスタレーションと絵画との共演がされていたわけです。

 

なみに、右側に見える絵画は誰のだと思いますか!?

「雨のベリール」(1886年)クロード・モネ

「雨のベリール」(1886年)クロード・モネ

・60.5×73.7cm、カンヴァスに油彩、石橋財団コレクション

クロード・モネ(Claude Monet)の「雨のベリール」という作品です。

モネの風景画と同じような映像が真横でも観れる。しかも耳からは波の音が聞こえてくる。

この五感を刺激する演出は素敵です!!^^

 

私の考え
毛利悠子さんといえば、現在日本でも注目を挙げているアーティストの一人。

正直私も詳しく説明できる程ではないですが、穏やかな感じのインスタレーション・アートを特徴とするアーティストというイメージです。

例えるなら、”日本的奥ゆかしさ”を感じさせるアーティストと言ったところでしょうか。

だから毛利悠子さんのアート空間に作品を展示するという演出も、ある意味”間違ってはいない試み”だと思うわけです。

事実、全く違和感がなかったからです。

個人的には何とも思い切った挑戦!にも感じますね。

 

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

これは「めくる装置、3つのヴェール

非常に静かで穏やかな感じのインスタレーションですが、不思議と魅入ってしまいますよね。

美術館という空間で展示されているから、なおさらなんでしょうか。

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子

それにしても、光と音が美しい。

この6階の空間では、主に波と神秘的な音が流れているけれど、非常に居心地がイイ感じがするのは僕だけだろうか!?

 

元々海好きな私にとっては、この毛利悠子さんの創る空間は相性がイイのでしょうね!^^

 

「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子」の様子
・「ジャム・セッション:石橋財団コレクション×毛利悠子 -ピュシスについて」の様子より

理解しようとするにはちょっと難しいけれど、でも体感してこそ良さが感じられる。

これもインスタレーションの醍醐味!

 

私の考え

的な願望を言うなら、6階だけの展示だけって実に勿体ない。

もっと大きな展示室で毛利悠子さんのインスタレーションを観てみたいですね。

というわけで、ぜひあなたも体感してほしいと思います。

インスタ・アートは実際に体感してナンボですから!!

 

毛利悠子(もうり ゆうこ)

1980年神奈川県藤沢市で生まれ、現在は東京を拠点に活動する現代アーティスト。

多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業、東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了。その後は様々な分野でも活躍中。

特に光や重力といった目に見えないものをインスタレーションで表現する作品を得意とする。

 

 

 

 

「ジャム・セッション:ピュシスについて」の開催概要

アーティゾン美術館

インスタレーション・アートは体験がベースとなっている作品。

しかも今回はインスタレーション空間に作品を展示すると言う、ある意味”挑戦的”とも言える展覧会になっています。

 

ジャム・セッション: ピュシスについて開催概要

・会期:2024年11月2日(土)~2025年2月9日(日)
・場所:アーティゾン美術館

・時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
・休館日:月曜日、11月5日、12月28日~1月3日、1月14日 ※11月4日、1月13日は開館

・入館料:ウェブ予約チケットは1,200円、窓口販売チケットは1,500円、学生は無料(要ウェブ予約)

 

興味のある人はぜひ足を運んでほしいと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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