森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきた~」を観てきました。

森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を観てきました。

 

先日、森美術館ルイーズ・ブルジョワ展地獄から帰ってきた~を観てきました。

 

日本では約27年ぶりの開催だそうで、国内では最大規模との事。興味のある人も多いだろうと思います。

しかも開催場所は六本木の森美術館で、かの有名な彫刻「ママン(Maman)」がある場所だからです。

 

 六本木の象徴「ママン(Maman)」
実はこの巨大な蜘蛛の彫刻もルイーズ・ブルジョワの作品の一つ。

そういった意味でも、最高な場所での開催ではないでしょうか。

 

今回は「ルイーズ・ブルジョワ展」を私目線でレビューしていこうと思います。

 

目次

森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展」を観てきました。
「ルイーズ・ブルジョワ展」の開催概要

 

 

 

 

森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展」を観てきました。

森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を観てきました。

先日、「ルイーズ・ブルジョワ展」を観てきたのでその様子について話していこうと思います。

まず最初に私の感想を言ってしまえば、実に内容の濃い展覧会だった!と。

作品の質もそうだけど、展示数的にも思った以上の充実ぶりだったと思っています。

それに巨大な作品が多かった印象で、53階にある森美術館によく持ってこれたな~と。

主催者側の苦労も想像してい、余計に今展に対する意気込みが感じられてしまったわけです。そういった意味でも、妙に嬉しく感じた「ルイーズ展」でした。^^

 

 

れでは、注目の作品をいくつか挙げながらレビューしていこうと思います。

「かまえる蜘蛛」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ

「かまえる蜘蛛」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・270.5×835.7×627.4cm、ブロンズ・パティナ・ステンレス鋼、イーストン財団所蔵

これは前半部で展示されていた彫刻「かまえる蜘蛛

写真ではちょっと分かりずらいでしょうが、高さ3メートルに横8メートルという巨大な作品です。

彫刻は絵画と違って立体的な作品なので、自重を支えるバランスも大切。ここまで巨大な胴体をたった8本の足先だけで支えているというのも凄い。

ルイーズの制作センスにも驚きですね。

 

「かまえる蜘蛛」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ

「かまえる蜘蛛」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・270.5×835.7×627.4cm、ブロンズ・パティナ・ステンレス鋼、イーストン財団所蔵

それにしても薄暗い部屋に置かれていたので、余計に不気味に感じてしまいますね。

でも見れば観るほどパワフルさも感じられるから不思議です。

ルイーズにとって蜘蛛はを象徴するので、作品から力強さを感じるのも当然と言うものでしょうか。つまりは”偉大なる母”というわけです。

ルイーズ作品を観る上で、作品の意味を知るのは大きなポイントでしょうね。

 

「眼差し」(1963年)ルイーズ・ブルジョワ

「眼差し」(1963年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・12.7×39.4×36.8cm、ラテックス・布、イーストン財団所蔵

 

「カップル」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ

「カップル」(2003年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・365.1×200×109.9cm、アルミニウム、個人蔵

ルイーズにとって”カップル(Couple)”は重要なテーマだったそうです。

今展でも同じ様なテーマの作品がありますが、単に”愛”だけを意味するとは限らない。”愛情”や”依存”、”性”などいろんな要素が表現されている様で、実に奥深いのです。

確かに言われてみれば、男女の関係って愛だけじゃないですからね…。(自身の経験談から)

 

「ヒステリーのアーチ」(1993年)ルイーズ・ブルジョワ

「ヒステリーのアーチ」(1993年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・83.8×101.6×58.4cm、ブロンズ・磨かれたパティナ、イーストン財団所蔵

弧を描く様に反り返った男性を表現した彫刻「ヒステリーのアーチ」。

モデルはルイーズの助手でもあったジェリー・ゴロヴォイだそうです。

ヒステリーを起こすのは女性だけではない”という概念を覆した作品だそうです。

 

「ヒステリーのアーチ」(1993年)ルイーズ・ブルジョワ

「ヒステリーのアーチ」(1993年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・83.8×101.6×58.4cm、ブロンズ・磨かれたパティナ、イーストン財団所蔵

それにしても頭部がないのが、何とも不気味に感じてしまうのは私だけでしょうか…。

 

「無題」(1998-2014年)ルイーズ・ブルジョワ

「無題」(1998-2014年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・27.9×35.6cm、ホログラム、前澤友作コレクション

上↑は今回展示されていたホログラム作品8点の内の一つ。

所有者が前澤友作さんというのが驚き! 洒落た作品を持て事に対して、羨ましいな~^^と。

 

「部屋 X(肖像画)」(2000年)ルイーズ・ブルジョワ

「部屋 X(肖像画)」(2000年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・194.9×122.6×122.6cm、鋼・ガラス・木・布、個人蔵

 

「部屋 X(肖像画)」(2000年)ルイーズ・ブルジョワ

「部屋 X(肖像画)」(2000年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・194.9×122.6×122.6cm、鋼・ガラス・木・布、個人蔵

幼少期のトラウマや恐怖。そらから不安、暴力、恥…。

見れば観るほど考えさせられる作品です。一見バイオレンス的にも感じるけれど、他者と繋がりたい!という気持ちも込められているそうです。

まさにルイーズの内面にある感情を表現した作品ですね。

 

「花咲けるヤヌス」(1968年)ルイーズ・ブルジョワ

「花咲けるヤヌス」(1968年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・25.7×31.8×21.3cm、ブロンズ・金色のパティナ、個人蔵

作品名の”ヤヌス”ですが、ローマ神話に登場する門の守護神から来ているそうです。

でも何とも性的なイメージもしなくもない。この独特な表現はルイーズならではの感性でしょうね。

 

「お針子の妖精」(1963年)ルイーズ・ブルジョワ

「お針子の妖精」(1963年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・100.3×57.2×57.2cm、塗料・ブロンズ、イーストン財団所蔵

 

「青空の修復」(1999年)ルイーズ・ブルジョワ

「青空の修復」(1999年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・45.7×66×1.6cm、鉛・鋼・布・糸、個人蔵

 

 

「蜘蛛」(1997年)ルイーズ・ブルジョワ

「蜘蛛」(1997年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・449.6×665.5×518.2cm、鋼・タペストリー・木・ガラス・布・ゴム・銀・金・骨、イーストン財団所蔵

ルイーズについて知れば知る程、”蜘蛛”のイメージも変化してくるから不思議です。

女性として、母としての強さが感じられるから。

 

「蜘蛛」(1997年)ルイーズ・ブルジョワ

「蜘蛛」(1997年)ルイーズ・ブルジョワ / licensed under CC BY 4.0

・449.6×665.5×518.2cm、鋼・タペストリー・木・ガラス・布・ゴム・銀・金・骨、イーストン財団所蔵

 

私の考え
今回「ルイーズ展」を観て思ったのが、”想像以上に質の濃い展覧会だったな~”って。

本来立体的な作品、つまりは彫刻作品は様々な角度から鑑賞できるという醍醐味があります。それだけで鑑賞の幅が広がります。

そこに加えて、ルイーズ独特な世界観が凄い!

性的(セクシャリティ)でパワフルで、しかも暴力的な要素もあったりと実に考えさせられるものばかりなのです。

これは間近で観る価値あり!ですね。

個人的にはおススメな展覧会なので、ぜひ行ってみてほしいと思います。

 

 

 

 

「ルイーズ・ブルジョワ展」の開催概要

森美術館で「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を観てきました。

森美術館は平日でも午後10時までと遅い時間まで開催しているのが嬉しい!

仕事終わりに観に行くのも有だと思います。

 

ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ~開催概要

・会期:2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日) ※会期中無休
・場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

・時間:10:00~22:00 ※火曜日のみ17:00まで(ただし12月24日、12月31日は22:00まで)

・平日観覧料:一般は2,000円(1,800円)、学生(高校・大学生)は1,400円(1,300円)、シニア(65歳以上)は1,700円(1,500円)、中学生以下は無料

・観覧料(土・日・休日):一般は2,200円(2,000円)、学生(高校・大学生)は1,500円(1,400円)、シニア(65歳以上)は1,900円(1,700円)、中学生以下は無料

 

個人的にはおススメな展覧会なので、ぜひ行ってみてほしいと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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