デンマーク絵画を代表するハマスホイの魅力と作品の数々

ヴィルヘルム・ハマスホイと彼の作品

 

 

ヴィルヘルム・ハマスホイ”…

 

デンマーク絵画を代表する一人で、
属に”室内風景画家”とも言われた画家ハマスホイ

あなたはこの画家の名を聞いた事はありますか?

 

考え…・思い…
あまり聞きなれない名前だと思います。
でも日本では意外と人気の画家でもあるのです。
それだけにハマスホイの名は知らなくても、
知らずうちに作品は観ているかもしれないのです!

今回はハマスホイが描いた作品と、
その魅力に迫ってみたいと思います。

・・・

実はハマスホイの作品が見れる絵画展が
2020年に東京と山口で巡回開催します。
ハマスホイの作品とその魅力については、
少なからず知っておいて損はないと思います。

 

ハマスホイとデンマーク絵画
– Vilhelm Hammershøi and Danish Painting of the 19th century –

  (東京開催)
・日付:2020年1月21日(火)~3月26日(木)まで
・場所:東京都美術館(上野)

  (山口開催)
・日付:2020年4月7日(火)~6月7日(日)まで
・場所:山口県立美術館(山口)

気になる人は美術館に行ってみる事をおすすめします!

 

考え…・思い…
まずハマスホイの魅力を端的に言うなら、
実に独特で静寂さに満ちた作品ばかりって事!!

ではハマスホイの魅力を
3つにまとめて話していきたいと思います。

 

 

なぜ室内を描いたの??

ハマスホイは風景画家でありながら、室内の風景を多く描いているのが特徴です!

 

ハマスホイは風景画や人物画なども描いていますが、
その中でちょっと異質なのが室内の風景画を数多く描いている事。

しかもどこにでもある様な、
平凡な室内の様子を描いたものが多いのです。

「室内-開いた扉」(1905年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

「室内-開いた扉」(1905年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

 

・・・

「The Four Rooms」(1914年)Vilhelm Hammershøi

「The Four Rooms」(1914年)Vilhelm Hammershøi

白い扉と黒っぽい床、そしてちょっとしたインテリア。
よくあるオーソドックスな部屋の様子を描いているのです。

ただ扉が開いているのは
ハマスホイが意図的に開けているんだろうけど、
それは一体どんな意味を持たせているのか??

こういった感性はハマスホイ独特なものだと思います。

 

考え…・思い…
一体どんな気持ちでこの絵を描いたんだろう??
と考えさせられるものばかり!

ハマスホイは風景画家でありながら、
室内の静寂さと動きのない空間を描いているのです。
個人的には風景画家というより
風景静物画家”の方がしっくりくる感じですね。

もちろん屋外の風景画も描いていますが、
ハマスホイの醍醐味は室内の風景画にあると思います。

 

 

なぜ人が後ろを向いているの??

ハマスホイの絵の特徴は平凡な室内だけではないのです。
描かれている人物が後ろを向いている作品が多いのも特徴です。

 

「背を向けた若い女性のいる室内」(1903-04年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

「背を向けた若い女性のいる室内」(1903-04年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

 

絵を見て感動!
本当に後ろを向いた作品が多い印象があるのです。
一体なぜだろう??”と不思議に思いませんか?

観ていると疑問ばかりが湧いてきますね!

「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(1910年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(1910年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

実はこの絵は”国立西洋美術館”所蔵の作品です。

ちなみにここで描かれている後ろ向きの女性は、
ハマスホイの妻イーダ”を描いているのだそうです。

「Ida in an interior」(1893年)Vilhelm Hammershøi

「Ida in an interior」(1893年)Vilhelm Hammershøi

確かにハマスホイは人物画の顔をしっかりと描いている作品もありますが、
それとは反対に人物の顔が控えめだったり、後ろを向いた姿が多いのも事実なのです。

これまで様々な画家の絵を観てきても、
ここまで後ろ向きの姿を多く描いた画家って…
なかなかいないのでは?と思うのです。

 

こんな事が…
この後ろ向きの絵を観ていると
ふとこんな想像が湧いてきてしまいますね。
ハマスホイは人物よりも室内を主役として描きたかったのかな??…と。

もしくは人物の顔を描かないことで、
観る側に疑問を持たせたかったのかな~?…と。

イーダという女性はとても控えめでシャイそうな性格に見えるので、
もしくはイーダが顔を描いてほしくなかったのかも!?と思わなくもないですが、
でもイーダの顔がしっかりと描かれている作品もあるので、
この私の予想はないと思いますが…。

こんな感じで
色んな妄想が浮かんできてしまうのですが、
これがハマスホイの独特な魅力でもあると思うのです。

 

 

なぜここまで明るさを抑えたのか??

ハマスホイの絵はどれもが薄暗い感じだったり、
白と黒を基調としたくすんだ感じの作品が多いのが特徴です。

 

「農場の家屋、レスネス」(1900年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

「農場の家屋、レスネス」(1900年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

派手さというよりも、
地味な作品という感じがしますね。

(別に悪い意味ではないですが…)

 

考え…・思い…
ハマスホイの作品を観ていくと、
白黒を基調とした落ち着いた作品が多い事に気付きます。

「Tree Trunks, Arresødal near Frederiksværk」(1904年)Vilhelm Hammershøi

「Tree Trunks, Arresødal near Frederiksværk」(1904年)Vilhelm Hammershøi

しかも風景画も人物画もくすんだ様な、
薄暗い感じの絵が非常に多い。

というかほとんど明るさを抑えた作品なのです。

まるで”ハーグ派”の作品の様に思えてしまうのです。
ところでハーグ派はご存知ですか??
これはオランダで一時流行った流派でした。

 

ハーグ派(THE HAGUE SCHOOL)」

ハーグ派”とは…
1870年から1900年頃にかけて

オランダの都市ハーグで活動した画家たちの呼び名。

屋外の風景や漁業、農業の従事する人達を描いた風景画が主で、
フランスのバルビゾン派による写実主義の影響を受けつつ、くすんだ色合いを多用する作風が特徴的。
そのため別名”灰色派”とも呼ばれていました。

 

ハマスホイは”北欧のフェルメール”と称されるほどでした。
実際に17世紀のオランダ絵画、
特に風俗画から影響を受けていたと言われているのです。

 

考え…・思い…
フェルメールは室内を描いた作品が多く、
しかもどれもが静寂に満ちた落ち着いた作品が多い印象です。
こういった点でハマスホイと共通しますね。

少なからずフェルメールの影響を受けただろうと…と思います。

もちろんハーグ派もオランダから来ています。
ハーグ派の作品にも目を通していただろうと思います。
(時代的にはハーグ派とハマスホイは同年代なんですよね…)

 

「カード・テーブルと鉢植えのある室内」(1910-11年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

「カード・テーブルと鉢植えのある室内」(1910-11年)ヴィルヘルム・ハマスホイ

 

風景静物画家としてのハマスホイ

まるで時間を止めたような、
静寂な空間とノスタルジーな雰囲気を描いたハマスホイ

 

考え…・思い…
ハマスホイの作品は実に独特で魅力溢れます!

観ているとふと心が落ち着いてくるのです。
しかもまるで時が止まったかの様な、
そんな静寂に満ちた空間に居るかのような錯覚さえ感じてしまいます。

ぜひあなたもこの感覚を堪能してみては??

 

 

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