- 2024-8-8
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日山種美術館で、特別展「東山魁夷と日本の夏」を観てきました。
”没後25年記念”という特別展で、日本を代表する画家”東山魁夷(ひがしやまかいい)”の作品を中心に集めた展覧会。
今回は実際に観てきた私のレビューをしていこうと思います。
【 目次 】 |
「東山魁夷と日本の夏」展の感想レビュー!
早速「東山魁夷と日本の夏」展のレビューをしていこうと思います。
東山魁夷(ひがしやまかいい)は、知る人ぞ知る日本を代表する名画家。
1999年に亡くなっているので、比較的最近まで生きていた人物です。そういった画家を取り上げてくれるって、本当に嬉しいものですね!
しかも魁夷の作品はどれも夏にピッタリな画風ばかり!
この暑い夏に開催してくれるって、つくづく山種美術館のセンスの良さを感じてしまいます。
さて、本当なら作品を挙げながら話したいものですが、今回は基本的に撮影不可になっています。
(※唯一「緑潤う」という作品のみ、撮影が可能です。)
文字主体のレビューになりますが、出来る限り見所や魅力について話していけたらと思っています。
一般的に東山魁夷の作品は、”東山ブルー”と呼ばれる青と緑を主体とした色が有名。自然をこよなく愛し、風景画を多く描いてきたのも大きな要因だと思いますが。
でも私にとっては、”霞がかった”様な淡い感じの画風が特徴の画家という印象です。透明感があるというか、ちょっと神秘的にも思える画風は、本当に魁夷ならではの魅力!
真夏の時期に作品を見ると、ふと”避暑地”にいるかの様な錯覚を覚えるから不思議です。
例えば…
・「白い嶺」(昭和39年、1964年)紙本・彩色、山種美術館所蔵
・「年暮る」(昭和43年、1968年)紙本・彩色、山種美術館所蔵
魁夷の画風と冬の景色を描いた作品を見ていると、本当に夏を忘れさせてくれるわけです。
それに秋の風景を描いただろう「秋彩」(昭和61年、1986年)を観ていても、ふと気温が下がった感じがする。
やっぱり画風の影響力って凄いですよね。観ているだけで、体感温度も変化するから。
それだけ東山魁夷の風景画は、臨場感を感じられるものばかりなのです。
実際に魁夷は冬景色を描いている最中、雪が降り積もっているのも忘れるほど描くのに夢中になっていたというエピソードもあるほどですしね。
夢中になるくらい素敵な風景が、カンヴァスに描かれた。僕らが観て臨場感を味わうのも、当然といえば当然なんでしょうね。
そしてもう一つ忘れてはならない作品があります。
それが今回の目玉にもなっている「満ち来る潮」です。
これはyou tubeで観れる動画ですが、どうです!?かなり大きな作品なのが分かると思います。
でも注目して欲しいのは、それだけではない。
実はこの絵には、洒落た技法が使われているからです。
緑青(ろくしょう)と群青(ぐんじょう)で海面の色味を表わし、金やプラチナの箔で砕けた波を表現!
つまり、装飾性を伴った風景画というわけです。
本来”海”と言えば青をベースで描くものを、あえて緑がかった青を使うという表現力もさることながら、一番ビックリは金などを使って波を表現するって…。
この色の使い方というかセンスには驚かされます。
日本独自の屏風を彷彿とさせる、まさに装飾的風景画!
これはぜひ間近で見てほしい部分ですね。^^
この絵を見るだけでも、山種美術館に来た甲斐があったというもの。
恵比寿駅から汗ダクダクの状態で歩いてきた私にとっては、「満ち来る潮」という作品ですべてが帳消しになりましたね。
特別展「東山魁夷と日本の夏」は、9月23日まで開催します。
ぜひ興味のある人は行ってのをおススメします。
特別展「東山魁夷と日本の夏」展の開催概要
さて、肝心の開催概要ですが、以下になります。
【 特別展「東山魁夷と日本の夏」展の開催概要 】 ・会期:2024年7月20日(土)~9月23日(月) ・時間:10:00~17:00※入場は閉館の30分前まで |
美術館への道のりは地獄ですが、でも館内はまるで天国!そんな天国の様な場所で、ぜひ東山魁夷の作品を味わってほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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