- 2024-12-23
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
- コメントを書く
一般的には、クリスマスは楽しい日というイメージがあると思います。
そんな華やかなイベントに、私はあえて紹介したい名画があります。
というか、私が観たい絵画でもあるわけですが…。
今回はそんな一枚として、イリヤ・レーピンの「ミラの聖ニコライ」を挙げたいと思います。
【 今回の話の流れ 】 |
名画! イリヤ・レーピンの「ミラの聖ニコライ」
・215×196cm、カンヴァスに油彩、ロシア美術館所蔵
これはイリヤ・レーピン(Iilya Repin)の作品「無実の3人を死刑から救う聖ニコラウス(ミラの聖ニコライ)」
見ても分かる通り、決してハッピーな感じの作品ではありません。
でも本来のサンタクロースを知るという意味では、最適な名画だろうと思っています。
というのも、サンタクロースの起源が司教ニコラウスと言われているからです。
ちなみに、作品に描かれている場面ですが…
3人の無実な市民がこれから処刑されようとしていました。その時”聖ニコラウス”が刑場に現れ、処刑人から剣を奪い無実の人間の縄をほどきました。命を救われた無実の人間たちは聖ニコラウスにひれ伏し、泣いて喜びました。
間一髪のところで命を救っている場面がこの絵に描かれているわけです。
作品を見た感じだと、僕らの知るサンタクロースのイメージとは全く違います。
それでも人々に喜びを与えたという点では同じだと思いませんか!?
現在ニコラウスには様々な伝説や奇跡があるとされています。
でも不明な点が多いのも事実。実際のどれが本当の説かは分かりませんが、4世紀頃に実在したミラの司教だったのは確かなようです。
私が絶賛したい! レーピンの「ミラの聖ニコラウス」
今回私がイリヤ・レーピンの「ミラの聖ニコラウス」を紹介した理由ですが、本来のサンタを知る上で外せない名画だと思ったからです。
聖ニコラウスについての伝承は不明な点も多いので、これが事実かどうかは分からないけれど。
それでも重要なエピソードである事には変わりはないと思います。
それに巨匠レーピンが描いた作品となれば、これは絶対に外せない逸品だと思うのです。
・72.8×60.5cm、カンヴァスに油彩、トレチャコフ美術館所蔵
日本でのレーピンの知名度はそこまで高くはないかもしれないけど、私的には押さえてほしい巨匠の一人。
レーピンほど心理的描写を含めた写実性の高い作品を描く画家はいないと思うからです。
・114.5×185.5cm、カンヴァスに油彩、トレチャコフ美術館所蔵
確かに写実性の高い絵を描く画家はたくさんいますが、人間の喜怒哀楽までしっかりと表現できるって…。
僕の知る限り、他にはいないですよね。^^
レーピンの観察眼?の鋭さが伺えます。
・215×196cm、カンヴァスに油彩、ロシア美術館所蔵
これから処刑されようとしている人間の絶望と悲痛な表情。そして神に祈りを捧げているかの様に見える顔つき。
この複雑とも言える心理描写を巧みに描く技術は、レーピンにしか描けない代物だと思います。
それから堂々とした聖ニコラウスの表情も見逃せない!!
命を顧みずに人の命を救おうとする意気込みもしっかりと描かれているからです。
見れば観るほどイリヤ・レーピンの凄さが感じられる!
そんな偉大なる画家レーピンが描いたわけですから、クリスマスに「聖ニコラウス」は外せない。
作風としては決して楽しい感じはしないけれど、でも名画には変わりないですからね!!^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。