- 2024-2-2
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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東京国立博物館で特別展「本阿弥光悦と大宇宙」展が開催していますが、あなたはもう行きましたか!?
もしかしたら、”楽しめるだろうか?”と悩んでいる人もいるでしょうね。
何せ、光悦は書や陶芸、漆芸などで秀でた活躍をした芸術家だから。
どの作品ジャンルも、ちょっと敷居の高さを感じる芸術ばかりです。僕ら素人が理解できるだろうか?と不安に思うのも仕方のない事です。
実際に公式サイトの「開催趣旨」にも、こんな風に書かれていたくらいです。
”光悦の世界は大宇宙(マクロコスモス)のごとく深淵で、その全体像をたどることは容易ではありません。”と。
ハッキリ言ってしまえば、その道の専門家でない限り、本阿弥光悦の凄さを理解するなんて無理。
でも、ちょっとしたポイントさえ押さえれば、私の様な一般素人でも充分楽しめます!
実際に「本阿弥光悦と大宇宙」展を観てきた私だからこそ、断言できるわけです。
【 目次 】 ・第1章:本阿弥家の家職と法華信仰 ー 光悦芸術の源泉 |
という訳で、これから行こうと考えている人のためにも、楽しむポイントや鑑賞方法について話していこうと思います。
「本阿弥光悦と大宇宙」展のレビューと鑑賞のポイント
まずは、「本阿弥光悦と大宇宙」展の感想レビューから!
先ほどもちょっと触れた様に、本阿弥光悦は書や陶芸、漆芸などで活躍した芸術家です。僕ら素人にはちょっと敷居の高い様に感じるかもしれない。
でも私的にはイチオシ!です。
東京国立博物館で展示される場合は、展示作品の質もさることながら、量も充実しているから!しかも解説も本当に詳しくされているのも嬉しいですね。
書や陶芸の凄さは理解できなくても、楽しむ事は出来ますし。何より誰もが学校の授業などで見聞きしているだろうから、きっかけは充分です。
知っていても”本阿弥光悦”の作品をじっくりと鑑賞するなんて、これまであまりなかったでしょうから。
とはいうものの、本当に楽しめるのか!?と不安に思うのも当然。
ここから簡単ですが、展示作品の構成やポイントについて触れていこうと思います。
展示構成ですが、「本阿弥光悦と大宇宙」展は、ジャンル別に分かりやすく展示されているのが特徴です。
1章、本阿弥家の家職と法華信仰 ー 光悦芸術の源泉
…刀剣や法華宗に関わる文書等が展示
2章、謡本と光悦蒔絵 ー 炸裂する言葉とかたち
…謡本(うたいぼん)や木製の漆工芸が展示
3章、光悦の筆線と字姿 ー 二次元空間の妙技
…光悦の書いた文書や代表作『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』などが展示
4章、光悦茶碗 ー 土の刀剣
…黒楽、白楽、赤楽などの茶碗が展示
章によって興味のあるものもあれば、逆にそうでないものもあるかと思います。こればっかりは人の好みもあるでしょう。
という訳で、私がおススメの鑑賞のポイントを参考にしてみるのもイイかと思います。
私がおススメの鑑賞の方法・ポイント!
では私がおススメする見方は、まず1章⇒4章までをサラ~と見て回る。そして最後に興味のある章をじっくりと鑑賞する。これで充分かと思います。
すべてをじっくり観ようと思っても、ハッキリ言って無理です。興味のあるジャンルをとことん楽しむ!のがイイでしょうね。
ただ3章の「光悦の筆線と字姿 ー 二次元空間の妙技」では、光悦の代表作が数点展示されているので、ここはぜひ押さえてほしい部分ですね。
では次からは、章ごとの簡単な見所や楽しみ方について話していこうと思います。
第1章:本阿弥家の家職と法華信仰 ー 光悦芸術の源泉
まず第1章では、主に刀剣や法華宗に関係する文書等が展示されています。
本阿弥家は刀剣の研磨や鑑定を生業としていました。光悦も家業に少なからず関わっていたそうで、今展でも刀剣が約7~8点ほど展示されています。おそらく刀剣については、マニアでなくても誰でも普通に楽しむ事が出来るでしょうね。
また序盤で「光悦」印が展示されていますが、これは個人的にじっくりと観てほしいです。後ほど”印”が押された作品も展示してきますから。
第2章:謡本と光悦蒔絵 ー 炸裂する言葉とかた
第2章で特に注目して欲しい作品は、以下に2点になるでしょうか。
・「桜山吹図屏風」(色紙は本阿弥光悦筆、屏風は俵屋宗達筆)6曲1双、東京国立博物館所蔵
・「花唐草文螺鈿経箱(はなからくさもんらでんきょうばこ)」本阿弥光悦作、京都・本法寺所蔵
僕ら素人からすれば、漆器や工芸の技術的な事は分からないでしょう。純粋に装飾の美しさを味わうだけでも充分だと思います。
「綺麗だな~、美しいな~^^」こう思う事が、興味の始まりの一歩ですよ!
第3章:光悦の筆線と字姿 ー 二次元空間の妙技
ここでの一番の見所は、何といっても『鶴下絵三十六歌仙和歌巻(つるしたえさんじゅうろっかせんわかかん)』でしょうか。
俵屋宗達の下絵の上に、本阿弥光悦が三十六歌仙の和歌を書き散らした一巻です。おそらく誰もが一度は見た事のある巻物で、これが間近で観れるわけですから、ぜひ見てほしい逸品です。
※参考画像として
そしてなにより嬉しかったのは、惜しげもなく一巻をすべて広げた状態で展示していた事!
予想では時期によって場面替え展示するかと思っていたので、良い意味で裏切られた感じでした。
こういった贅沢な展示が出来るのも、トーハクならではの”粋(いき)”でしょうか。^^
第4章:光悦茶碗 ー 土の刀剣
最後の4章では、光悦の茶碗がメインに展示されています。
実はここの章は”通”の人なら興奮するかもしれませんね。何せ、光悦の代表作とされる茶碗がずらりと勢ぞろいしているから!
・黒楽茶碗「時雨」、「雨雲」、「村雲」
・赤楽茶碗「乙御前」、「毘沙門堂」、「加賀」
・白楽茶碗「白狐」、「冠雪」
実は所蔵場所が京都や奈良、東京の美術館などまちまちです。様々な場所から一堂に集結しての展示なので、こういった機会はなかなかないと思います。
正直言って私の様な素人からすれば、茶碗や陶器の良し悪しは分かりません。ただ茶碗表面の艶やザラッとした感じだったり、カッコよくいえば”茶碗の表情”という言い方になるでしょうか。茶碗の形や色味、艶などを鑑賞するだけでも味わい深い!と思います。
しかもこの一つ一つの茶碗が、おそらく数百~数千万円になるかと思うと…、番組『開運!なんでも鑑定団』ではないですが、鑑定士になった気分で”いくらかな~?”と予想しながら観るのも面白いと思います。
最後に、私がおススメする光悦の”書”の楽しみ方!
これまで章ごとに作品のポイントなどを話してきましたが、最後は光悦の”書”の見方について話していこうと思います。
本阿弥光悦は陶芸や漆芸など様々な分野で活躍した芸術家ですが、中でも”書”については名人と言われた人物です。今回は”書”に関する展示もかなりあるので、そういった意味でも鑑賞方法は大事でしょうね!
ただ光悦の”書”は上手いか下手かで判断するには、ちょっと難しい。しかも何て書いているのか分からない字もあったりしますから…。
私の様な素人にとっては、到底理解できない部類になるわけです。
でも、楽しむ方法はあります!
おススメは、”字をなぞる感じ”で観てほしい!
すると、オモシロイ自問自答が生まれてくるかと思います。
”これはゆっくりと書いたのかな?でもゆっくりだと墨が滲むだろうから、おそらくサラ~と書いていったのでは?”
”ここの文字は太いから、墨を多くつけて書いていったのだろう逆にここは字は細いから、流れる感じで書いただろう。”
”アレ?この字は、もしかしたら光悦は間違えて書いたのでは?” などなど…。
絵画を観る時もそうですが、疑問を持って観ると、鑑賞も楽しくなるものです。別にそのジャンルについて詳しくなくても、観方によっては楽しくなるから不思議です。
ぜひ騙されたと思って、試してみては!?
とにかく東京国立博物館で展示される場合は、展示作品の質もさることながら、量も充実しているから嬉しい!しかも解説も本当に詳しくされているのは流石!です。
だからトーハクで開催する「特別展」では、毎回のように図録を購入してしまうんでしょうね!
「本阿弥光悦と大宇宙」展の開催概要
個人的にトーハクで開催の「特別展」は、行って間違いない!と。
【 「本阿弥光悦と大宇宙」開催概要 】 ・会期:2024年1月16日(火)~3月10日(日)まで※一部作品の展示替え有り ・休館:月曜日、2月13日(火) ※2月12日(月)は開館します。 ・観覧料:一般は2,100円、大学生は1,300円、高校生は900円 |
「本阿弥光悦と大宇宙」展を”楽しめるだろうか?”と悩んでいる人もいるかもしれませんが、まずは行ってみるに限る!と。
展示作品数もそうですが、何より一つ一つの質も高いからです。
それに「特別展」の料金で、「総合文化展(常設展)」も観れるので、コスパも非常に良いですからね!
まずは試しに行ってみるのがイイと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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