- 2024-10-24
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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まるで新宿を見渡しているかの様な…。
そんな佇まいが特徴の男性像「瞭(りょう)」
「日本芸術院賞」を受賞した、彫刻家”分部順治”さんを象徴するかの様な作品です。
”凛”した佇まいの男性と、”瞭”というシンプルで抽象的な作品名。
まさしく日本男児というか、潔さも感じられる作品です。
最初作品を観た瞬間、「坐る男性」という名でもイイのでは?と思ったのですが…、
でもあえて漢字一文字にしているのには、何か意味がありそう!に感じませんか?
”瞭”という漢字は、普段僕らは”明瞭”という風に使う事が多いと思います。
意味としては「はっきりとしている様、あきらかな」になります。
私は”瞭”の意味と男性像を重ね合わせると、より彫刻に深みが増してくる感じがしたのです。
まさにピッタリ合致する瞬間ですね!!
例えばこの角度から観ると、”ハッキリと、新宿を観ている!”と。
”新宿と言う街の行く末を、男性は凛とした姿でしっかり見守っている”。 こんな解釈になるわけです。
ちなみに彫刻家”分部順治”さんについて調べていくと、以下の様な特徴の作品が多いのが分かります。
・「黙」(第5回「日展」出品作)・「想」(第10回「日展」出品作)
・「爽」(改組第4回「日展」出品作)・「暁」(第5回「日展」出品作)・「考」(第7回「日展」出品作)
他には「寛」「遥」「希」「黎」などがあります。
今回紹介した「瞭」は、昭和49年の第6回「日展」出品作で、「日本芸術院賞」を受賞した作品です。
作風は非常に写実性に溢れた感じでリアル。人物をそのまま表現した感じが特徴的です。
そして作品名を抽象的にする事で、より人物に深みを与えている。
作品名を噛みしめながら、彫刻を味わってほしい!そんな意図があるのかもしれませんね。
解釈は人それぞれですが、私はこう思ったわけです。
さて、私は「瞭」という男性像を斜め後ろから撮った姿が一番好きです。^^
なぜなら、作品名と男性の姿が一番しっくりくるからです。
彫刻作品は3D的作品なので、様々な角度から鑑賞できるのが魅力です。
正面から、時には後ろから、さらにはちょっと斜め下から…
角度によって様々な表情を観れるのは、彫刻ならではの醍醐味!!
あなたは、どんな角度からこの「瞭」を撮ってみますか??
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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