本当は怖い!? あなたのよく知る”世界の名画”に隠されたミステリー!

Art mystery

 

ルノワールやヨハネス・フェルメールと言えば、世界的に知られている名画を数多く描いています。

例えば、ルノワールの美しく柔らかい感じは、本当に何度見ても素敵ですしね!でも描かれた背景を知ると、本当は怖いミステリー的要素を含んでいる事もあったりします。先日、番組「世界一受けたい授業」で、”ホントは怖い世界の名画ミステリー”という内容が放送されていましたが、美術好きには本当にタマラナイ内容ですね。釘付けになって見てしまったものです。^^

 

さて、美術評論家”中野京子”さんの言葉に文化的背景を知ると、絵はより面白くなるがあります。私の思いを代弁してくれる言葉で、美術好きな私からすると”実に深い言葉”なわけです。今回は”文化的背景を知れと、絵はより面白くなる!”をテーマに、あなたもよく知る世界的名画のミステリーを暴いていこうと思います。

実はこんな怖いミステリーが隠されているかもしれないのです…

 

 

1、本当は怖い!?ルノワールの名画

「シャルパンティエ夫人と子どもたち」(1878年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「シャルパンティエ夫人と子どもたち」(1878年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

・153×189cm、カンヴァスに油彩、メトロポリタン美術館所蔵(ニューヨーク)

愛らしい2人の少女!でも実は…

これはルノワールの出世作となった作品「シャルパンティエ夫人と子どもたち」。

中央には黒いドレスを着た母親と、手前には2人の少女が描かれています。私的に惹かれる点は、子供に向ける母親の優しい眼差し!ルノワールの優しく柔らかなタッチが、より親子の幸せな雰囲気を醸し出しています。一見した限りでは、全く怖い感じは見受けられませんよね。

 

も…

ZOOM!
この名画に秘められたミステリーとは?

 

この名画に秘められたミステリーは結構有名な話で、知っている人も多いと思います。手前に描かれた2人の女の子ですが、実は真ん中の子は女の子ではなく、男の子なのです。

別にこの男の子が女装好きってわけではなく、当時の社会的背景や風習からきています。当時、男の子は若くして亡くなるケースが多かったそうです。そのため男の子に女装させる事で、死神から目をそらそうとしたわけです。「シャルパンティエ夫人と子どもたち」に描かれている様に、3~4歳までを娘(女の子)として育てる風習があったと言います。

ちなみにこの絵は、出版業を営んでいたジョルジュ・シャルパンティエ氏から依頼された作品。描かれている人物はシャルパンティエ夫人と、(右から)6歳の娘ジョーゼットと3歳の息子ポールが描かれています。

 

ここでCheck!
もっと掘り下げて観てほしいポイント!

さて、この「シャルパンティエ夫人と子どもたち」をもう少し掘り下げていこうと思います。個人的に背景に描かれた装飾も見所!奥に見える鳥の装飾は、まるで日本(ジャポニズム)らしい感じがしませんか?そして右に見える椅子とテーブル、そこに置かれた花瓶はまるで洋風を感じさせますよね。この1枚の絵には、日本と西洋の融合が描かれているのも面白い!

一見すると、素敵な絵にしか思えなくても、じっくりと観ていくとちょっと怖いミステリーが隠れていたりします。”文化的背景を知ると、絵はより面白くなる!”のイイ例だと思います。

 

 

2、本当は怖い!?フェルメールの「恋文」

「恋文」(1669‐1670年頃)ヨハネス・フェルメール

「恋文」(1669‐1670年頃)ヨハネス・フェルメール

・44×38cm、カンヴァスに油彩、アムステルダム国立美術館所蔵

侍女の態度と仕事ぶりがちょっと違和感!?

以前日本で展示されたフェルメールの作品「恋文」。見た事がある人も多いだろうと思います。女主人と侍女(召使)の会話の場面を、まるで覗き見している感じで描いた作品です。一見するとなんて事はない作品ですが、美術評論家”中野京子”さんが言うには、こんな深いミステリーがあると言うのです。

 

ZOOM!
この名画に秘められたミステリーとは?

 

実は多くの専門家も、この絵は明らかにおかしいと言います。まずは奥に飾っている帆を張った船の絵ですが、この画中画が意味するのは…

…今は順調そうに見える恋愛だけれど、でも近い将来恋愛関係が崩れる。という意味になるそうです。

それを証明するかの様に、あちこちに不自然な事が描かれています。床にはサンダルが置いてあったり、その横にゴミが散らかっている。本来侍女は部屋の掃除や身の周りのお世話をする人です。にも関わらず部屋が散らかっているのは、明らかにおかしい!侍女としての仕事をしていないのが分かりますね。それに本来なら女主人は侍女の仕事ぶりに対し怒らないといけないのに、そういった素振りも全く描かれていない。

さらには侍女は女主人に対して、上から目線で話しかけているという始末!

 

ここでCheck!
もっと掘り下げて読み解いていくと…

この一連の不自然な背景から推測できる事は、侍女は女主人の弱みを握っているのでは?と。侍女は女主人と愛する男性の関係の秘密を握っている。弱みを握られている主人は侍女に対して何も言えない。そして近い将来大きな災いが起きる事を暗示している!と。

こう見ていくと、かなり怖いミステリーが描かれているとも言えます。まさに、文化的背景を知ると、絵はより面白くなってきますね!

 

 

 

3、本当は怖い!?ドガの「エトワール(舞台の踊り子)」

「エトワール(舞台の踊り子)」(1878年)エドガー・ドガ

「エトワール(舞台の踊り子)」(1878年)エドガー・ドガ

・58×42cm、カンヴァスに油彩、オルセー美術館所蔵

華やかそうな世界に見えて、でも実は…

エドガー・ドガの代表作で、バレリーナが踊りを披露している場面を描いた作品です。今ではバレリーナと言えば、華やかなイメージもある職業で、見たところ怖さは微塵も感じられません。

 

も…

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この名画に秘められたミステリーとは?

この「エトワール」のミステリーを暴く前に、当時のバレリーナの職業について話そうと思います。今では華やかなイメージもある職業ですが、当時のバレリーナは非常に社会的低位の低い職業だったと言います。事実、当時のバレリーナは下層階級の子が多かったそうで、成功するためにはパトロンの力が必要だった。逆にパトロンの支援さえあれば、バレリーナとしての実力がなくてもスターとして踊れたそうです。

その証拠に舞台袖には、顔の見えない黒い服装をした男性の姿があるのが分かると思います。この「エトワール」に描かれているのは、パトロンに好かれるために、媚を売りながら踊っているバレリーナの姿が描かれているわけです。さりげなく正装をした男性を描くというドガのセンスというか構図が、より当時の怖い世界観を醸し出していると思いませんか!?

やっぱり、文化的背景を知ると、絵はより面白くなってきますね!

 

ここでCheck!
普段美術館で見ている、一見素敵な作品でも、実は怖いミステリーが隠されている事もある。絵は文化的背景を知ると、より絵が面白くなってくるわけです。まだまだこういったミステリーの隠された世界的名画はまだまだたくさんあります。ぜひ、探していくのも楽しいと思います。

つくづく美術って面白い!ものですね。^^

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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