”印象派”が誕生した頃の評価と特徴

油絵

 

ほぼ毎年の様に印象派の絵画展が行われている昨今。

いまや”印象派”は日本はもちろんの事
世界でも人気の高い絵画ジャンルの一つになっています。

 

も…
印象派が誕生した頃の評価は、
実はかなりの酷評だったのは知っていますか?

 

考え…・思い…
実は私が絵画を好きになった理由の1つに、
印象派の存在があります。
そんなわけで印象派が全く人気がなかったなんて…。
最初の頃はちょっと想像できなかったわけです。

 

今回は印象派が誕生した頃の評価と、
そして印象派絵画の特徴について話していこうと思います。

 

 

・・・

象派(The Impressionists)の誕生

風景

”印象派”とは19世紀半ばにフランスで起こった芸術運動の事。

英語で言えば”the Impressionists
もしくは”Impressionism”となるでしょうか!?

有名どころの画家で言えば、
ルノワールやモネ、セザンヌなどが挙げられますが、
この中で印象派の誕生に大きく関わっているのが”クロード・モネ”になります。

 

象派という言葉が生まれたきっかけは、
1874年の展覧会で発表されたモネの作品と言われています。

・・・

「印象、日の出」(1872年)クロード・モネ

「印象、日の出」(1872年)クロード・モネ

クロード・モネ印象、日の出(1872年)

1874年の展覧会でこの「印象、日の出」が発表されました。
※後にこれが第1回印象派展と呼ばれるものです。

そしてこのモネの作品を見た美術批評家のルイ・ルロワ(Louis Leroy)は、
悪意を込めて”印象”という言葉を使い批評記事を書いたのです。

・・・

Impression I was certain of it.

I was just telling myself that, since I was impressed,
there had to be some impression in it — and what freedom, what ease of workmanship!

A preliminary drawing for a wallpaper pattern is more finished than this seascape.

まさに”印象”そのものだ!私はこの作品から印象を受けたので…。

それにしても何て自由で、お粗末な仕上がりなんだ!

この海の風景画(モネの「印象、日の出」)よりも
出来かけの壁紙の方がよっぽど仕上がっている!

…つまり未完成の壁紙の方がよっぽど出来がイイと言って、「印象、日の出」の作品を皮肉って酷評しているのです。

そしてここで使われた”印象”という言葉が
”印象派”と呼ばれる由来となったと言われています。

 

考え…・思い…
当時の印象派への評価が
今とは違いかなり酷評だったのが分かりますね。
それにしても凄い言われようですね…。

もちろん最初の印象派展はほぼ失敗に終わります。
お客さんもあまり集まらず売り上げも良くなかったそうです。

でも続けるうちに
徐々に知名度も評価も上がっていったと言います。
継続は力なりって事でしょうか!?

 

そしてここで
もう1つの疑問が起こってきます。
なぜここまで印象派が酷評されたのだろう?

 

それは…

当時は伝統的な絵画が主流だったからです。

つまり歴史画宗教画と言った絵画が良しとされていたのです。

そんな時代背景もあって、
印象的な風景画は全く評価されなかったわけです。

しかも写実的な絵画が主流だった当時において、
印象派の特徴でもある筆触を残した作品は中途半端と見られていたのです。
※筆触…あえて筆さばきや筆の後を残す事。

ある意味当時からしたら
印象派は革新的だったって事でしょうね。

 

 

象派(The Impressionists)の特徴は?

油絵

 

??
印象派の絵画を観ていると、
こんな風に感じる事ってありませんか??

画家によって全く描き方が違うな~”と。

実は印象派は写実的な絵と違い、
写真の様にリアルに描く事を重要視しなかったのです。

一言で表現するなら
画家の印象となるでしょうか??

画家の感覚や印象による部分が大きかったのです。

そんなわけで
絵画に画家の個性が現れている事が多いと言われています。

 

~ ”印象派の特徴 ~

印象派の目指すところは
光の動きや変化の質感をいかにして絵画で表現するか!?”というものでした。
そのため印象派絵画は屋外で描いた作品が多く、
全体的に明るい雰囲気の作品が多いのが特徴でした。
そしてそれは描き方にも大きく関わっています。

まず色遣いは明るい雰囲気を表現するため、
一般的に絵具を混ぜずに描いているのが特徴。
(絵具は混ぜると色味が暗くなっていくため…⇒印象派の特徴”色彩分割”とは?

そして変化の機微を瞬時に表現するため、
素早いタッチで絵具をキャンバスにのせて描いていました。
そのため印象派絵画では筆の質感を残した描かれ方がされています。

 

考え…・思い…
私的に”印象派”を一言で表現するなら、
対象物を画家の感覚で描く絵画
こう言っても過言ではないと思っています。

そのため印象派絵画は
画家によって特徴が出てくるのが大きな特徴でもあるのです。

例えば印象派を代表するモネとルノワールは、
同日に同じ場所を描いていますがそれぞれ違った作品に仕上がっています。

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

これが描かれたのが「第1回印象展(1874年)」が行われる数年前の事。

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

 

同じ印象派を代表する画家でありながら、
それぞれ描こうとした対象物や描き方にも違いがあるのが分かると思います。
※参考)⇒クロード・モネとルノワールの「ラ・グルヌイエール」

 

印象派は画家の個性がそのまま表現される!

これが印象派絵画の最大の特徴で魅力でもあると思っています。

そしてこれが印象派作品を見慣れてくると
どの画家が描いたかが自ずと分かってくる!
事にも繋がるのです。

 

印象派絵画は見れば観るほど好きになる!!

印象派が人気になっていった背景には、
こういった理由もあるのでは?と思うのです。

 

 

談になりますが…
ここで印象派の誕生を予言する様な作品を紹介したいと思います。

印象派が生まれるきっかけかも!?
そう思う作品がこちらです。

 

「猿の画家」(1833年)アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン

「猿の画家」(1833年)アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン

アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン猿の画家(1833年)

これは猿が筆を持って絵を描いている様子を描いた作品です。

見ての通り独特でユーモアを感じさせる作品ですが、
実はこんな深いメッセージが込められていると言われています。

~”画家は目の前にあるものをそのまま描くのは猿まねと同じだ!
そこから抜け出してこそ本当の画家なんじゃないのか?” ~
…こんなメッセージが隠されていると言われています。

 

考え…・思い…
この「猿の画家」が描かれたのが19世紀初めころ。
年代的にも印象派が生まれるちょっと前になりますね。

それに絵画に込められたメッセージから考えても
まさしく印象派を予言する絵だと思いませんか??

もちろんこれは私なりの解釈になります。
正しいかどうかは分かりませんが
こうやって見ると絵画も愉しくなりますよね。

画家はどんなメッセージを込めてその絵を描いたのか??

それは描いた画家にしか分からない事だけれど、
でもだからこそ人によって様々な解釈がされるわけですね!

これも絵画鑑賞の愉しみの1つだと思うのです。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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