モネとルノワールの「ラ・グルヌイエール」…印象派誕生を予期させる隠れた名画!

Painting Touch

 

クロード・モネルノワールラ・グルヌイエールLa Grenouillère)は、印象派を語る上でなくてはならない名画!

 

小島で楽しむ人々の様子や、波と光の絶妙な揺らぎ…、この作品から印象派の誕生が垣間見れる点は見逃せませんね!しかもモネとルノワールの画風の方向性が見て取れるのも実に興味深い!まさに「ラ・グルヌイエール」は印象派を予期させる隠れた名画だと言っても過言ではない!そう思うのです。

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

・75×100cm、カンヴァスに油彩、メトロポリタン美術館所蔵(ニューヨーク)

1869年、モネとルノワールはセーヌ川の湖畔にある水浴場に出かけます。そしてほぼ隣り合わせで描いた作品がこの「ラ・グルヌイエール」。フランス語で”La Grenouillère”。”カエルのいる沼地カエルの住み家”という意味になる様です。

水遊びをしている人、中央の小島では数人の高貴そうな人々の楽しんでいる様子が!筆の質感を残した描き方ながら、しっかりとその様子が伝わってきます。そして何より絶品が光に反射して揺らぐ波の変化!まさに印象派の技法が見て取れませんか?

さて、印象派が誕生したきっかけは、1874年”印象派展”で発表したモネの「印象、日の出」と言われています。(制作したのは1872年頃。)その数年前の1869年に制作されたのがこの「ラ・グルヌイエール」という作品です。先ほどでも触れましたが印象派の技法が随所に使われていて、”色彩分割による光の表現”や”筆触”の試行錯誤の様子が見て取れるわけです

 

どうやって光の機微を表現するか??

モネとルノワールの挑戦と悩みの跡がこの絵に描かれていると思うと、何だか感慨深い気持ちになってきませんか??(^^)まさに名画にふさわしい作品だと思います。

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

・66×81cm、カンヴァスに油彩、ストックホルム国立美術館所蔵

モネとルノワールが一緒に出掛けて、ほぼ隣り合わせで描いた。2人の関係性も興味深いですね。

 

ここでCheck!
「ラ・グルヌイエール」から見えてくる2人の方向性の違い!

モネとルノワールは印象派を代表する画家です。でもそれぞれ違った個性があると思っています。この「ラ・グルヌイエール」はほぼ同じ場所から描いているだけに、2人の違いがはっきりと見て取れるのが実に興味深い!!これぞ最大の見所だろうと思っています。

 

例えばモネの「ラ・グルヌイエール」では、どうだろうか?

中央に描かれた人物よりも、手前に見える波の様子が一際目を惹きます。光で反射した波の機微、一瞬の光の変化!自然の微妙な変化がカンヴァスから伝わってきます。モネは早くして風景画の魅力に憑りつかれた画家です。ここでもモネの自然へのこだわりが見えてくる様ですね!

対してルノワールはどうかというと、小島で楽しむ人々にスポットが当たっている感じがしませんか?自然の機微よりも人物の描写へのこだわりが強いのかな?柔らかい感じや優しく高貴な感じの筆遣い。まさにルノワールらしい筆遣いだと思います。

 

 

他にもあった!モネとルノワールの「ラ・グルヌイエール」

一緒に出向いてほぼ同じ場所を描いたのに、モネとルノワールではそれぞれ違った作風で、描き方なのはオモシロイ点だと思います。本来画家は個性が強い生き物だと思うので、仲が良いこと自体が珍しいと思いませんか??

描きたい物は違っていたけれど、でも目指すべき方向は同じだったって事だろうか?

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

「ラ・グルヌイエール」(1869年)クロード・モネ

・73×92cm、カンヴァスに油彩、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵

水面の波紋や木々の様子。微妙な光の機微を表現するために、モネはあえて筆の跡が残る描き方をしたのでしょうね。自然の本質を表現しようとしたモネのこだわりが見えてきませんか?

モネは早い時期から風景画に目覚めたと言われています。屋外に出ては自然の機微を感じ取り、そしてカンヴァスに残したいと考えていたそうです。そう考えるとモネは印象派の画家になるべくしてなったと思いますよね。

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

・65×81cm、カンヴァスに油彩、エルミタージュ美術館所蔵

特にこの「ラ・グルヌイエール」ではルノワールの持ち味が存分に出ている様ですね。より人物に迫った感じの構図になっています。

それに手前に描かれている太い幹は存在感があって、絵全体をイイ意味で引き締めている感じですね。手前の草木と遠くの草木の描写の違い。この遠近感の表現もルノワールらしいですね!

 

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ラ・グルヌイエール」(1869年)ピエール=オーギュスト・ルノワール

・65×92cm、カンヴァスに油彩、オスカー・ラインハルト美術館所蔵

同じ印象派に属するとはいっても、それぞれ特徴がモロに表れているのがオモシロイ!これは印象派ならではの醍醐味だと思います。私が思うに「ラ・グルヌイエール」は印象派の誕生を予期する名画だと思っています。出来る事なら今回挙げたすべての「ラ・グルヌイエール」を一緒に観たい。

そしてモネとルノワールを隣合わせで見て、違いをじっくりと観察したい!

欲は尽きる事がないですね。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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