ボッティチェリの「地獄の見取り図」

インフェルノと地獄の見取り図

 

サンドロ・ボッティチェリ地獄の見取り図

 

・・・

ダンテの「新曲」に登場する地獄の世界を具体的に描いた作品で、
2016年には映画「インフェルノ」でも取り上げられ名画。

 

今回は「地獄の見取り図」について
私なりに話していきたいと思います。

 

・・・

「地獄の見取り図」(1490年)サンドロ・ボッティチェッリ

サンドロ・ボッティチェッリ地獄の見取り図

 

この地獄の見取り図
ダンテ叙事詩『神曲をモチーフにした作品です。

 

あれこれ知るうちに…
それではこの『神曲』の話を…。

物語はダンテ自身を主人公に見立てて、
詩人ウェルギリウスに案内されながら
地獄の門をくぐり”地獄界”を巡り歩く話になっています。
(このウェルギリウスは実在した人物です。)

 

そんなダンテが巡った地獄界を描いたのが
この『地獄の見取り図』だったのです…。

「地獄の見取り図」(1490年)サンドロ・ボッティチェッリ

「地獄の見取り図」(1490年)サンドロ・ボッティチェッリ

 

この名画「地獄の見取り図」を見て分かる通り、
地獄界は漏斗状(ろうと)の形をした世界になっています。

全部で9つの圏から構成されていて、
罪を犯した者はその罪に応じて
それぞれの階層に振り分けられていきます。

(地獄界のそれぞれの罪の地獄)

第一圏…”辺獄”洗礼を受けなかった者が行く地獄。
第二圏…肉欲の罪を犯した者が行く地獄
第三圏…”貧食”大食いの罪を犯した者が行く地獄
第四圏…ケチで浪費の激しい者が行く地獄
第五圏…怒り狂った者が行く地獄
第六圏…異端者が行く地獄
第七圏…暴力の罪を犯した者が行く地獄
第八圏…悪意を持って罪を犯した者が行く地獄
第九圏…裏切りをした者が行く地獄

 

・第一圏…”辺獄(リンボ)”
…最上階に位置する「辺獄(へんごく)」と言われる地獄。
洗礼の恵みを受けなかった者が行く場所とされ、
ここでは特に叱責もなければ希望もない場所とされています。
詩人ウェルギリウス、ソクラテスやプラトンもここの住人で、
彼らはキリストが生まれる以前に居たのでこの”辺獄”に居ます。

 

・第二圏…”愛欲者の地獄
…ここは肉欲の罪を犯した者が行く地獄とされています。
歴史上の人物で言えば”クレオパトラ”がここに居ます。

 

・第三圏…”貧食者(どんしょくしゃ)の地獄”
…”大食いの罪を犯した者が行く地獄とされています。
ここには3つの頭部を持つ犬の怪物ケルベロスがいて、
罪を犯した者はケルベロスによって引き裂かれ、牙で噛み砕かれる。
そして食われた後も糞となって排出され再生し、
またケルベロスによって食いちぎられるという永遠の地獄が待っています。

 

・第四圏…”貪欲者の地獄”
…ケチで浪費の激しい者が行く地獄とされています。

・第五圏…”憤怒者の地獄”
…怒り狂った者が行く地獄とされています。

・第六圏…”異端者の地獄”
…異端者が行く地獄とされています。

・第七圏…”暴力者の地獄”
…暴力の罪を犯した者が行く地獄とされています。

・第八圏…”悪意者の地獄”
…悪意を持って罪を犯した者が行く地獄とされています。

・第九圏…”裏切者の地獄”
…裏切りをした者が行くとされている最下階の地獄。
別名”コキュートス”とも言われています。
ここでは裏切りの罪を犯した者は永遠に氷漬けにされるという末路が…。

そんな最下層”裏切者の地獄”には、
堕天使ルシファー(別名”悪魔”)がいます。

このルシファーは元は天使の長でしたが、
神に謀反を企てる裏切り行為を行ったためこの地獄に堕ちたとされています。

 

考え…・思い…
この”地獄の見取り図”と”罪”を見ていくと、
今の法律や常識とはかなり異なる価値観だったのが分かりますね。

ここで描かれた罪の重さは
宗教や倫理の理由
そして当時の経済状況などが背景になっているようです。

こうやって見てみると
当時の価値観が見えてくるのがオモシロイですね!

ちなみにダンテの叙事詩『神曲』の作品には、
”聖書”や哲学、倫理学など様々なものからの引用も多く、
現在世界的に評価が高い文学作品とされています。

 

この話を少しでも知っていると、
映画『インフェルノ』の内容もより深く味わえると思います。

映画『インフェルノ(Inferno)』

映画「ダヴィンチ・コード」シリーズの第3作目。
※”インフェルノ(inferno)”は地獄という意味になります。
日本公開は2016年10月28日
(ストーリー)
主人公のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)は、
大富豪で生物学者のゾブリストのある恐ろしい計画に気付きます。
それは学者ゾブリストがダンテの『インフェルノ(時獄篇)』になぞり、
人類の半数を滅ぼすためのウイルス”インフェルノ”を生み出し、
人口増加に歯止めをかけようとするものだったのです。
ラングドン教授はダンテの『神曲』
そしてボッティチェリの「地獄の見取り図」から、
隠された暗号の秘密に挑むのでした…。

 

ボッティチェリの「地獄の見取り図」を探れば探るほど、
こういった背景が見えくるのです。

つくづく面白いと思いますね!!

 

 

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