”琳派”とは? …デザインと特徴について

「燕子花図屏風(右隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

 

この時期になると根津美術館で観れる
尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」。

この尾形光琳は”琳派”を代表する画家で、
シンプルな構図はまさに現代に通じるともいわれています。

 

絵を見て感動!
まさにシンプルで装飾的、そして斬新的!

素人目からするとどこが凄いの??と思うほど…

でも当時としては最先端を走っていた画で、
見る人によっては”非常に素晴らしい!!”との評価が出るほどなのです。

 

この「燕子花図屏風」の凄さを感じるためにも、
まずは琳派について知る必要があると思うのです。

 

 

琳派”とは何だろう!?

日本画

琳派とは江戸時代頃に興った絵画を主とし
工芸、書などの装飾芸術の流派とされています。

俵屋宗達、本阿弥光悦を祖とし、
その後尾形光琳、尾形乾山によって大成し、
酒井抱一や鈴木其一らによって発展していきます。

そして比較的最近でいえば、
小林古径(こばやしこけい)、速水御舟などにも強い影響を与えていくのです。

 

て俵屋宗達と言えば
「風神雷神図屏風」が特に馴染みがある画だと思います。

「風神雷神図屏風」(17世紀頃)俵屋宗達

「風神雷神図屏風」(17世紀頃)俵屋宗達

俵屋宗達風神雷神図屏風(17世紀頃)

 

ポイント!
この風神雷神の雲の描写技法がポイント!

俵屋宗達はこの風神雷神の雲を描くにあたり、
たらしこみという技法を使っているのです。

”たらしこみ”とは…
色が渇いていないうちに他の色をたらしてなじませていく技法の事。
これによって独特な色合いや深みが表現できるといいます。

 

この俵屋宗達の「風神雷神図」は
その後尾形光琳が模写し、さらには酒井抱一も模写しています。

「風神雷神図屏風」(17世紀)尾形光琳

「風神雷神図屏風」(17世紀)尾形光琳

尾形光琳風神雷神図屏風(17世紀)

 

俵屋宗達のと比べるとほぼ同じ構図に見えますが、
光琳の方は雷神の太鼓が画面に収まっていたりと、
若干の違いがあるのが分かると思います。

この様に”琳派”は多くの絵師たちによって継承されていくのです。

 

日本画には狩野派や土佐派などいろんな流派がある中で、
この琳派は他の流派とは一味も二味も違っているのが特徴!

例えば
継承の仕方にもその特徴があるといいます。

 

 

琳派の特徴その1…私淑(ししゅく)”による継承

「紅白梅図」(江戸時代、18世紀頃)尾形光琳

「紅白梅図」(江戸時代、18世紀頃)尾形光琳

尾形光琳紅白梅図(江戸時代、18世紀頃)

狩野派や土佐派など多くの流派は
基本的に師から弟子へという風に師弟関係によって継承されるのがほとんど。

でもこの”琳派”に関して言うと、
私淑という継承の仕方だったと言います。

 

ここでCheck!
 ”私淑(ししゅく)とは?

…直接教えは受けずに、密かにその人を師と仰いで尊敬し手本として学ぶ事。

これが琳派の大きな特徴の1つで、
直接的に指導されたり修行する事がなく、
その画を模範として継承していく事なのです。

 

こういった継承方法はかなり稀な事だったといいます。

例えば尾形光琳は俵屋宗達を私淑し、
酒井抱一は光琳を私淑していったのです。

 

「梅椿図屏風」(1850年頃)鈴木其一

「梅椿図屏風」(1850年頃)鈴木其一

鈴木其一梅椿図屏風(1850年頃)

ただこの鈴木其一に関しては、
酒井抱一の弟子として付き従ったと言います。

33歳の頃に抱一が亡くなってから、
其一は独立し後継者として躍進していきます。

琳派の特徴ともいえる”シンプルで装飾的”な事はもちろん
ダイナミックでより明快な色彩表現といった独自の作風へと昇華していくのです。

 

 

琳派の特徴その2…装飾的でシンプル”な作風

「燕子花図屏風(左隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

「燕子花図屏風(左隻)」(江戸時代、18世紀)尾形光琳筆

尾形光琳燕子花図屏風(左隻)(江戸時代、18世紀)

 

絵を見て感動!

大胆といえば大胆で、
無駄を省いていて実にシンプル!!

琳派はシンプルで装飾的な点が一番の特徴!!

 

この「燕子花図屏風」の模様は、
実は同じような模様を繰り返し使っていて、
同パターンの組み合わせによって描かれていると言います。

ある意味デザイン性ともいえるもので、
当時としては最先端を走っていた画だったと言います。

”琳派”は当時としては革新的だったとも言われ、
そのデザイン性などは現代にも通じるとされているわけです。

 

こうやって琳派について多少なりとも分かってきたら、
今度は生の作品を見て”琳派”の良さを味わってみたいですね。

 

※毎年この時期になると根津美術館で尾形光琳の「燕子花図」が見れます。
ただ今年はコロナウイルスによる自粛で、開催中止となっています。
参考に昨年(2019年)の様子をどうぞ!
根津美術館で『燕子花』と「カキツバタ」を観てきました。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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