- 2024-8-12
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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先日天気予報で、”無慈悲な暑さ”という言葉を目にしました。
それにしても、何とも洒落た表現だと思いませんか!?
表現の仕方一つで、印象も大きく変わってくるわけですから。これも言葉の魅力であり、オモシロさと言った所でしょうか。
私の場合は、ふと「無慈悲な乙女(女性)」という作品を思い浮かべてしまいました。
今回は”無慈悲な…”繋がりから、絵画作品をいくつか見ていこうと思います。
”無慈悲な暑さ”という表現から、ある絵画を思い出す!
言葉の使い方一つで、暑さに対する印象も大きく違ってくるものです。
もし”灼熱の暑さ”と言われたら、あたかも地獄の業火を想像してしまう。
でも”無慈悲”という言葉で表現されると、そこまで暑さは感じないから不思議です。
でも”無慈悲”という表現だけに、余計に容赦がないというか、残酷な印象を持ってしまう。言葉の表現一つでこうも印象が変わってくるって、実にオモシロいものですね。^^
・112×81cm、カンヴァスに油彩、ダルムシュタット・ヘッセン州立博物館所蔵
さて、こちらはイギリスの画家”ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス”の作品です。
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス(John William Waterhouse、1849年‐1917年)は、神話や文学を題材とした作品を残したイギリスの画家。画風的にラファエル前派に属する画家に思われがちですが、でも厳密には違う様ですね。
ちなみに無慈悲という言葉は、”思いやりがない、あわれみの気持ちがない”といった意味になります。
・137.2×188cm、カンヴァスに油彩、ブリストル市立美術館所蔵
「美しいけれど、無慈悲な乙女」は、ジョン・キーツの詩を題材にした作品。
ジョン・キーツ(John Keats、1795‐1821年)はイギリスの詩人。結核により25歳の若さで亡くなり、残した作品はごくわずか。死後に評価が高まり、彼の詩を題材に多くの画家が作品を描いています。
先ほど話しましたが、”無慈悲は、思いやりのない”という意味。
”美しいけれど、でも思いやりの気持ちがない乙女”
文学作品を題材にしているという点から、何となく想像できると思います。つまりこの乙女は、美しいけれど、実は人間ではないというわけです。
・48×58cm、カンヴァスに油彩、私蔵
ウォルター・クレイン(Walter Crane、1845‐1915年)
…イギリス出身の画家で、イラストレーター
ここでストーリーについて簡単に話したいと思います。
「美しいけれど、無慈悲な乙女(La Belle Dame Sans Merci)」
…道中、騎士は美しい一人の乙女(女性)と出くわします。
髪は長く、瞳は野生の様な輝きを持ち、この世の者とは思えない美しさ。騎士はこの乙女に魅了されてしまいます。
でもこの乙女(女性)は、実は旅人を誘惑してはたぶらかす魔物の化身だった。…
絵では美しい女性に見えるけれど、実は本当の正体は魔物だった。
物語を題材にした作品は、ストーリーの理解は大切!すると作品の深みもより増すというものです。
という風に、今回は”無慈悲な〇〇”から絵画作品を紹介してみました。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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