- 2025-1-2
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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”蛇”と言えば、西洋画の「ヒュギエイア(Hygieia)」は外せない題材です。
一般的に日本で”蛇”と言ったら、どちらかと言えば悪しき存在になるでしょうか。でも西洋ではちょっと捉え方が違う様です。
これには神話や宗教の違いが大きく影響しているわけですが、こういった違いが絵から垣間見れるのはオモシロイですね。
今回は巳年にちなんだ名画”グスタフ・クリムトの「ヒュギエイア」”を紹介したいと思います。
【 目次 】 |
グスタフ・クリムトの名画「ヒュギエイア」
グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の「ヒュギエイア」。
せっかく”巳年(蛇)”をテーマに名画を紹介するわけですから、縁起が良いに越したことはありません。
やっぱりクリムト作品は装飾性に富んでいるから、見て目の艶やかさもイイですからね!
縁起の良い”巳年”には欠かせない名画だと思うわけです。
さて、私の様に普段から西洋画を観ていると、意外と”蛇”が描かれる絵が多い事に気が付きます。
多くは神話画や宗教画ですが、作品から日本との”蛇に対する捉え方”の違いも垣間見れるのもオモシロイですね。
これもアートの醍醐味でしょうか。
一般的に西洋では”蛇=聖なる存在”と考えられている様です。
対して日本では、”蛇=悪しき存在”となる場合が多い様に感じます。
ところで「ヒュギエイア」ですが、ギリシア語で「健康」を意味する言葉なのは知っていましたか!?
つまり、ギリシア神話に登場する”健康と衛生を司る女神”を描いた作品です。(詳しくは以下で話します。↓)
ヒュギエイアって誰? どんな意味??
先ほどちょっと話しましたが、「ヒュギエイア」はギリシア神話に登場する”健康と衛生を司る女神”を表わしています。
一般的には”ヒュギエイアの杯”という感じで、蛇と杯が一緒に描かれる場合が多い。
実際にクリムトの絵画「ヒュギエイア」にも描かれているのが分かります。
ここで簡単ですが、”ヒュギエイア”について解説してみたいと思います。
ヒュギエイア(Hygieia)
ギリシア神話に登場する医神”アスクレピオス(Asclepius)”の娘で、”健康と衛生を司る女神”とされています。ローマ神話では”サルース(Salus)”の名で呼ばれています。
こういった経緯から、薬学の象徴とされています。特にヨーロッパでは、薬局のシンボルとして用いられる場合が多い。
もちろん神話に登場する女神ですから、絵画でも描かれる事の多い人物です。
事実、巨匠ルーベンスも題材として描いているくらいです。
・105×80cm、カンヴァスに油彩、個人蔵
このふくよかな女性の表現は、まさにルーベンス!と言った感じでしょうか。
ただ華やかさという点では、クリムトに軍配が上がってしまいます。
装飾性に富んだ画風による、華やかさというか艶やかさ!!
しかも蛇が黄金で描かれていて、神秘性も感じられるからです。
今回私がクリムトの「ヒュギエイア」という作品を紹介した理由も分かってもらえたかと思います。
まるで女神によって見守られているかの様な…
そんな感じを受けるかと思います。
というわけで、2025年の巳年(蛇)は、クリムトの「ヒュギエイア」と共に過ごしてみるのもイイと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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