”甲斐荘楠音”の女性画を観て、あなたはどう思う?

「甲斐荘楠音の全貌」展 …東京ステーションギャラリーにて

 

ここ近年、甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと)の作品を見れる機会は多くあり、最近では「あやしい絵展」や「甲斐荘楠音の全貌」などがありました。おそらくこの記事を見ている人で、すでに甲斐荘の作品を見た人も多いと思います。そしてこういった疑問を持った人もいると思います。

 

「甲斐荘楠音の全貌」展のポスター …東京ステーションギャラリーにて
甲斐荘の女性画は美しいか?それとも怖いか??

甲斐荘楠音の描く女性画は、どれも陰影がハッキリしているというか、全体的に暗い感じが多い。しかも目がちょっと怖いというか陰湿です。確かに作品によってはあやしい色気もあって美人なものもありますが、全体的に怖い雰囲気の作品が目立ちますよね。

 

いうわけで、気になった私は東京ステーションギャラリーで「甲斐荘楠音の全貌」展を観てきてしまったのです。「甲斐荘楠音の全貌」は、東京ステーションギャラリーにて2023年8月27日まで開催します。興味の湧いた方は、ぜひ観に行くのもイイと思います。また、”ネット通販で「甲斐荘楠音の全貌」展の図録を買ったみた件!”も参考に!

 

今回は展覧会で一通り作品を観て感じた、甲斐荘楠音の女性画について率直な感想を話していこうと思います。

 

 

「甲斐荘楠音の全貌」展で、甲斐荘の女性画を観て…

「甲斐荘楠音の全貌」展 …東京ステーションギャラリーにて

東京ステーションギャラリーで観たきた私の率直な感想としては…、

もうこれ以上、甲斐荘の女性画は見たくない!というのが本音です。

別に満足のいく展覧会ではなかったという意味ではなく、それだけお腹いっぱいという感じだったのです。

「甲斐荘楠音の全貌」展の展示構成は、前半は絵画やデッサンが展示され、後半はデザインした衣装などが使用されたドラマの写真と共に展示されていました。甲斐荘という人物は途中から衣装デザインを手がけているため、画家だけでなく映画分野でも活躍しています。そういった意味でも、活動の幅は本当に広かったわけです。

 

 

こういった展示構成ですから、女性画の展示数は30点にも満たない量(デッサンなど含めない)。そこまで多くないのに関わらず、もうこれ以上見たくない!ってどういう事か??

 

れは甲斐荘の女性画が、僕にとって物凄く不気味で怖かったからです。

人によっては奇才だ!とか、甲斐荘的な美人表現だ!など様々な解釈がありますが、私にとっては不気味で怖いという表現に尽きますね。少なからず私の場合は女性が好きな男ですから、一応女性は美しいというイメージを持っています。そんな私にとって甲斐荘の女性画は、”女性不振に陥りそうな…”そういった類に画風だったわけですね。そういう意味では、甲斐荘って物凄い絵を描くの描く人だと思います。

 

「甲斐荘楠音の全貌」展のポスター …東京ステーションギャラリーにて

こからは私なりのもう少し深堀した解釈になりますが、なぜ甲斐荘はこういった女性画を描いたのか?

おそらく甲斐荘は女性というものをかなりシンプルに捉えていたからだと思うのです。つまり、美しい衣装着物を着た人間が女性だと。だから女性画が描いているにも関わらず、必然的に衣装の方が美しくなっている。対して女性自体はちょっと薄汚いというか。女性を美しい存在として捉えている人からすると、ギャップも相まってより甲斐荘の女性画が不気味に見えてしまうわけですね!

甲斐荘にとって男性も女性も、身体的な違いはなかったのかもしれない。違いは美しい衣装を着ているかどうかだった。だから自身が女装したのかもしれないですね。こう思うと、私の解釈ってすべての辻褄が合ってしまうのです。(真相は甲斐荘自身にしか分かりませんが。)

 

女性自体の美しさに比べて、衣装の方が美しく描かれている。これでは衣装のデザインの話が舞い込んでくるのも分かります。あれほど美しい衣装を描けるわけですから。

 

甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)

明治27.12.13ー昭和53.6.16(1894-1978)

日本画家。京都市に生れ、同地で没。京都市立絵画専門学校を卒業し、川北霞峰(1875ー1940)に師事する。大正7年(1918)第1回国画創作協会展以来、同展に出品し会員となり、官能的な婦人像を多く描いた。のち新樹社を興したが、間もなく映画関係の仕事に転じ、溝口健ニ(1898ー1956)のスタッフとして映画考証を担当した。代表作は『横櫛』(1918、広島県立美術館)

・出典元:新潮『世界美術辞典』

 

「甲斐荘楠音の全貌」展 …東京ステーションギャラリーにて

これは私独自の解釈なので、人によっては違った解釈を持っている人もいるでしょう。でもそれでイイと思います。作品を見てどう感じるかは鑑賞者の自由だから!だから美術館賞は楽しいわけですね!^^

「甲斐荘楠音の全貌」は、東京ステーションギャラリーにて2023年8月27日まで開催します。ぜひ気になる方は行ってみるのもイイと思います。
また参考に、こちらも見てね!⇒ネット通販で「甲斐荘楠音の全貌」展の図録を買ったみた件!

 

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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