- 2026-3-8
- Enjoy This (観てほしい絵画展), Impression (絵画展の感想)
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先日、三菱一号館美術館で「トワイライト、新版画 小林清親から川瀬巴水まで」を観てきました。
江戸時代のイメージが強い浮世絵版画ですが、実はその後も廃れることなく残っていった。
それだけに、現代の僕らにとっても馴染み深い部分は多いのだろうと思うのです。
今回は”新版画”をテーマとした展覧会「トワイライト、新版画」展の様子を交えながら、私的鑑賞レビューをしていこうと思います。
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【 目次 】 |
三菱一号館で「トワイライト、新版画」展を観てきました。

先日、「トワイライト、新版画 小林清親から川瀬巴水まで」を観てきました。
浮世絵というとちょっと古いイメージがありますが、実は現代の僕らにとっても馴染み深い芸術だったりします。
それが”新版画”ではないでしょうか。
今回はそんな「トワイライト、新版画」展の鑑賞レビューをしていこうと思います。
興味のある方はぜひ参考にして、見に行ってほしいと思います。
(開催は2026年の5月24日まで)

まず私の率直な感想ですが、かなりの充実度で満足!といった内容でした。
展示数もさることながら、作品の質も結構充実していた感じでした。
展覧会名にもなっているとおり、小林清親や川瀬巴水も良かったですが、他にも釘付け作品が満載!
私的には高橋松亭と吉田博の作品は良かったですね。^^
ハッキリ言って、イチオシ!!です。
では、肝心の展示内容についてですが…

「大川岸一之橋遠景」(明治13年)小林清親 ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 大判、スミソニアン国立アジア美術館所蔵
これは第2章で展示されていた小林清親の作品「大川岸一之橋遠景」です。
前半となる第1部のテーマは”小林清親と浮世絵”。
特に見所と言ったら、最後の浮世絵師と言われた”小林清親”になるでしょう。

「両国花火之図」(明治13年)小林清親 ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 大判、スミソニアン国立アジア美術館所蔵
こちらも小林清親の作品で、「両国花火之図」になります。
ちなみに今回の展示構成ですが…
第1部「小林清親と浮世絵」
第1章:開化絵
第2章:小林清親
第3章:井上安治と小倉柳村
第4章:写真
第2部「風景版画の展開」
第5章:チャールズ・ウィリアム・バートレット
第6章:高橋松亭(弘明)
第7章:伊東深水
第8章:吉田博
第9章:川瀬巴水

「神田川夕景」(明治14年)小林清親 ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 間判、三菱一号館美術館所蔵
今展は第1章の”開化絵”から始まり2章と続くわけですが、私的には小林清親を紹介する上でも第1章も外せない!と思っています。
日本は文明開化と共に西洋化したわけですが、これを”赤”を基調とした色で表現したのが”開化絵”です。
アニリン染料を用いて描かれ、俗に”赤絵”と呼ばれているのですが、私的にはドギツイ感じにも見えてしまう。空や背景も”赤み”がかっているので、ちょっと異質にも見えてしまうからです。
でも当時はこういった”赤み”で、文明の発展というか新時代を表現したかったのでしょう。

「日本橋夜」(明治14年)小林清親 ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 間判、三菱一号館美術館所蔵
でも”赤絵”の存在があるために、その後の小林清親の作品がとても安心して見れてしまう。
小林清親の作品は”光線画”を特徴とした作品が主。
光と影を強調し、遠近感を伴った作風は、まるで西洋画にも通じる部分がある。
最後の浮世絵師と呼ばれたりもしますが、私的には新版画が誕生する背景には、この小林清親の存在と言うか作風は必要不可欠だろうと思わざる負えないですね。

「明治十四年一月廿六日出火 両国大火浅草橋」(明治14年)小林清親 ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 大判、スミソニアン国立アジア美術館所蔵

「明治十四年二月十一日夜大火 久松町にて見る出火」(明治14年頃)小林清親 ※「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田熊次郎、錦絵 大判、三菱一号館美術館所蔵
ここまで観てきて分かると思いますが、今回は第2章の一部が撮影可能となっていました。(それ以外は基本撮影不可)
本当ならもうちょっと他の絵師の作品も伝えたかったですが、こればっかりはな~。
浮世絵は基本小さい作品が多いので、作品に鑑賞者らの視線が集中する形になります。鑑賞を楽しむための配慮としても、こればっかりは仕方がないのかな~と。

「名所江戸百景 日本橋江戸ばし」(安政4年)歌川広重 ※「トワイライト、新版画」展より
・版元:魚屋栄吉、錦絵 大判、三菱一号館美術館所蔵

「皇城二重橋」(明治29年)井上探景(安治) ※三菱一号館で開催の「トワイライト、新版画」展より
・版元:福田初次郎、錦絵、後摺 間判、三菱一号館美術館所蔵
今展では、小林清親の作品が約30点近くありましたが、どれも実に素晴らしい!と言ったものばかり。
世間的には川瀬巴水の方が人気があるのかもしれませんが、私的には小林清親の方が好きですね。
という感じで、前半は小林清親の話ばかりになりましたが、それだけ作品も質も充実していたって事。
私的には、前半部分だけでも結構な満足感!という状態ですね。
では、後半は↓以下へと続きます。
後半の第2部は…
そして後半になると、風景版画をテーマに様々な絵師の作品が登場してきます。
特に最後の9章では川瀬巴水の作品が登場してきますが、”巴水”目当ての人も多いのではないでしょうか。
でも、それまでの絵師の作品も見逃してほしくないですね。
2部では、チャールズ・ウィリアム・バートレットに伊東深水、そして個人的に一押し!の高橋松亭や吉田博の作品が紹介されています。
特に吉田博について言えば、「帆船」シリーズには圧巻!の一言。
私の様な素人が言うのも何ですが、本当に凄いです。
同じような構図でありがなら、色調の違いで時間の光の機敏を表現していて、まるで”モネの印象派作品”を彷彿とさせます。
そして最後の9章では、川瀬巴水の作品が登場してきます。
おそらく”巴水”目当ての人も多いのではないでしょうか。
本当なら展示の様子を紹介したいのですが、今回は参考として作品を挙げています。
実際の展示作品とは色調など若干の違いはあるにせよ、ある程度の雰囲気は味わえると思います。

「東京十二題 深川上の橋」(大正9年)川瀬巴水
・木版多色摺 大判 ※参考として(Public Domain画像使用)
まず、紹介したいのが「東京十二題 深川上の橋」という作品でしょう。
とにかく、この構図が実に斬新というか、オモシロい!!

「東京十二題 春のあたご山」(大正10年)川瀬巴水
・木版多色摺 大判 ※参考として(Public Domain画像使用)
私の先入観というかイメージなりますが、川瀬巴水って”綺麗にまとまった感”がある絵師です。
日本各地の風景を一枚の版画に凝縮させた感じで、好きな人が多いのも分かる気がします。
ただ私としては、”綺麗すぎる”という感が強すぎる。
もうちょっと尖ってイイかな!?と思った時期もありました。

「東京十二題 雪に暮るゝ寺島村」(大正9年)川瀬巴水
・木版多色摺 大判 ※参考として(Public Domain画像使用)
ただ、今回でイメージが一変ですね。
ある程度まとまった形で作品を観ると、川瀬巴水って結構素敵な作品を描いているんだな~と。^^
何というか、例えるなら”パステル風な浮世絵”といった感じでしょうか。
特に”雪”を描かせたら、実に味わい深い!
今回来て良かったと思った瞬間でした。

今回の「トワイライト、新版画 小林清親から川瀬巴水まで」ですが、川瀬巴水目当ての人も多いかもしれませんが、実はそこまでの経緯が実にオモシロい!!
作品数もそれなりに充実していますが、高橋松亭や吉田博の作品も実に素晴らしいものばかり!だからです。
終わって見れば、実に満足度高し!と思える展覧会なので、興味のある方はぜひ行ってほしいと思います。
開催は2026年5月24日までですよ!!
「トワイライト、新版画 小林清親から川瀬巴水まで」の開催概要

肝心の開催概要は以下になります。
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【 「トワイライト、新版画 小林清親から川瀬巴水まで」の開催概要 】 ・会期:2026年2月19日(木)~5月24日(日) ・時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20時まで) ・休館日:祝日・振休を除く月曜日 |
私的にはおススメの展覧会なので、興味のある人は行ってほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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