元ネタはティエポロの名画! ミュエクの「エンジェル」を私的に解釈!

天使の羽(イメージ画像)

 

先日の「ロン・ミュエク展」で気になる作品がありました。

物寂しげな表情の男性の天使像エンジェル(Angel)という作品です。

 

実はこの作品はイタリアの巨匠”ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ”の名画が構想のきっかけだそう。

今回はミュエクの初期の代表作「エンジェル」について、私独自の解釈をしていこうと思います。

 

目次

ロン・ミュエクの「エンジェル」とティエポロ
ティエポロの名画「ヴィーナスと時間の寓意」
ミュエクの「エンジェル」を私なりに解釈してみました!

 

 

 

ロン・ミュエクの「エンジェル」とティエポロ

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

・110×87×81cm、ミクストメディア、個人蔵

これはロン・ミュエク(Ron Mueck)の初期の代表作「エンジェル」です。

これほどインパクトのある作品は、なかなかお目に掛かれないのではないでしょうか!?

背中に大きな翼を持った男性の姿をしていて、僕の抱いている天使のイメージとはかけ離れているからです。

ミュエクの名が一躍知られるきっかけになったのも納得ですね。

 

私の考え
さて、この「エンジェル」には元ネタがあるのはご存知ですか!?

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの名画ヴィーナスと時間の寓意です。

「ヴィーナスと時間の寓意」は解説本にも載る程なので、美術好きなら知っている人も多いのではないでしょうか。

というわけで、作品の詳細はティエポロの名画「ヴィーナスと時間の寓意」で解説します。

 

 

 

ティエポロの名画「ヴィーナスと時間の寓意」

「ヴィーナスと時間の寓意」(1754-58年頃)ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ

「ヴィーナスと時間の寓意」(1754-58年頃)ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ

・292×190cm、カンヴァスに油彩、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 ※Public Domain画像使用

これがジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ名画ヴィーナスと時間の寓意です。

コンタリーニ家の宮殿の天井装飾のために依頼され、1754~58年頃に制作した作品。

現在はロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されていて、同美術館を代表する作品の一つでもある。

美術好きなら知っている人も多いのではないでしょうか。

 

て、作品を見て分かりますが、中央に描かれているのは愛と豊穣の女神ヴィーナス”。

ヴィーナスを表わすシンボルとして、頭上に2羽の鳩(ハト)が描かれている点からも分かると思います。

そして手前(下方)に描かれているのが、幼児を抱いた年老いた人物です。

背中に大きな翼を持った年老いた人物で表現され、脇には大きな長い柄の鎌が描かれています。

俗に”時の翁”と言われる”サトゥルヌスクロノス”です。

ちなみに解説者によると、”時の翁”はヴェネツィアの没落を暗示していると…。

 

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(※Public Domain画像使用)

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(※Public Domain画像)

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(Giovanni Battista Tiepolo)は、1696~1770年に活躍したイタリアの画家。

下から見上げる事を想定しイリュージョン効果を取り入れた画風を得意としています。

ティエポロはヴェネツィア派芸術を締めくくる最後の画家とも言われて、天井画を描かせたら同時代で彼の右に出る者はいないとさえ言われていました。

まさにティエポロの傑作と言っても過言ではない代物だと思います。

 

 

 

ミュエクの「エンジェル」を私なりに解釈してみました!

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

・110×87×81cm、ミクストメディア、個人蔵

一般的に”天使”は神の使い(使者)と言われていて、宗教画では”(性別はないけれど)女性的”だったり、”幼い子供の姿”で描かれる場合がほとんど。

でもミュエクの「エンジェル」は、物寂しげな感じの男性の姿で表現されています。

これには何かしらの意味が込められているのでは!?と思えてならないのです。

というのも、芸術作品には画家の意味やメッセージが込められている場合が多いから!

 

私の考え
いうわけで、私なりに解釈してみました。

年老いた男性の天使は、時間の寓意として描かれています。

つまり、神の使いとされる天使にも、時間の流れが存在する! 中年?っぽい男性の天使もあり得るのでは?と。

…こう私たちに伝えている様に思えてならないのです。

僕らが一般的に持っている既成概念は、決して正しいわけじゃない!

もしかしたら間違っているのかもしれない!ですね。

 

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

「エンジェル」(1997年)ロン・ミュエク ※森美術館で開催の「ロン・ミュエク展」より

・110×87×81cm、ミクストメディア、個人蔵

作品解説にはミュエクがどういった考えで制作したかは記載されていませんでした。

おそらく作品を観て、各々で解釈してね!という事でしょう。

ぜひ「ミュエク展」に行った際は、あなたなりに解釈してみてはどうでしょうか!?

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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