- 2026-4-18
- Impression (絵画展の感想)
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先日、SOMPO美術館で「ウジェーヌ・ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」を観てきました。
俗に”印象派の先駆者”と呼ばれ、モネの師匠的存在でも知られる画家”ブーダン”。
そんなブーダンを主役とした回顧展が、約30年ぶりに開催しました。
今回は展示の様子も交えながら、私の鑑賞レビューをしていこうと思います。
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【 目次 】 ・SOMPO美術館で「ブーダン展」を観てきました。(鑑賞レビュー) |
この「ブーダン展」は東京の後は、山梨と群馬でも開催予定になっています。
SOMPO美術館で「ブーダン展」を観てきました。

印象派の展覧会でも度々目にする”ウジェーヌ・ブーダン”ですが、ほとんどが”脇役”的な形で扱われる事が多いです。
今回の様にブーダンを主役とした展覧会も非常に珍しいな~と、前々から気になっていた展覧会だったのです。
先日、早速観てきたので、私の鑑賞レビューしていこうと思います。

まず、私の率直な感想になりますが…
辛口評価になってしまいますが、個人的には物足りなさの残る内容でした。
というのも、思ったより油絵作品が少なかったから。
(展示数約120点に対し、油絵が約半分といった感じでしょうか。)
でも私的に嬉しい誤算もあって、それはブーダンの素描を観れた事でしょうか。^^
普段ブーダンの油絵は観る機会はあっても、素描を観れるってなかなかないですからね。
これは実に貴重だと思うわけです。
さて今回の一番の見所ですが、それは”5階”になるでしょう!

「ボルドーの港、バカラン埠頭からの眺め」(1874年)ブーダン ※「ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」より
・カンヴァスに油彩、ランス美術館所蔵
というのも、5階の展示エリアは”海景画家の誕生”と称し、ブーダンを象徴する”海の絵”が展示されているから。
ブーダンは海と空を描いた”海景画”が有名で、人生を通して数えきれないくらいの作品を制作しています。
ザッと見積もっただけでも、500点は下らないのではないでしょうか。

「カマレ、湾、干潮」(1871年)ウジェーヌ・ブーダン ※「ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」より
・カンヴァスに油彩、リベレツ州立美術館(チェコ)
マカレ(Camaret-sur-Mer)はフランスのブルターニュ地方、クロゾン半島先端に位置する港町です。
ここは風も強く、荒天に見舞われる日も多いそうです。
絵からも、そんな天候の厳しさが伝わってくるようですね。

「ベルク、出航」(1890年)ウジェーヌ・ブーダン ※「ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」より
・カンヴァスに油彩、ランス美術館所蔵
ここまで観てきて分かると思いますが、今展は基本撮影が可能になっていました。
5階の展示エリアはほとんどが撮影可能だったので、私的には嬉しい限りですね。
対して4階と3階は撮影不可(※3階の収蔵品エリアは撮影可能)になっているので、間違って”パシャリ”しないよう注意して欲しいと思います。

「オンフルール、港、朝の効果」(1896-97年頃)ウジェーヌ・ブーダン ※「ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」より
・カンヴァスに油彩、個人蔵
これは「オンフルール、港、朝の効果」で、今展で最も惹かれた一枚です。
私はこの絵を見た瞬間、釘付けになってしまいました!^^
筆跡を残した簡素な描き方にも関わらず、港の雰囲気が伝わってくるからです。
あまりブーダンっぽい感じには見えないですが、でもこういった簡素な感じは個人的に好きです。
純粋に絵の上手さが分かる作品だと思います。

「トルーヴィルの港の入口」(1892-96年頃)ウジェーヌ・ブーダン ※「ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」より
・板に油彩、アンドレ・マルロー近代美術館所蔵(ル・アーヴル)
という感じで、5階は海景画が中心に展示されていました。
ブーダンは海景画で名を馳せた画家なので、こうやって一堂に観れるのは嬉しいですね。
ただ先ほども話しましたが、ブーダンは多くの海風景を描いてきた画家です。
”もうちょっと観たかったな~”と思うのは、芸術好きの性というものでしょうか。
ここで、今回の展示構成ですが…
≪5階≫ …基本撮影可能(一部は撮影不可)
1、海景 - 海景画家の誕生
≪4階≫ …撮影不可エリア
2、空 - 瞬間の美学、光の探求
・素描 - Part1 樹々、空、船、海
3、風景 - バルビゾン派からの学び
4、建築 - 旅する画家が見た風景
≪3階≫ …撮影不可エリア(収蔵品エリアは撮影可能)
5、動物 -身近なものへの眼差し
6、人物 - 戸外の群像表現
・素描 - Part2 人物研究
・版画-イメージの伝播
4階と3階の展示エリアになると、海景画以外の作品も登場してきます。
風景画や人物画、動物を描いた作品。それから静物画も数点展示されていました。

「ヴェネツィア、税関とサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」(1895年)ウジェーヌ・ブーダン
・19.7×39.7cm、板に油彩、ランス美術館所蔵 ※Public Domain画像使用

「ヴェネツィア、サン・ジョルジョ・マッジョーレ」(1895年頃)ウジェーヌ・ブーダン
・20.5×39.6cm、板に油彩、ランス美術館所蔵 ※Public Domain画像使用
上の2つは、4階の”建築 ー 旅する画家が見た風景”で展示されていた作品です。
海と空を得意とするブーダンにとって、水の都”ヴェネツィア”の風景はとっても相性がイイと思いませんか!?
今回の見所作品になっているのも、何となく分かる気がしますね。

「廃城のラッセイ城」(1893年)ウジェーヌ・ブーダン
・50.5×74.0cm、カンヴァスに油彩、ブーローニュ=シュル=メール市立美術館所蔵 ※Public Domain画像使用
廃城のラッセイ城を題材とした風景画ではあるけれど、なぜか”空”の風景画に思えてしまうのは、私だけでしょうか!?
それだけ私にとって、ブーダンは”空の画家”というイメージが強いのでしょう。

「水飲み場の牛の群れ」(1880年)ウジェーヌ・ブーダン
・79.3×109.6cm、カンヴァスに油彩、ランス美術館所蔵 ※Public Domain画像使用
…と、4~3階にかけて様々なジャンルの作品が展示されています。
こうやって作品を観ていくと、ブーダンって絵が上手い画家なんだな~というのが分かります。
それなりに成功した画家なので絵が上手いのは当然ですが、まさかこれほどとは!
私の持っている解説本などでは、”ほぼ独学”と記載されているものもあり、”本当に!?”と疑いたくなるほどですね。
ブーダンは若かりし頃、絵の勉強のため過去の巨匠たちの作品を模写した事は知られています。
”真似るって、最高の学習法なんだな~”というのが実感できる瞬間ですね。

また今展では、随所に”ブーダンの素描”が展示されています。
素描は一見地味に見えますが、画家の画力を垣間見れる!という点では、非常にオモシロイと思っています。
冒頭でも話しましたが、今回特に嬉しかったのが”ブーダンの素描”を観れた事!!
普段はなかなか観れる機会はないので、じっくりと鑑賞して欲しいと思います。

…という感じで、個人的には”ちょっと物足りなさ”もあったけれど、それなりに楽しめた「ブーダン展」でした。
特に良かったのが、”ブーダンの素描”をある程度まとまった形で観れた事!
これは個人的には大きな収穫でした!^^
「ブーダン展」は2026年6月21日(日)まで開催します。
その後は巡回で山梨と群馬でも開催予定なので、興味のある方はぜ!!
「ウジェーヌ・ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」の開催概要

肝心の開催概要は以下になります。
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【 開館50周年記念「ウジェーヌ・ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」の開催概要 】 ・会期:2026年4月11(土)~2026年6月21日(日) ・時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで ・入館料:一般(26歳以上)の当日券は2,000円、事前購入券は1,800円 写真撮影ですが、館内では一部(撮影不可)を除き撮影可能になっています。 |
今回の「ブーダン展」は巡回で、山梨と群馬でも開催予定になっています。
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【 「ウジェーヌ・ブーダン展 - 瞬間の美学、光の探求」の開催概要 】 (山梨開催) (群馬開催) |
興味のある方は、ぜひ足を運んでほしいと思います。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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