- 2022-8-7
- Artist (画家について), Artwork (芸術作品)
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モネの展覧会に行くと、ほぼ必ず目にする画家に”ウジェーヌ・ブーダン”がいます。
海と空を基調とした風景画で名を馳せ、俗に”印象派の先駆け”とも言われた画家。
実は、知る人ぞ知るクロード・モネの師匠とも言われています。
今回は”空の王者”と謳われた画家”ウジェーヌ・ブーダン”について解説していこうと思います。
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【 目次 】 |
画家”ウジェーヌ・ブーダン”について解説!

「トルーヴィルの浜」(1867年)ウジェーヌ・ブーダン
・63×89cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵
”ウジェーヌ・ブーダン(Eugene Boudin)”について話す前に、まずは作品から見てほしいと思います。
上は「トルーヴィルの浜」で、ブーダンの代表作と呼んでも過言ではない一枚。
浜辺でくつろぐ人々を描いた作品ではあるけれど、大空の描写は実に圧巻の一言です。
ブーダンの全てが凝縮されていると言ってもイイでしょう!
実は、この作品がブーダンを知るきっかけになった一枚で、私にとっては思い入れの強い作品だったりもします。そんなわけで、まず最初に挙げてみたわけです。
現在は国立西洋美術館に所蔵されているので、ぜひ機会があったら観てほしい一枚ですね。

「ブーダンの肖像」ピエール・プティによる写真 ※Public Domain画像
さて、ウジェーヌ・ブーダンは、俗に”空の王者”と謳われた画家です。
上の絵から分かると思いますが、”空を描かせたら天下一”の画家だから!
そしてモネとの関係性も重要で、ご存知の人も多いですが”モネの師匠”と言われています。
それでは、ブーダンの生い立ちを話していこうと思います。

「オンフルールの港」ウジェーヌ・ブーダン
・31.9×41.1cm、カンヴァスに油彩、サザンプトン市立美術館所蔵
ブーダンが生まれたのは、1824年7月12日。フランスのノルマンディー地方にある港町オンフルールでした。
父は水先案内人として働いていて、その後ル・アーブルに移り文具店を開きます。それに伴いブーダンも店で働き始めたのですが、これが大きな転機に!
当時出入りしていたバルビゾン派の画家トロワイヨンやミレーたちの影響で、ブーダンは芸術家に憧れを抱くようになります。
そして1846年(ブーダン22歳の頃)、ブーダンは本格的に画家を志し、その後パリへ!
パリへ向かったブーダンですが、専門的な指導を受けたというよりは、ほぼ独学で絵の勉強をしていたそう。ルーヴル美術館に出向き、過去の作品の模写していたというのは有名な話です。

「トルーヴィルの桟橋と波止場」(1863年)ウジェーヌ・ブーダン
・34.8×58 m、カンヴァスに油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵
※トルヴィル=シュル=メール(Trouville-sur-Mer)…フランスのノルマンディー地域の港町。
ここで、ブーダンを語る上で重要な人物を挙げたいと思います。
オランダ人の画家”ヨハン・ヨンキント(Johan Jongkind)”です。
ブーダンはヨンキントから戸外で絵画を描く事を教えられたと言われています。
1852年(ブーダン33歳の時)にブーダンはクロード・モネと出会い、戸外で絵画制作する事を教えたのは有名な話です。
※モネとの出会いによってブーダンは「第1回印象派展」(1874年)に参加するに至ります。
つまり印象派が誕生するに至る大きな要因に、画家”ヨハン・ヨンキント”の存在があったわけです。

「トルーヴィルの浜辺」(1865年)ウジェーヌ・ブーダン
・38×62.8cm、カンヴァスに油彩、プリンストン大学美術館所蔵
とはいえ、ブーダンはそこまで「印象派展」には積極的ではなかったそうです。
当時ブーダンはサロンへの出品に積極的で、回を重ねる毎に評価を上げていきました。
1881年には3位に入賞し、1889年には金賞を受賞。そして1892年にはレジオン・ドヌール勲章を受章し、画家として成功を収めます。
1898年、ブーダンはドーヴィルで亡くなりますが、最後まで一貫して”空”を描き続けたそう。
まさに”空の王者”に相応しい人生を歩んだ画家でした。
ウジェーヌ・ブーダン(Eugene Boudin)1824ー1898
印象派に先駆ける風景画家。1844年に当時住んでいたノルマンディ地方の港町ル・アーヴルでミレーやトロワイヨンに刺激され、ほとんど独学で画家を志す。パリではアカデミズムを嫌い、ルーヴル美術館で巨匠の絵を研究。ル・アーヴルに戻ってノルマンディの海岸を転々としながら、明るい外光表現を大胆に採り入れた海風景を数多く制作し、ほとんどサロンで活躍、コローやボードレールに称賛される。天候につれて大気や光の動きを見事にとらえたその風景画は、バルビゾン派から印象主義の掛け橋となった。
※「西洋絵画作品名辞典」より
次では、↓空の王者”ブーダン”の作品を観ていこうと思います。
空の王者”ウジェーヌ・ブーダン”が描いた海風景!

「ヴェネツィア、税関とサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」(1895年)ウジェーヌ・ブーダン
・19.7×39.7cm、板に油彩、ランス美術館所蔵
まずウジェーヌ・ブーダンを語る上で、広大な空と海の風景を描いた”海景画”は外せません!!
画面の大部分が”空”という大胆な構図に、広大な空の奥行。
そして天候や時間帯によって変わりゆく空の様子。
どの季節に、どの時間帯で、どういった天候の日だったのか…
作品を観たら、全てが分かる様ですね。これこそ”空の王者”と言われたブーダンの真骨頂だと思います。
ブーダンが”空の絵”で成功を収めたのも納得ですよね。

「オンフルールの桟橋」(1854-57年頃)ウジェーヌ・ブーダン
・25.1×37.6cm、木板に油彩、エルミタージュ財団

「オンフルール港の祭り」(1858年)ウジェーヌ・ブーダン
・41.0×59.3cm、木板に油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵

「広大な空と海の景色」(1860年)ウジェーヌ・ブーダン
・21.3×28.7cm、パステル画、クリーブランド美術館所蔵

「トルーヴィルの浜」(1863年)ウジェーヌ・ブーダン
・25.4×46.4cm、木板に油彩、ワズワース・アテネウム美術館

「トルーヴィルの浜」(1864-65年頃)ウジェーヌ・ブーダン
・27.0×49.1cm、木板に油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵

「ドーヴィルの港」(1877-81年頃)ウジェーヌ・ブーダン
・27.5×33.5cm、木板に油彩

「夕暮れ時のル・アーヴル港」(1882年)ウジェーヌ・ブーダン
・54.3×74.3cm、木板に油彩

「ル・アーヴル港を出発する船」(1883年)ウジェーヌ・ブーダン
・118.1×160.0cm、カンヴァスに油彩

「ル・アーヴルの港」(1884年)ウジェーヌ・ブーダン
・32.4×41.1cm、木板に油彩、ブルックリン美術館所蔵(ニューヨーク)

「アンティーブの眺め」(1893年)ウジェーヌ・ブーダン
・55.2×89.5cm、カンヴァスに油彩、デトロイト美術館所蔵

「ヴェネツィア、大運河」(1895年)ウジェーヌ・ブーダン
・26.0×35.2cm、木板に油彩、ティッセン=ボルネミッサ美術館所蔵
ブーダンは生涯を通して、一貫して画面いっぱいに”空”を描いていますが、でも同じ空は全くないのも凄いことです。
一枚一枚違った色味や奥行きがあって、雲の形や色も、どれもが同じものがない。
これぞ”空の王者”と謳われたブーダンの真骨頂!!
ブーダンの作品と出会った際は、ぜひ見逃さずに観てほしいですね!
ブーダンの代表作「洗濯する女性たち(洗濯女)」

「トゥーク川のほとりで洗濯する女性たち」(1885年)ウジェーヌ・ブーダン
・25.9×41.5cm、木板に油彩
私が思うに、ブーダンの代表作として「洗濯する女性たち(洗濯女)」も外せないと思っています。
ブーダンの得意とした海風景と、人物画の組み合わさった作品だからです。
上の「トゥーク川のほとりで洗濯する女性たち」からも分かると思いますが、広大な空の描写もさることながら、人物の描写も圧巻の一言!
純粋に絵の上手さが見て取れると思いませんか!?
ここでは、ブーダンの描いた「洗濯する女性たち」をいくつか挙げていこうと思います。
・・・

「橋の近くで洗濯する女性たち」(1883年)ウジェーヌ・ブーダン
・32.0×41.0cm、木板に油彩、ボストン美術館所蔵

「トゥーク川のほとりで洗濯する女性たち」(1885年頃)ウジェーヌ・ブーダン
・16.5×21.6cm、木板に油彩、バレル・コレクション

「トゥーク川で洗濯する女性たち」(1890年)ウジェーヌ・ブーダン
・37.6×55.0cm、木板に油彩、国立美術館(リオデジャネイロ)所蔵
あっさりと描いているようで、でも人物の様子や動きがしっかりと読み取れる。
ブーダンという画家の凄さが感じられる瞬間ですね。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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