空の王者でモネの師!? ”ウジェーヌ・ブーダン”について解説!

ウジェーヌ・ブーダン

 

モネの展覧会に行くと、ほぼ必ず目にする画家に”ウジェーヌ・ブーダン”がいます。

 

海と空を基調とした風景画で名を馳せ、俗に”印象派の先駆け”とも言われた画家。

実は、知る人ぞ知るクロード・モネの師匠とも言われています。

今回は”空の王者”と謳われた画家”ウジェーヌ・ブーダン”について解説していこうと思います。

 

目次

”ウジェーヌ・ブーダン”について解説!
空の王者”ブーダン”の作品を観ていこう!

 

 

 

画家”ウジェーヌ・ブーダン”について解説!

「トルーヴィルの浜」(1867年)ウジェーヌ・ブーダン

「トルーヴィルの浜」(1867年)ウジェーヌ・ブーダン

・63×89cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵

これは”ウジェーヌ・ブーダン(Eugene Boudin)”の「トルーヴィルの浜」という作品です。

現在は国立西洋美術館に所蔵されているので、ぜひ機会があったら観てほしい一枚ですね。

というのも、ブーダンの全てが凝縮されているから!

浜辺でくつろぐ人々を描いた作品ではあるけれど、何といっても大空の描写は圧巻の一言です。

まさにブーダンの代表作と呼んでも間違いないと思います。

 

「ウジェーヌ・ブーダンの肖像」ピエール・プティによる写真

「ブーダンの肖像」ピエール・プティによる写真 ※Public Domain画像

さて、ウジェーヌ・ブーダンは、俗に空の王者と謳われた画家です。

上の絵から分かると思いますが、”空を描かせたら天下一”の画家だから!

そしてモネとの関係性も重要で、ご存知の人も多いですが”モネの師匠”と言われています。

 

れでは、ブーダンの生い立ちを話していこうと思います。

「オンフルールの港」ウジェーヌ・ブーダン

「オンフルールの港」ウジェーヌ・ブーダン

・31.9×41.1cm、カンヴァスに油彩、サザンプトン市立美術館所蔵

ブーダンが生まれたのは、1824年7月12日。フランスのノルマンディー地方にある港町オンフルールでした。

父は水先案内人として働いていて、その後ル・アーブルに移り文具店を開きます。それに伴いブーダンも店で働き始めたのですが、これが大きな転機に!

当時出入りしていたバルビゾン派の画家トロワイヨンミレーたちの影響で、ブーダンは芸術家に憧れを抱くようになります。

そして1846年(ブーダン22歳の頃)、ブーダンは本格的に画家を志し、その後パリへ!

パリへ向かったブーダンですが、専門的な指導を受けたというよりは、ほぼ独学で絵の勉強をしていたそう。ルーヴル美術館に出向き、過去の作品の模写していたというのは有名な話です。

 

「トルーヴィルの桟橋と波止場」(1863年)ウジェーヌ・ブーダン

「トルーヴィルの桟橋と波止場」(1863年)ウジェーヌ・ブーダン

・34.8×58 m、カンヴァスに油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵
※トルヴィル=シュル=メール(Trouville-sur-Mer)…フランスのノルマンディー地域の港町。

こで、ブーダンを語る上で重要な人物を挙げたいと思います。

オランダ人の画家”ヨハン・ヨンキント(Johan Jongkind)”です。

ブーダンはヨンキントから戸外で絵画を描く事を教えられたと言われています。

1852年(ブーダン33歳の時)にブーダンはクロード・モネと出会い、戸外で絵画制作する事を教えたのは有名な話です。
※モネとの出会いによってブーダンは「第1回印象派展」(1874年)に参加するに至ります。

つまり印象派が誕生するに至る大きな要因に、画家”ヨハン・ヨンキント”の存在があったわけです。

 

「トルーヴィルの浜辺」(1865年)ウジェーヌ・ブーダン

「トルーヴィルの浜辺」(1865年)ウジェーヌ・ブーダン

・38×62.8cm、カンヴァスに油彩、プリンストン大学美術館所蔵

とはいえ、ブーダンはそこまで「印象派展」には積極的ではなかったそうです。

当時ブーダンはサロンへの出品に積極的で、回を重ねる毎に評価を上げていきました。

1881年には3位に入賞し、1889年には金賞を受賞。そして1892年にはレジオン・ドヌール勲章を受章し、画家として成功を収めます。

1898年、ブーダンはドーヴィルで亡くなりますが、最後まで一貫して”空”を描き続けたそう。

まさに”空の王者”に相応しい人生を歩んだ画家でした。

 

ウジェーヌ・ブーダン(Eugene Boudin)1824ー1898

印象派に先駆ける風景画家。1844年に当時住んでいたノルマンディ地方の港町ル・アーヴルでミレーやトロワイヨンに刺激され、ほとんど独学で画家を志す。パリではアカデミズムを嫌い、ルーヴル美術館で巨匠の絵を研究。ル・アーヴルに戻ってノルマンディの海岸を転々としながら、明るい外光表現を大胆に採り入れた海風景を数多く制作し、ほとんどサロンで活躍、コローやボードレールに称賛される。天候につれて大気や光の動きを見事にとらえたその風景画は、バルビゾン派から印象主義の掛け橋となった。

※「西洋絵画作品名辞典」より

 

次では、空の王者”ブーダン”の作品を観ていこうと思います。

 

 

 

空の王者”ブーダン”の作品を観ていこう!

「アンティーブの眺め」(1893年)ウジェーヌ・ブーダン

「アンティーブの眺め」(1893年)ウジェーヌ・ブーダン

・55.2×89.5cm、カンヴァスに油彩、デトロイト美術館所蔵

画面の大部分が空で覆われた風景画は、まさに”空の王者”と言われたブーダンらしい作品だと思います。

ブーダンは一貫して”広大な空”を描いた画家で知られています。

しかも、どの空も実に見事!

天候や時間帯によって変わりゆく空の様子に、広大な空の奥行。

空に点在する絶妙な光の機微まで繊細に表現しています。

ブーダンが”空の絵”で成功を収めたのも納得ですよね。

 

「カマレの港」(1872年)ウジェーヌ・ブーダン

「カマレの港」(1872年)ウジェーヌ・ブーダン

・55.5×89.5cm、カンヴァスに油彩、オルセー美術館所蔵

浜辺で寝そべって空を眺めている様な…。

ブーダンの風景画はまさにそんな感じです。

ず~と見ていても飽きないし、ず~と眺めていたくなる魅力!

これこそブーダン最大の見所だと思っています。

 

「ボルトリューの船」(1873年)ウジェーヌ・ブーダン

「ボルトリューの船」(1873年)ウジェーヌ・ブーダン

・32×46cm、カンヴァスに油彩、フィッツウィリアム美術館所蔵(ケンブリッジ)

 

「Villefranche Harbour」(1892年)ウジェーヌ・ブーダン

「Villefranche Harbour」(1892年)ウジェーヌ・ブーダン

・46×65cm、カンヴァスに油彩、スコットランド国立美術館所蔵

ブーダンは生涯を通して、一貫して画面いっぱいに”空”を描いています。

でも同じ空は全くないのも凄いことです。

一枚一枚違った色味や奥行きがあって、雲の形や色も、どれもが同じものがない。

これぞ”空の王者”と謳われたブーダンの真骨頂!!

 

ブーダンの作品と出会った際は、ぜひ見逃さずに観てほしいですね!

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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