- 2024-5-19
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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上野公園に清水多嘉示の「みどりのリズム」という彫刻が立っているのは知っていますか!?
JR上野駅からほど近くにあるので、立地的には非常に良い場所にあります。
ちょうど国立西洋美術館の横に立っているので、美術館帰りに見た人もいるかと思います。
近代芸術を代表する”清水多嘉示”の作品ですから、せっかくならじっくり鑑賞しても損はないと思います。
清水多嘉示(しみず たかし)は、主に大正から昭和初期にかけて活躍した芸術家です。(明治30年生れ~昭和56年に没)
先日アーティゾン美術館で、特集コーナー展示として清水多嘉示の作品が展示されていました。私も見に行きましたが、ここで展示されていた作品の多くは絵画でした。
この展示だけを見ると、画家というイメージが強いかもしれないけど、実は彫刻家としても大きな活躍をしているわけです。
元々は画家として出発した清水でしたが、フランス滞在時にブールデル(アントワーヌ・ブールデル)の彫刻と出会います。これがきっかけで彫刻家としても歩み始めたのです。
ここで参考に、『新潮 世界美術辞典』の解説を挙げてみようと思います。
清水多嘉示(しみずたかし)
明治30.7.27ー昭和56.5.5(1897ー1981)
彫刻家。長野県諏訪郡原村に生れ、東京で没。大正12ー昭和3年(1923-28)滞仏、ブールデルに師事、サロン・ドートンヌに出品、サロン・デ・チュイルリー、サロン・デ・ザンデパンダン(アンデパンダン展)会員になり、帰国後、国画会会員になる。昭和39年日本芸術院会員。師風を継いだ堅実な作風で知られる。郷里の原村にある八ヶ岳美術館に多くの作品がある。代表作は『裸婦』(1953)、『青年象』(1954)
・参考元:『新潮 世界美術辞典』より
1928年に帰国してからは、帝国美術学校(現在の武蔵野美術大学)の創設にも参加。
その後は『院展』や『国展』『春陽会展』など様々な展覧会のも作品を出品し、着実に評価を上げていきます。
でも大きな活躍と言ったら、戦後からになるでしょうか。
もちろん『日展』など、展覧会にはほぼ毎年の様に作品は出品し続けますが、1954年に出品した「青年象」では日本芸術院賞を授与されます。芸術家としてもそうだけれど、日本芸術界への貢献度も高く評価されたわけです。
そして1980年には文化功労者に選任され、同年には生まれ故郷の原村に「八ヶ岳美術館」をオープン。とうぜん原村の名誉市民にもなっています。
現在、清水多嘉示の代表作としては、『すこやか』(1953年、芸術選奨文部大臣賞を受賞作)、『裸婦』(1953)、『青年象』(1954年、芸術院賞受賞作)、『みどりのリズム』などがありますが、その代表作の一つが上野公園でも見れるというわけです。
彫刻「みどりのリズム」が立っている場所は、具体的にいうとJR上野駅(上野公園口)を降りてすぐ。ちょど国立西洋美術館の『地獄の門』の裏側にあります。
横には喫茶店もあるので、珈琲を飲みながらじっくりと「みどりのりずむ」を鑑賞するのもイイかと思います。
意外と素通りする人もいるかもしれないけれど、日本の近代芸術を築いた立役者”清水多嘉示”の作品なわけですから、ぜひ素通りすることなくじっくりと観てほしいものです。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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