SOMPO美術館で「モーリス・ユトリロ」展を観てきました。

SOMPO美術館で「モーリス・ユトリロ」展を観てきました。

 

先日、SOMPO美術館モーリス・ユトリロを観てきました。

 

美術館でも度々目にする画家で、個人的にも好きな画家の一人。

あの何とも言えない親しみやすい画風は、ユトリロならではの魅力でしょうか。

今回は展示様子も交えながら、「ユトリロ」展のレビューしていこうと思います。

 

目次

「モーリス・ユトリロ」展を観てきました。(感想レビュー)
「モーリス・ユトリロ」展の開催概要

 

 

 

「モーリス・ユトリロ展」を観てきました!(感想レビュー)

SOMPO美術館で「モーリス・ユトリロ」展を観てきました。

先日、SOMPO美術館モーリス・ユトリロ展を観てきました。

早速、私個人の感想になりますが、一言で”まあまあ”と言った感じでしょうか。

 

というのも、ユトリロは1年で600枚作品を制作したとも言われる画家なので、生涯での作品制作数が半端ないからです。

そう考えると、今回の70点という展示数は、正直言って個人的に物足りない。これは”好きゆえの性”というものでしょうか。^^
(欲を言ってしまえば、200枚でも300枚でも展示して欲しかった!!というのが本音ですね。)

 

「モンマニーの屋根」(1906-1907年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「モンマニーの屋根」(1906-1907年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・カンヴァスに油彩、ポンピドゥセンター所蔵(パリ)

というわけで、最初に姿を見せた作品が「モンマニーの屋根」でした。

1906年頃と言えば、ユトリロが画家として出発した頃。

ユトリロは基本”独学”で絵を学んでいたそうですが、この絵を観る限り上手い!と思います。

母シュザンヌ・ヴァラドンが画家だった影響もあり、絵の才能は持っていたのかもしれませんね。

 

「モンマルトルのサン=ピエール広場」(1908年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「モンマルトルのサン=ピエール広場」(1908年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・カンヴァスに油彩、八木ファインアート・コレクション

今回は私が個人的に惹かれた作品を紹介しています。

ユトリロの作品は本物を観るに限り画家の一人だと思うので、ぜひ足を運んで観てもらいたいものです。

 

「ヴィルタヌーズの城」(1908-1909年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「ヴィルタヌーズの城」(1908-1909年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・厚紙に油彩、ポンピドゥセンター所蔵(パリ)

 

 

なみに…

今回の展覧会の構成ですが、年代順で3つのテーマで作品を紹介しています。

・1章、モンマニー時代 …印象派に影響を受けた時期なので、よく印象派時代とも言われたりします。

・2章、白の時代 …画家として最も評価を得た時代。白を基調とし、質感を重視した作品が特徴。

・3章、色彩の時代 …よりモチーフが抽象化し、全体的に色彩感が高まってきた時期。

 

「マルカデ通り」(1909年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「マルカデ通り」(1909年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・カンヴァスに油彩、名古屋市美術館所蔵

特に2章「白の時代」については、今展の約半分を占める展示構成になっています。

ユトリロの絶頂期とも言え、世間的にも高く評価されていた時期です。

 

SOMPO美術館で開催の「モーリス・ユトリロ」展の様子(出品No.23と25)

SOMPO美術館で開催の「モーリス・ユトリロ」展の様子(出品No.23と25)

・左:「パリのサン=セヴラン教会」(1910-1912年頃)厚紙に油彩、モーリス・ユトリロ
・右:「サン=ジャック=デュ=オ=パ教会、パリ」(1910-1912年頃)カンヴァスに油彩、モーリス・ユトリロ

また展示作品の多くは撮影が可能(一部の作品は不可)になっているので、ぜひ行った際は好きな作品を探して撮るのもイイと思います。

 

「モンマルトルのラパン・アジル」(1912年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「モンマルトルのラパン・アジル」(1912年頃)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・パネルに裏打ちされた紙ボードに油彩、砂、個人蔵

 

ポイント!
鑑賞のポイント!!

さて、”白の時代”の作品を鑑賞する上で、重要なポイントがあります。

上の作品「モンマルトルのラパン・アジル」の具材から、””が使用されているのが分かると思います。

ユトリロは質感を表現するために、”砂”などを混ぜていたというのは有名な話。

質感は画像などではなかなか味わいにくいので、これは実際に本物に迫って観てほしいですね!

 

「ピエイクロスの修道院、コルシカ」(1914年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「ピエイクロスの修道院、コルシカ」(1914年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・カンヴァスに油彩、ポンピドゥセンター所蔵(パリ)/アノンシアード美術館寄託

 

「シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖堂」(1935年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖堂」(1935年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・カンヴァスに油彩、公益財団法人ひろしま美術館所蔵

さて、今回特に目を惹いた作品が「シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖」です。

111×130.5cmと、今展でおそらく一番大きいだろう作品です。

ユトリロは基本的に風景画がメインで、人物を描くという事があまりありませんでした。

それが”色彩の時代”になってから、人物を描いた作品が登場してきます。

ただ写実的というよりも、滑稽で誇張した漫画の様な、つまり”カリカチュア”的です。

初期の印象派的な作品から、白を基調とした作品に。そして色彩感が増し人物も描くようになった。

ユトリロなりの独自の画風が確立していった流れを、作品と一緒に鑑賞できるのも今回の見所ではないでしょうか。

 

「モンマルトルの眺め」(1926年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

「モンマルトルの眺め」(1926年)モーリス・ユトリロ ※「モーリス・ユトリロ」展より

・紙にグワッシュで彩色されたリトグラフ、ポンピドゥセンター所蔵(パリ)

そして最後に締めとして紹介したいのが、「モンマルトルの眺め」という作品です。

これはリトグラフで、個人的に非常に好きな作品です。

明るい画風が好きな僕にとって、まさにピッタシといった感じで、観た瞬間釘付けでした。

 

私の考え
ユトリロは美術館でもよく目にする画家なので、こうやってユトリロだけに絞った展覧会もイイものですね。^^

何とも言えない親しみやすい画風に、ユトリロならではのしがれた感じの筆づかい。

個人的には非常に好きです!

 

ただ唯一欲を言ってしまうと、やっぱりもっと作品を観たい!というのはあります。

さすがにこればっかりは仕方がないでしょうけど…。^^

 

SOMPO美術館で「モーリス・ユトリロ」展を観てきました。

今回紹介したのは展示作品のほんの一部です。

特に”白の時代”の作品は今回の見所にもなっているので、行った際は間近に迫って鑑賞するのもイイと思います。

これぞ”美術館ならではの醍醐味”だと思います。

2025年12月14日(日)までの開催なので、興味のある方はぜひ行ってみるのをおススメします。

 

 

 

「モーリス・ユトリロ展」の開催概要

SOMPO美術館で開催の「モーリス・ユトリロ」展

んな「モーリス・ユトリロ展」の開催概要は以下の通りになっています。

 

モーリス・ユトリロ展の開催概要

・会期:2025年9月20日(土)~12月14日(日)まで
・会場:SOMPO美術館(東京都新宿区西新宿1-26-1)

・時間:10:00~18:00 (金曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
・休館日:月曜日、10月14日(火)、11月4日(火)、11月25日(火)
 ※ただし、10月13日(月)、11月3日(月)、11月24日(月)は開館

・当日券:一般(26歳以上)は1,800円、一般(25歳以下)は1,200円、小中高校生は無料

 

興味のある方はぜひ足を運んでほしいと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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