- 2023-7-4
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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ローマのシンボル的銅像「ローマの牝狼」、別名”ルーパロマーナ(Lupa Romana)”が日比谷公園にあるのは知っていましたか!?
この銅像はローマを建国したと言われる初代皇帝ロムルスと、その弟レムスの幼少期を表わしたもの。それほど重要な銅像が、なぜ東京に?という疑問もあると思います。実は昭和13年(1938年)に、イタリアから東京市に寄贈されたものだそうです。寄贈された詳しい経緯は分かりませんが、とにかく日比谷公園に行った際はぜひ見てほしい!!
特に美術好きであれば、必見!だと思います。
【 目次 】 ・ところで「ルーパロマーナ(ローマの雌狼)」って何? |
今回はこの流れで”ルーパロマーナ”ついて解説していこうと思います。
ところで「ルーパロマーナ(ローマの雌狼)」って何?
「ルーパロマーナ」は、ローマの建国神話に登場する双子の兄弟ロムルスとレムスを表わした像です。つまりローマ国を作った人物を描いた像というわけです。”ローマのシンボル”と言われるのも分かりますよね。
それほど貴重な銅像が、日本の日比谷公園で観れるわけですから!これは美術好きなら絶対に観てほしい代物です。
※日比谷公園の像「ルーパロマーナ(ローマの雌狼)」
ちなみに世界最古の美術館と言われる”カピトリーノ美術館”にも、これとほぼ同じ像があります。作品名は「カピトリーノの牝狼」で、美術館の名が付くほど!ローマにとってもカピトリーノ美術館にとっても、いかに重要な作品なのかが分かると思います。
ここで参考として、私の愛用している「新潮 世界美術辞典」の解説を見てみようと思います。
カピトリーノの牝狼 Lupa Capitolina(伊)
ローマのカピトリーノの丘にあるコンセルヴァトーリ美術館(カピトリーノ美術館)所蔵の青銅製の牝狼像。高さ85cm。前5世紀のエトルスク彫刻の傑作。ウルカの様式に近い。狼の乳を吸って育った双児(ロームルスとレムス)によってローマが建国されたという伝説と結びついて、その下に幼い双児像がルネサンス時代、アントーニオ・デル・ポㇽライウオーロによって付け加えられた。
・出典元:新潮「世界美術辞典」
説明を見ただけでも、かなり歴史と深みを感じさせる像に思えてきませんか??
”前5世紀のエトルスク彫刻の傑作”という文が、より一層作品に深みを与えている感じがします。
”エトルスク彫刻”は、現在のイタリア中部(トスカーナ地方)を中心に存在していた都市国家の美術の事。独自の文化や美術を築いていたのですが、紀元前1世紀にローマに吸収されてしまいます。でも文化はしっかりと残り、ローマ美術にも大きな影響を与えたというわけです。
知らないで銅像を見るよりも、背景や神話を知ってから観た方がより作品の深みも増してくる。これぞ、美術をより楽しむ秘訣ですね。
余談ですが「乳を与えている牝狼」は、イタリアのセリエAに所属しているサッカーチーム”ASローマ”のシンボルにもなっています。サッカー好きなら、このシンボルを知っている人も多いと思います。でも理由まで知ってる人って、果たしてどれほどいただろうか??
少なくとも今回の話で、理由が明らかになったのではないでしょうか?
「ルーパロマーナ」は、日比谷公園のどこにあるの??
では、日比谷公園のどこに「ルーパロマーナ(ローマの雌狼)」があるのか?
日比谷公園の面積は約16.2ヘクタールあります。分かりやすい例で言えば、東京ドームの約12個分の広さです。こんなに広い場所から人間1人分の大きさの像を探すって、結構大変です!!実際私も最初はちょっと探すのに苦労しましたしね。
実際に行けば分かりますが、本当に分かりにくい場所に立っています。これほど重要な彫刻だというのに、木々や植物、岩に隠れるように立っているって…。もうちょっと目立つ場所に飾ってほしいものですね。
ちなみに、地図で示すと↓この場所になります。
グーグルマップのクチコミ件数は2件だけだったので、意外と「ルーパロマーナ」の存在を知らない人も多いって事でしょうか。せっかく私たちの身近に彫刻作品があるわけですから、見ないのは本当にもったいないと思います。
目印というわけではないですが、近くに「自由の女神像」があるのですぐに分かると思いますが…。とにかく屋外の公園にある像なので、晴れの日に見に行ってほしいと思います。
それから日比谷公園には、他にも見所があるのはご存知ですか??
例えば、上の画像になりますが「古代スカンジナビア碑銘譯(ひめいやく)」が見れたりします。これは北極航路開設10周年を記念して、スカンジナビアの人々より寄贈されたものだそうです。他にも置物やら様々あるので、探してみるのも楽しいと思います。もちろん公園ですから、あちこちに咲いている素敵な花々も見所!!日比谷公園は半日散歩してもいいくらい広大で、見所がたくさんあるのがイイですね。
それに東京駅からも近いですから、三菱一号館や出光美術館、東京国立近代美術館など、美術鑑賞も楽しめるのがイイ!立地的にも最高な場所だと思うので、ぜひ立ち寄ってほしいと思います。
実は日本で「カピトリーノの牝狼」が見れる!?
さて、今回「ルーパロマーナ(ローマの雌狼)」について話そうと思ったきっかけに、近々日本で「永遠の都 ローマ展」が開催するから。複製ですが、像「カピトリーノの雌狼」が展示されるからです。カピトリーノ美術館は世界で最古の美術館と言われているだけに、ここの所蔵作品が日本で見れるって本当に貴重な事だと思います。
【 永遠の都 ローマ展 】 (東京開催)2023年9月16日(土)~12月10日(日)まで、東京都美術館にて (福岡開催)2024年1月5日(金)~3月10日(日)まで、福岡市美術館にて |
私的に注目度大の展覧会「永遠の都 ローマ展」!
行く前の”心の準備”という訳ではないですが、まず日比谷公園に行って「ルーパロマーナ(ローマ牝狼)」を見るのもイイと思います。もちろん今回の話を参考に、観に行ってくれたら幸いですが。^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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