松岡美術館で「モネ、ルノワール 印象派の光」展を観てきました。

白金台にある「松岡美術館」

 

松岡美術館”でモネ、ルノワール 印象派の光展を観てきました。

 

そういえば、ここへ来るのは本当に久々って感じですね。

場所は港区白金台にあり、私のイメージでは良い意味で尖った美術館だと思っています。特にコレクションの質で言ったら、個性的で逸品揃い!といった感じでしょうか。実業家”松岡清次郎”氏の意向がモロに表れていて、こういった私立の美術館で観る印象派作品も、実にオモシロイ!白金台という立地と、個性色の強い作品を多く有する松岡美術館。ぜひ、行った事のない人は行ってほしいと思います。

 

今回は先日観に行ってきた「モネ、ルノワール 印象派の光」展について、簡単ですがレビューしていこうと思います。

 

 

白金台にある「松岡美術館」

松岡美術館(Matsuoka Museum of Art)

 

松岡美術館の基本情報と開催概要

・開館時間:10:00~17:00
 ※第一金曜のみ19:00まで(入館は閉館の30分前まで)
・休館日:毎週月曜日(祝日の場合は、翌平日が休館になります。)、展示替え期間、年末年始
・観覧料:一般は1,200円、25歳以下は500円、高校生以下は無料

※「モネ、ルノワール 印象派の光」展は展示室5・6にて、~2023年10月9日(月)まで開催

 

”国立”など大きな美術館を頻繁に行く人には、ちょっとこの美術館は新鮮に感じるかもしれない。私も久々だったので、本当に新鮮な感じでしたね。基本的に松岡美術館は、自身のコレクションで企画展を開催しています。他の美術館の様に作品を借りないわけで、そういった意味でも個性的で見ているだけでも楽しい!

もちろん今回の「モネ、ルノワール 印象派の光」展も例外ではなかったのです。

 

松岡美術館で開催の「モネ、ルノワール 印象派の光」展

自前の作品だけを展示する!それだけコレクションに自信があるからなんでしょうね。それは実際に見に行けば分かる事だと思います。事実、展示数の割に素敵な作品が多かったわけですから!

 

「サン=タドレスの断崖」(1867年)クロード・モネ

「サン=タドレスの断崖」(1867年)クロード・モネ

・54.0×79.5cm、カンヴァスに油彩、松岡美術館所蔵

例えば上のクロード・モネ(Claude Monet)の作品「サン=タドレスの断崖」も地味に素敵でした。(良い意味ですが^^)

これまでモネの作品は色々と観てきたつもりだけれど、まだまだ”初物”はたくさんあるんだな~と。1867年というと、モネがまだ20代中頃で新人の頃になります。情熱に溢れていたけれど、でも生活は苦しかった。そんな若かりし頃の作品と言った感じでしょうか。

 

「オレンジを積んだ船、マルセイユ」(1923年)ポール・シニャック

「オレンジを積んだ船、マルセイユ」(1923年)ポール・シニャック

・カンヴァスに油彩、松岡美術館所蔵

そして展覧会でも一際目を惹くポール・シニャック(Paul Signac)の「オレンジを積んだ船、マルセイユ」。

絵具は混ぜると、どうしても明るさ(彩度)が低くなってくる。外の明るい光を表現するには、点描の方が都合が良かったのがこの絵からも分かります。人間の目の錯覚を上手い具合に利用した事からも、いかに点描画が画期的な技法だったか!見れば観るほど、凄い作品だと思いませんか?

 

 

考え
て、今回の「印象派の光」展ですが、一つ注意してほしい点があります!

展覧会名では「モネ、ルノワール 印象派の光」となってはいますが、モネとルノワールの展示作品自体はごくわずかです。

クロード・モネに関しては、上の「サン=タドレスの断崖」と「ノルマンディの田舎道」、そして「エトルタの波の印象」の3点。ルノワールの作品は「ローヌの腕に飛び込むソーヌ」と「リュシアン・ドーデの肖像」の2点です。
「リュシアン・ドーデの肖像」は8月15日~の展示です。

モネやルノワールを目的で行くと、ちょっと物足りなさを感じるかもしれませんね。でも印象派を代表する画家たちの作品をつまみ食い!と考えたら実にイイ展覧会です。

 

「遊ぶ母と子」(1897‐98年)アンリ=エドモン・クロッス

「遊ぶ母と子」(1897‐98年)アンリ=エドモン・クロッス

・73.0×100.0cm、カンヴァスに油彩、松岡美術館所蔵

シスレーにアルマン・ギヨマン、それにアンリ・マルタンといった有名どころだけでなく、モーフラやルイ・ヴァルタ、エドモン・クロスなど知る人ぞ知る画家の作品も見れる!しかも、質のイイ作品ばかりが揃っているのが素晴らしい!実は展示している作品は、すべて松岡美術館のコレクションというのがまた凄い!

・「川辺(1895年)ルイ・ヴァルタ
・「水浴の女たち(1910年)ルイ・ヴァルタ
・「黄色い背景と大きな花瓶ルイ・ヴァルタ

特にマクシム・モーフラルイ・ヴァルタの作品は個人的にドハマりでしたね!

 

「黄色い背景と大きな花瓶」ルイ・ヴァルタ
↑こちらがルイ・ヴァルタの「黄色い背景と大きな花瓶」という作品。

個人的に明るい画風が好きなだけに、こういった鮮やかな色遣いの絵は実に素敵です。印象派を思わせる筆遣いと、でもフォービスムを(野獣派)を感じさせる荒々しさもある。ぜひ一度は見てほしい逸品です。

 

「キブロンの時化」(1903年)マクシム・モーフラ
↑「キブロンの時化(1903年)マクシム・モーフラ

展示数の割に素敵な作品揃い!なのが凄い。私が言うのもなんですが”センスがイイ!”としか言えませんね。もしかしたら、私と清次郎の感性って意外と似ているかもな~と。作品を見ながら、ふと思ってしまったのでした。^^

 

 

なみに、展覧会のパンフレットで気になる一文を見かけたので、ちょっと紹介したいと思います。

松岡美術館のパンフレット

人はどんなに偉くなっても、やがて忘れられる。そこへいくと、古代の第一級の美術品はずっと後世に残る。自分が集めたものを、未来の人々に鑑賞してもらう。これが私の夢ですよ。

・松岡美術館のパンフレット、松岡清次郎の言葉より

古代ギリシャの医師ヒポクラテスが由来となった言葉芸術は長く、人生は短しにも通じると思いませんか??

 

個人(私立)の美術館は、設立者や蒐集者の意思や意向がモロに表れる!国立など大きな美術館ではあまり味わえない醍醐味でもあると思います。もちろん松岡美術館の1階には、仏教彫刻など普段味わえない代物も結構あるので、かなり見所多しだと思います。

 

というか、エジプトの色彩木棺(神官パシェリエンイルアァの棺)ガンダーラの彫刻があるって…。ある意味凄いですよね。本当に良い意味で尖った美術館だと思います。

 

松岡美術館のガンダーラ仏教彫刻

松岡美術館のガンダーラ仏教彫刻 松岡美術館のガンダーラ仏教彫刻

 

松岡美術館の基本情報とアクセス

・開館時間:10:00~17:00
 ※第一金曜のみ19:00まで(入館は閉館の30分前まで)

・休館日:毎週月曜日(祝日の場合は、翌平日が休館になります。)、展示替え期間、年末年始

・観覧料:一般は1,200円、25歳以下は500円、高校生以下は無料

 


住所:東京都港区白金台5丁目12ー6

 

「松岡美術館」の端っこに居た動物の像 「松岡美術館」の途中で見かけた花

松岡美術館は最寄り駅でいうと、「目黒駅」や「白金台駅」になると思います。近くには、東京都庭園美術館もあるので一緒に行くのもイイと思います。ぜひ、たまには足を運んでみては!?

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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コメント

  1. 月末に行く予定です。記事もとても面白くて為になりました。
    ありがとうございました。

    • サダ
    • 2023年 7月 14日

    コメントありがとうございました。参考にしていただき、嬉しいです。ぜひ、楽しんできてください!

    • 飯岡優子
    • 2023年 8月 05日

    先日、見に行ってきました。

    暑さと平日ということもあり、とても空いていて、
    ひとつの作品を近づいたり離れたり、堪能できました。

    行って良かったです

    • サダ
    • 2023年 8月 05日

    コメントありがとうございます。じっくりと作品と向き合えるって、本当に最高ですよね!^^

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