切り絵がテーマ!? 国立新美術館で「マティス 自由なフォルム」展を観てきました。

国立新美術館で開催の「マティス 自由なフォルム」展

 

2024年の「マティス」展は、切り絵がテーマ!?

 

”昨年は大回顧展が開催したよな~”と思い返しながら、先日国立新美術館で開催したマティス 自由なフォルム」展に行ってきました。

 

チラシなどを見る限り、”切り絵”が目玉作品になっているそうで、”どうなのだろう?”と気になっている方も多いと思います。

実は私もそうで、何だかいつもの「マティス」展とはちょっと様相が違うな~と。

 

国立新美術館
というわけで今回は、私の率直な感想を交えながら、見所などについて話していこうと思います。

 

目次

「マティス 自由なフォルム」展の感想レビュー!
「マティス」展の開催概要とチケット、写真撮影について

参考になる部分もあると思うので、読んでもらえたら幸いですね。

 

 

 

「マティス 自由なフォルム」展の感想レビュー!

国立新美術館で開催の「マティス 自由なフォルム」展

ニースに遺した切り紙絵のあざやかな世界!

いつもの様に絵画がメインになるかと思いきや、今年の「マティス」展は何とも斬新な感じがしませんか!?

 

どんな感じなのだろう?”と疑問に思っている方も多いと思います。

 

「ブルー・ヌード IV」(1952年)アンリ・マティス

「ブルー・ヌード IV」(1952年)アンリ・マティス

・103×74cm、グアッシュで彩色、裁断した紙/白色のカンソン社製の紙に貼り付け

マティスは絵画だけでなく、彫刻や版画や切り絵など様々なアートを制作していたので、別に”切り絵”がテーマになっても不思議ではないけれど…。

 

でも、私の中ではちょっと意外でしたね。

果たして、どんな作品が展示されているのか??

 

・・・

私の考え
ず結論から言ってしまうと、思った以上に良かったという印象です!^^

前半は絵画や彫刻から始まり、後半になるにつれ版画やデッサン、切り絵、さらにはインスタレーションアート?もある。

展示作品としては結構多岐に渡っている感じです。切り絵がテーマとは言っても、マティスのアートが盛りだくさん!と言ったところでしょうか。

 

それに元々鮮やかな明るいアートが好きな私ですから、やっぱりマティスの芸術性は好きな部類になります。

ちなみに私が特に良かったのが、デッサンと”ロザリオ礼拝堂”。

おそらく最後の「ヴァンスのロザリオ礼拝堂」の再現展示に魅了された人も多いでしょうけど、個人的にはデッサンも非常にポイント高し!

何せ、マティスのセンスを存分に感じられるからです。

 

『別冊文藝春秋』※「マティス 自由なフォルム」展より
※文藝春秋出版の『別冊文藝春秋』より

マティスは鮮やかな色彩とデザインチックなアートが特徴なので、意外と忘れがちですが実は非常に絵が上手い芸術家です。

前半に展示されている絵画からも見て取れますが、一番分かりやすいには”デッサン”になるでしょうね。

 

1941年~1942年に描かれたデッサン160点に、ルイ・アラゴンの序文を付したデッサン集デッサン - テーマとヴァリエーションの一部が展示されていますが、個人的に釘付けでした。

今展ではあまりデッサンは注目されない様で、パッと見て終わってしまう人が多い様ですが、私的には立ち止まって観てほしい!

鮮やかな絵に比べれると映えはしませんが、マティスの絵のセンスが存分に感じられると思います。

私の様な素人が言うのもなんですが、マティスを語る上でデッサンは超必見だと!

 

 

「花と果実」(1952‐1953年)アンリ・マティス

「花と果実」(1952‐1953年)アンリ・マティス

・410×870cm、グアッシュで彩色、裁断した紙/白色のカンソン社製の紙に貼り付け、ニース市マティス美術館所蔵

そして後半からは、”切り絵”をベースとした展示が広がっていきます。

ちなみに上の「花と果実」ですが、4枚の花びらと3つの果実は、それぞれが基本単位になっているそうです。

つまり反復されて一つの画が構成されているわけです。それぞれの形態を変容したり、結合や配置換えする事が可能!おそらくこの形態が、今回の展覧会名”自由なフォルム”に繋がっているんでしょうね。

 

「陶の習作」(1953年)
・彩釉テラコッタ、ニース市マティス美術館所蔵

自由自在に組み換えが出来る!

自身の感覚をダイレクトに反映できるわけで、晩年マティスが切り絵という手法を多用していったのも納得です。

 

もちろん切り絵も、マティスの色の使い方やセンスを感じれると思います。

色の使い方というか、組み合わせ方と言った方が適切かもしれないけど、マティスが”色彩の魔術師”と言われるのも頷けます。

 

「蜜蜂」(1948年)アンリ・マティス
・101×240cm、グアッシュで彩色、裁断、貼り合わせた紙/厚紙に糊付け

 

 

黒色のマケット(Maquette) ※「マティス 自由なフォルム」展より

こちらはマティスが手掛けた司祭の服のデザインです。

ちなみにマケット(Maquette)は、模型やひな形という意味。マティスは芸術家でありながら、デザイナーでもあったというわけです。

 

緑色のマケット(Maquette) ※「マティス 自由なフォルム」展より

何だか私でも描けそう!と思ってしまうけれど…。

でも妙にセンスの高さを感じてしまうのは不思議ですね。

 

 

「ヴァンスのロザリオ礼拝堂(内観)」 ※「マティス 自由なフォルム」展より

そして最後は「ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂」を再現した展示がされていました。

光の移り変わりによって、ステンドクラスが何とも言えない美色を見せてくれる!

例えるなら”光のインスタレーション”と言った感じでしょう。

もちろんステンドグラスは、マティスが晩年に切り絵を応用してデザインしたものです。

 

「ステンドグラス≪生命の木≫のための習作」(1950年)アンリ・マティス

「ステンドグラス≪生命の木≫のための習作」(1950年)アンリ・マティス

・ガラス工:ポール・ボニ、鉛で接合された色付き透明すりガラス、ニース市マティス美術館所蔵

 

「ヴァンスのロザリオ礼拝堂(内観)」 ※「マティス 自由なフォルム」展より

時間と共に変化する光と、照らされるステンドグラスが何とも美しい!

マティスのデザインや色遣いは、ステンドグラスとも非常に相性がいい様ですね。

単純にステンドグラスを展示されるより、こうやって体感型にされる方がより実感できるというもの。そういった意味でも、インスタレーション的に展示された”ロザリオ礼拝堂”は純粋に嬉しいですね。

 

こで参考として、you tube動画も挙げてみようと思います。

見ながら雰囲気を味わってみるのもイイと思います。

 

 

「星形のある背景の聖母子」(1949年)アンリ・マティス

「星形のある背景の聖母子」(1949年)アンリ・マティス

・110×200cm、筆と墨/クラフト紙に糊付けしたベラム紙、ニース市マティス美術館所蔵

というわけで、多様な展示とマティスのセンスを感じる事が出来たので、私的には思った以上に良かった「マティス」展でした。

少なくとも、色のセンスを磨きたい人にとっては、参考になる展覧会だと思っています。

興味のある方は、ぜひ足を運んでみるのもイイと思います。

 

そういえば今回の「マティス」展ですが、グッズも素敵なものが結構ありました。

マティスが使っていたパレットをモチーフにしたノートは特にユニーク!行った際は、チェックしてみては?

 

 

 

「マティス」展の開催概要とチケット、写真撮影について

国立新美術館

興味のある方は、ぜひ日程と場所をチェックして、行ってみるのもイイでしょう!

 

なみに、開催概要ですが…

マティス 自由なフォルム開催概要

・会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)まで
・場所:国立新美術館企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)

・休館:毎週火曜日、4月30日(火)は開館します。
・時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで

 

チケット・混雑状況

チケットについて

観覧料
・当日券:一般は2,200円、大学生は1,400円、高校生は1,000円。
・前売券:一般は2,000円、大学生は1,200円、高校生は800円。

休日でもそこまで並ばないと思うので、現地で当日券を購入する事も出来ます。

ただ今回の展覧会は、時間指定制ではないので、行く予定でいるなら事前に購入しておいてもイイかと思います。

 

写真撮影について

前半は撮影不可になっていますが、4章辺りから撮影がOKになっています。

周りの人の迷惑にならない程度で、撮影も楽しみながら鑑賞してほしいと思います。

 

 

という感じで、いつもとちょっと違ったアンリ・マティスを垣間見れると思うので、気になる方は行ってみるのもイイかと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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