『北欧の神秘展 ~ノルウェー・スウェーデン・フィンランド絵画』を観てきました。

SOMPO美術館で開催の『北欧の神秘』展

 

新宿にあるSOMPO美術館北欧の神秘』展を観てきました。

 

北欧…、つまり北ヨーロッパを指すわけですが、今回の展覧会はノルウェーとスウェーデン、そしてフィンランドにある国立美術館の作品から構成されている様です。

普段なかなかお目にかかれない画家ばかりで、しかも神秘性溢れた作品が集められたとなれば、そりゃあどんな感じなのか気になるもの。

自称”美術通”を称する私目線で、「北欧の神秘展」の内容についてレビューしていこうと思います。

 

今後は長野や滋賀、静岡と巡回開催する展覧会なので、気になる方はぜひ参考にしてもらえたら幸いですね。

 

目次

「北欧の神秘展」の感想レビュー
SOMPO美術館の「北欧の神秘展」の開催概要
東京開催後の巡回場所と日程

 

 

 

「北欧の神秘展」の感想レビュー

SOMPO美術館で『北欧の神秘』展を観てきました。

個人的に今回の『北欧の神秘』展は楽しみにしていました。

なぜか??

日本で北欧の画家はなかなかお目にかかる機会がないからです。それだけに、どんな作品が見れるのだろう?と気になるのは美術好きの性というもの。

 

いうわけで、私が気になった作品を挙げながら、展覧会の様子について触れていこうと思います。

 

「踊る妖精たち」(1866年)アウグスト・マルムストゥルム

「踊る妖精たち」(1866年)アウグスト・マルムストゥルム

・90×149cm、カンヴァスに油彩、スウェーデン国立美術館所蔵

まず挙げたいのが、アウグスト・マルムストゥルム(August Malmström )の作品「踊る妖精たち」です。

実は私の第一印象ですが、”何だか不気味だな~”と。

作品名があるから神秘的に思えるわけで、神秘と不気味ってある意味”紙一重”なのかもしれないですね。

とにかく私はよく知らない画家だったのですが、こうやって新たな発見があるのも展覧会の醍醐味でしょうか。

 

「滝のある岩場の景観」(1859年)マルクス・ラーション

「滝のある岩場の景観」(1859年)マルクス・ラーション

・78×124cm、カンヴァスに油彩、スウェーデン国立美術館所蔵

これはマルクス・ラーション(Marcus Larson)で、見て分かる通りドラマチック劇的)な作品です。

非常に写実的で、でも物凄く迫力も感じられる。個人的に楽しみにしていた画家の一人で、こうやって間近で観れるのは、やっぱりイイものですね。

 

「ストックホルム宮殿の眺め、冬」カール・ステファン・ベンネット

「ストックホルム宮殿の眺め、冬」カール・ステファン・ベンネット

・45.5×58.5cm、カンヴァスに油彩、スウェーデン国立美術館所蔵

これはカール・ステファン・ベンネット(Carl Stefan Bennet)の作品です。

月明かりに照らされた夜の雪景色が絶妙に素敵です。

 

 

てSOMPO美術館で開催の『北欧の神秘』展ですが、4階の展示フロアに関しては撮影が可能になっています。(動画映像の撮影は不可)

私が前々から楽しみにしていたキッテルセンの作品も展示しているフロアなので、何とも嬉しい感じですね。

 

「アスケラッドとオオカミ」(1900年)テオドール・キッテルセン

「アスケラッドとオオカミ」(1900年)テオドール・キッテルセン

・45.5×68.5cm、カンヴァスに油彩、ノルウェー国立美術館所蔵

テオドール・キッテルセン(Theodor Kittelsen)はノルウェーを代表する画家の一人で、特に伝説や妖怪などを描かせたら右に出る者はいないと思っています。

個人的にキッテルセンの作品を見ていると、ふとムーミン谷を彷彿とされるのですが、こう感じるのは僕だけだろうか?

 

「トロルのシラミ取りをする姫」(1900年)テオドール・キッテルセン

「トロルのシラミ取りをする姫」(1900年)テオドール・キッテルセン

・45.5×68.5cm、カンヴァスに油彩、ノルウェー国立美術館所蔵

今回の目玉になっている作品「トロルのシラミ取りをする姫」です。

キッテルセンはトロルなどの怪物?や、ペストの脅威を表現した作品も多く描いています。西洋画でもこれほど怪物を描いた画家も珍しいかと。

 

『北欧の神秘』展にて

 

「五の間」(1902‐1904年頃)ガーラル・ムンテ

「五の間」(1902‐1904年頃)ガーラル・ムンテ ※『北欧の神秘』展にて

 

ガーラル・ムンテ(Gerhard Munthe)は自然主義的風景画、後半は神話や民話をとり入れた作品も多く手掛けた画家です。

 

「帰還するオースムンと姫」(1902‐1904年頃)ガーラル・ムンテ

「帰還するオースムンと姫」(1902‐1904年頃)ガーラル・ムンテ  ※『北欧の神秘』展にて

 

この壁画的装飾画?の様な作品は、個人的にドハマりな感じでしたね。

・ガーラル・ムンテ(Gerhard Munthe) 1849~1929年、ノルウェー出身の画家。

 

「山の中の神隠し」(1928年)ガーラル・ムンテ

「山の中の神隠し」(1928年)ガーラル・ムンテ ※『北欧の神秘』展にて

 

 

れから…

「フィヨルドの冬」(1915年)エドヴァルド・ムンク

「フィヨルドの冬」(1915年)エドヴァルド・ムンク ※『北欧の神秘』展にて

 

「叫び」で有名なムンクの作品も展示されていました。

個人的に精神的に病んでいるイメージが強いだけに、ムンクの風景画は何とも新鮮な感じがしますね。

 

 

「ストックホルムの水辺の冬景色」(1899年)アルフレッド・バリストゥルム

「ストックホルムの水辺の冬景色」(1899年)アルフレッド・バリストゥルム

・81.5×110.6cm、カンヴァスに油彩、スウェーデン国立美術館所蔵

そらから後半で特にイイな~と思った作品が、アルフレッド・バリストゥルム(Alfred Bergström)の「ストックホルムの水辺の冬景色」という作品です。

バリストゥルムはスウェーデン出身の画家で、後に短い間ですがスウェーデン芸術家協会の会長も務めた人物です。

冬の風景画は得意とした題材で、雪の描写が何とも素敵ですね。

 

 

「街」(1903年)アウグスト・ストリンドバリ

「街」(1903年)アウグスト・ストリンドバリ

・94.5×53cm、カンヴァスに油彩、スウェーデン国立美術館所蔵

それから、ぜひ要チェックな画家が”アウグスト・ストリンドバリ(August Strindberg)”です。

筆のタッチといい、一度観たら頭から離れない独特な画風は必見です。

何より、薄黒い空をメインに描いた構図がオモシロイ!

神秘的という感じはなく、どちらかと言えば薄気味悪いといった感じの作品でしょうか。

ストリンドバリは画家としてよりも、作家(もしくは劇作家)としての活躍の方が際立っているでしょうか。しかも私生活ではオカルトにハマった人物だけに、表現された絵も実に独特というかなんというか…。

さて余談になりますが、国立西洋美術館にアウグスト・ストリンドバリの「地獄」という作品が所蔵されています。『常設展』で展示される事も多いので、もし興味のある人は行ってみてもイイでしょうね。

 

SOMPO美術館
という感じで、普段見る西洋画とは一味も二味も違った展覧会『北欧の神秘』展でした。

展覧会名にもある”神秘”に非常にピッタリな画家”キッテルセン”の作品もイイですし、ガーラル・ムンテの装飾的な作品もオモシロイ!

日本ではなかなかお目にかかれない画家や、個性溢れる作品も数多くあるので、興味のある方はぜひ行ってみるのもイイと思います。

 

SOMPO美術館では、2024年6月9日まで開催されるので、ぜひ!!

 

 

 

SOMPO美術館の「北欧の神秘展」開催概要

SOMPO美術館で開催の『北欧の神秘』展

さて、東京開催となるSOMPO美術館の開催概要は以下の通りです。

 

北欧の神秘展の開催概要

・会期:2024年3月23日(土)~6月9日(日)
・場所:SOMPO美術館にて(東京都新宿区西新宿1-26-1)

・開館時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで
・休館日:月曜日 ※4月29日、5月6日は開館

・観覧料:一般は1,600円、大学生は1,100円、小中高・障がい者手帳持参者は無料
 ※事前購入券:一般は1,500円)、大学生は1,000円

 

チケットについて

当日窓口での購入も可能ですが、事前にネット上で購入をおススメします。

一般、大学生の観覧料共に100円割引になるからです。

 

写真撮影について

SOMPO美術館では5階~3階の3フロアに展示されていますが、4階に関しては撮影OKになっています。(動画映像フロアの撮影は不可)

 

 

 

東京開催後の巡回場所と日程

美術館でのチケット購入

東京開催後は、各地で巡回開催予定になっています。

 

北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画開催概要

長野県開催)

・会期:2024年7月13日(土)~9月23日(月)
・場所:松本市美術館にて(長野県松本市中央4-2-22)

 

滋賀県開催)

・会期:2024年10月5日(土)~12月8日(日)
・場所:佐川美術館にて(滋賀県守山市水保町北川2891)

 

静岡県開催)

・会期:2025年2月1日(土)~3月26日(水)
・場所:静岡市美術館にて(静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3階)

 

興味のある方はぜひ日程を確認の上行ってみはどうでしょうか!?

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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