- 2024-11-2
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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今回は私が思う名画!を、1点紹介したいと思います。
国立西洋美術館に所蔵されている”フュースリ(Fussli)”の大作です。
【 話の流れ 】 ・フュースリの「グイド・カヴァルカンティの亡霊とテオドーレ」 |
フュースリの「グイド・カヴァルカンティの亡霊とテオドーレ」
最初は不気味だな~と思っていたものの、でも毎回観ていると親密感さえ生まれてくるもの。
別に愛らしいとかではなく、純粋に”凄い作品だな!!”と。
これこそ、俗に言う”名画”というものでしょうか。
普段は国立西洋美術館の「常設展」で展示されているので、目にした人もいるかと思います。
ヨハン・ハインリヒ・フュースリの大作!!
「グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ」です。
・276×317cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵
この何とも言えない”おどろおどろしい感じ”!!
どことなく不気味で、全く救いようのない感じにいつも目が奪われてしまいますね。
しかも作品が大きいからか、迫力も物凄い!!(3メートル近い高さですから、これは写真と実物では大違いです。)
最初の頃は不気味~と思っていたものの、でもさすがに毎回観ているからか!?
現在では国立西洋美術館を象徴する”隠れた名画”だと思っていますが。
…というか、”正真正銘の名画”と呼んでも間違いない存在ですね。
描かれている人物について解説!
まずは、描かれている人物から話す必要がありそうですね!
フュースリの「グイド・カヴァルカンティの亡霊とテオドーレ」は、詩人ジョン・ドライデン(John Dryden)の「テオドーレとホノーリア」が元になっています。
つまり物語の一場面を絵画で表現した作品です。
まず上の絵分から…
左に描かれている人物は、身分違いで”ホノーリア”にフラれた青年”テオドーレ(Theodore)”
そして馬に跨っている人物が”グイド・カヴァルカンティ”
この男性もテオドーレと同じくホノーリアにフラれた男性です。でも大きく違うのは、もう死んでいて”亡霊”になっているという点です。
自殺し、亡霊の姿になっても恨みは消える事はなく、復讐しにやって来たというわけです。
それと、右に描かれている女性がホノーリア。
復讐しにやって来た”グイド・カヴァルカンティ”と、けしかけられた犬によって襲われている場面が描かれています。
こうした復讐の場面をデカデカと描くなんて!!
フュースリの人間性を疑いたくもなりますが、でもこれこそ”ロマン主義”とも言えるでしょう。
とにかく、私にとっては”名画”と呼ぶにふさわしい大作ですね!
国立西洋美術館が所蔵するに至った経緯…
大作「グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ」がコレクション化した経緯は、昭和58年(1983年)に開催した「ハインリヒ・フュースリ展」がきっかけです。この年に購入し、コレクションの仲間入りをしたという流れです。
それにしても、国立西洋美術館がこの絵を購入するなんて…。
私が思うに、相当な使命感と覚悟を持って購入しただろうと。
ロマン派でも異色と言われる作品で、フュースリの代表作なのは分かるけれど、それでもここまで不気味な絵をコレクション化するなんて…。
・276×317cm、カンヴァスに油彩、国立西洋美術館所蔵
でも今思うと、この絵を購入したのは大正解!!でしょうね。
少なくとも私にとっては”傑作”の一つでもあるし、何より国立西洋美術館を代表する隠れた名画に間違いないわけですから。
ちなみに描いた人物”フュースリ(Fussli)”ですが、本名はヨハン・ハインリヒ・フュースリ(Johann Heinrich Fussli、1741年ー1825年、)
スイス出身の画家で、主にイギリスを中心に活躍した画家です。
代表作に「夢魔」があり、こちらはかなり有名なので見た事のある人も多いでしょうね。
大作「グイド・カヴァルカンティの亡霊~」は、フュースリ自身の体験が根底にある!と解釈する専門家もいますが、果たして真相はどうなのだろうか!?
とにかく物語の内容理解や想像力がないと描けない代物だと思うので、傑作には違いないけれど…。
それでも、見れば観るほどフュースリの人間性を疑いたくなってしまう。
こう思わせるだけでも、この絵が”名画”なのは間違いないでしょうね!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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