フランスの美しき時代”ベル・エポック”について解説!

「ベル・エポック ー 美しき時代」展の図録表紙より

 

ロートレックを好きな人なら、一度は耳にした事があるだろうと思います。

フランス語で美しき時代を意味する言葉ベル・エポックです。

 

今回は先日観に行った「ベル・エポック ー 美しき時代の様子も交えながら、私視点の表現で解説していこうと思います。

 

目次

”ベル・エポック”の意味と代表作品
「ベル・エポック ー 美しき時代」展を簡単レビュー

 

 

 

 

”ベル・エポック”の意味と代表作品

「ベル・エポック ー 美しき時代」展の図録表紙より

早速ベル・エポック(Belle Epoque)について調べてみたものの…

とはいえ、厳密な定義というか時代区分はない様です。

一般的には19世紀末~第一次大戦までの、パリが繁栄した時代を指す事が多い様です。

 

ベル・エポック(Belle Epoque)

…フランス語で美しい時代、もしくは古き良き時代を意味する。
ヨーロッパで興った産業革命と、1900年に開催されたパリ万国博覧会をきっかけに、芸術を中心とした華々しい文化を指す総称。

この時期は経済的な繁栄だけでなく、芸術や文学、科学に工芸と様々な文化面にも影響が及んでいました。

つまり”ベル・エポック”は、経済や芸術の分野で最も華々しく輝いていたフランスを指すわけですね。

 

 

時代背景も交えて解説すると…

解説

19世紀中頃までフランスは不安定な時代をたどっていました。普仏戦争による敗北とパリ・コミューンによる動乱によって、フランス国内は非常に荒れていたわけです。

それから産業改革の進展もあり、フランスは経済的にも大きな繁栄を遂げていきます。もちろんこの流れは芸術やファッション、科学など様々な分野にまで及んでいった。

特にパリ万国博覧会が開催された1900年は、フランス繁栄の最盛期だったとも言われている程です。

 

「Olympia(オリンピア)」(1892年)ジュール・シェレ

「Olympia(オリンピア)」(1892年)ジュール・シェレ / 120×80cm、リトグラフ

 

さて、この時期に活躍していた芸術家といえば、真っ先に名が挙がるのが”ジュール・シェレ(Jules Cheret)”です。

ロートレックに多大な影響を与えた芸術家でもなり、”現代ポスター・アートの父”とも言われる程だから。

観ても分かる通り、華やかな作風は”これぞ!ベル・エポック”といった感じです。

明るく華やかな雰囲気もさることながら、作品から感じられる当時のファッションや文化の高さ。観ているこちら側も楽しくなってくるのも大きな魅力でしょうね。

 

「キャピュシーヌ大通り」ジャン・ベロー

「キャピュシーヌ大通り」ジャン・ベロー / 50.8×73cm、カンヴァスに油彩

これはフランスの画家”ジャン・ベロー(Jean Beraud)”の作品。

ベル・エポック時代に、パリの街並みを描いた画家で知られる画家です。

当時のフランスがいかに美しく楽しい時代だったか…

もちろん作品に描かれている華やかさの裏側には、貧困といった側面もあったでしょう。それでもフランスが経済的にも文化的にも繁栄していたというのは紛れもない事実。

こんな風に、一枚の作品から当時の時代背景が読み取れるのもオモシロイですね。

 

 

 

 

「ベル・エポック ー 美しき時代」展を簡単レビュー!

パナソニック汐留美術館で開催の「ベル・エポック ー 美しき時代」展より

先日パナソニック汐留美術館ベル・エポック ― 美しき時代を観てきました。

 

フランスが最も繁栄し、文化的にも華やかな時代”ベル・エポック”の作品を中心に取り上げた展覧会でした。

そんなわけで、展示内容は実に多彩で多様!!

絵画やポスター、工芸やファッション。どれもが華やかでオシャレで、観ているこちらも何だか楽しくなってくるから不思議です。

 

アンリ=ガブリエル・イベルスの挿絵付き上演目録 ※「ベル・エポック ー 美しき時代」展の様子
・アンリ=ガブリエル・イベルスの挿絵付き上演目録 ※「ベル・エポック ー 美しき時代」展の様子

これはパナソニック汐留美術館の「ベル・エポック ― 美しき時代の第3章の様子です。
※ちなみに第3章は、撮影が可能になっていました。

純粋に明るい作風は、観るだけでもワクワクしてくるから良いですね。^^

 

アンリ=ガブリエル・イベルスの挿絵付き上演目録 ※「ベル・エポック ー 美しき時代」展の様子

鮮やかな色彩やオシャレな感じ。当時のファッション性もあるだろけど、純粋にデザイン性の高さが根底にあるからでしょうね。

リトグラフという版画は、すでに前からあった技術ではあったけれど、ここまで頻繁に制作されるようになったのは、当時のメディアとの関係が大きい様です。

広告やポスター、印刷物との相性が抜群に良かったわけですね。

 

「ムーラン・ルージュ」(1889年)ジュール・シェレ

「ムーラン・ルージュ」(1889年)ジュール・シェレ / 59.5×40.0cm、リトグラフ

 

何度観ても思いますが、実にワクワクしてきます。^^

特にジュール・シュレはその最たる例です。近代ポスターの父と言われるのも頷けます。

もちろん作風からも分かるでしょうが、ロートレックにも多大な影響を与えたりしました。

 

知名度的にはトートレックの方が上かもしれないけど、ベル・エポック期を代表する芸術家としては忘れてはいけない人物。というか、ベル・エポックを象徴する人物と言ってもイイかと思います。

 

それから、地味に嬉しいのが工芸品の展示も捨てがたい!!

アール・ヌーヴォーを代表する工芸家”エミール・ガレ”や、ガラス工芸などでよく知られる”ルネ・ラリック”の作品も展示されているのは嬉しい!!

確かに言われてみるとそうですが、ガレもラリックもベル・エポック期に活躍した芸術家たちなんですよね。

単にアートだけに限った展示になっていないのが嬉しいですね。

 

※「ベル・エポック ー 美しき時代」展の様子

ここで紹介しているのは展覧会のほんの一部。

アートやファッション、工芸と様々な展示がされていたので、個人的には思った以上に充実度でした。

欲を言えば、もっと観たい!というのはありますが…。
(というか、芸術好き人間ですから、こればっかりは仕方のない事ですね。)

というわけで、興味のある方はぜひ行ってほしいと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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