- 2025-3-2
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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東京駅の駅前広場に、両手を大きく広げた像が建っているのはご存知ですか!?
これは横江嘉純さんの彫刻作品”愛の像(アガペー)”です。
隅っこにひっそりと建っているので、意外と素通りしている人も多いと思います。
でも、せっかく東京駅に立ち寄ったなら、見逃すのは実に勿体ない!
観ているだけで、愛に包まれた感覚に浸れるからです。
さて、この彫刻が設置されたのは2017年12月の事でした。
正確に言えば、”再設置”と言った方が正しいかもしれませんね。
というのも最初に設置されたの、昭和30年の11月だったからです。その後東京駅舎の改修工事の影響で2007年に撤去、そして完成に伴って2027年に再設置されたという経緯があるのです。
ところで、「愛の像」の下に”ἀγάπη(アガペー)”という見慣れない文字があると思います。
実はこれはギリシア文字で、「神の人間に対する無償なる愛」を意味しているそうです。
つまりは、見返りなどを求めない、無限なる愛と言った方が分かりやすいでしょうか。
実はこの彫刻を制作した横江嘉純さんも、経緯を調べていくと”見返りを求めないで制作”したそうです。
昭和28年に出版された「世紀の遺書」の売り上げの一部で制作されたわけですが、実際は材料費に充てられているので、横江嘉純さんは”無償による奉仕”で制作したと言われています。
※横江嘉純:1887年(明治20年)生 ー 1962年(昭和37年)没。 日本の彫刻家。
つまり”アガペー的精神で「愛の像(アガペー)」が造られた”と言っても過言ではないわけです。
造られた経緯を探っていくと、より作品に深みも感じられてきませんか!?
これは私の持論になりますが、作品には製作者の思いやメッセージも含まれていると思っています。それだけに「愛の像」からは、本当の意味で”無償なる愛”が感じられるわけです。
しかも東京駅の駅前に建っているのに、あえて主張することなくひっそりと建っている点からも、”アガペー的精神”を感じてしまうのは私だけだろうか!?
普段それなりに忙しい生活を送っている私たちにとって、この”愛の像”は心に救いを与えてくれている様にも感じられる。
特に東京駅は毎日多くの人たちが世話しなく行き交っていますしね。
時にはちょっと足を止めて、この「アガペー」を対面するのもイイかと思います。
というわけで東京駅に行く際は、ぜひ見逃すことなくする目に収めてほしいですね。^^
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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