黒線の芸術「デューラーの木版画」は、地味に凄い!です。

国立西洋美術館で開催の小企画展『物語る黒線たち - デューラー「三大書物」の木版』展

 

地味に凄い!とは、こういった芸術を言うんでしょうね!

 

国立西洋美術館でデューラーの木版画展『物語る黒線たち:デューラーの「三大書物」』を観てきました。

個人的には、かなり見応え有!でした。
(2026年の2月15日(日)までの開催)

”木版画”という黒だけの芸術で、これ程魅入ってしまうのは、おそらくアルブレヒト・デューラー以外にいないのではないでしょうか!?

 

今回は私的におススメ!「デューラーの木版画」展について話していこうと思います。

 

目次

デューラーの木版画展「物語る黒線たち」をレビュー!
「物語る黒線たち」の開催概要

 

 

 

 

デューラーの木版画展「物語る黒線たち」をレビュー!

国立西洋美術館で開催の小企画展『物語る黒線たち - デューラー「三大書物」の木版』展

人的な感想になりますが、地味に凄い!とは、こういった芸術を言うのだろうと思います。

デューラーの木版画は、西洋美術の中でも別格だと思っていて、他の追随を許さないほどの芸術だと思っています。

つまり、木版画だからといって侮ってはいけない!!わけです。

 

小企画展『物語る黒線たち - デューラー「三大書物」の木版』展より

さて今展の展示構成ですが、デューラーの代表作3シリーズが一挙公開!という内容です。

代表作『黙示録(ラテン語版再版』)と『大受難伝』、そして『聖母伝』の3シリーズで、しかもすべてが展示という充実ぶり!

これらがすべてを国立西洋美術館が所蔵しているの凄いですが、何よりデューラーの木版画に着目しているのもシブい!

個人的にはかなり見ごたえのある内容だったと思います。

 

小企画展『物語る黒線たち - デューラー「三大書物」の木版』展より
特に良かったのが連作『黙示録』で、私は食い入るように魅入ってしまいました。^^

上の作品は「四人の騎士『黙示録』」で、今展の看板作品にもなっています。

構図の迫力や緻密な線の描写、黒線だけでこれほどの表現が出来るって、本当にデューラーってスゲ~!って。
(凄いしか表現できない自分の表現力にちょっと呆れながら…)

 

「四人の騎手『黙示録』より」アルブレヒト・デューラー

「四人の騎手『黙示録』より」(1497-98年頃)アルブレヒト・デューラー

・木版画、39.6×27.9cm (※Public Domain画像)

これは実際に展示されているものではありませんが、参考として載せてみました。

木版画とはいえ、非常に線の描写が緻密で繊細なのが分かると思います。

 

「書物をむさぼり喰う聖ヨハネ『黙示録』より」(1497-98年頃)アルブレヒト・デューラー

「書物をむさぼり喰う聖ヨハネ『黙示録』より」(1497-98年頃)アルブレヒト・デューラー

・木版画、39.5×28.5cm (※Public Domain画像)

連作『黙示録』は1498年に制作された、デューラーが工房と立ちあげてからすぐの作品。

これによって一躍名を広めたわけですから、紛れもなくデューラーの代表傑作と言っても過言ではないですね。

 

「キリストの降誕『聖母伝』より」(1502-03年頃)アルブレヒト・デューラー

「キリストの降誕『聖母伝』より」(1502-03年頃)アルブレヒト・デューラー

・木版画、29.5×21.0cm (※Public Domain画像)

30cm四方にも満たない画に、これでもかというくらいの線の描写。

これは肉眼で観るのもイイですが、個人的にはルーペ必須!だと思っています。

 

「このひとを見よ『大受難伝』より」(1498年頃)アルブレヒト・デューラー

「このひとを見よ『大受難伝』より」(1498年頃)アルブレヒト・デューラー

・木版画、39.5×27.9cm (※Public Domain画像)

というわけで、興味のある方はぜひ観てほしいと思います。

個人的に必見!の展覧会だと思うので、興味のある方はぜひ国立西洋美術館に!!

場所は国立西洋美術館の常設展内”版画素描展示室”で、2026年2月15日まで開催しています。

 

考として、

デューラー、アルブレヒト(Albrecht Dürer)1471.5.21ー1528.4.6

ドイツの画家、版画家、または美術理論家。

~ 金細工師の父、次いでヴォールゲムートに学び、1490ー94年ライン上流地域などに修業時代を送り、また活版本の木版挿絵画家として活動。1494年いったん帰国して結婚後直ちにヴェネツィアへ赴き、イタリア版画のほかルネサンス美術を研究。95年帰郷して工房活動を開始。ザクセン選挙侯ほかのため祭壇画などを制作。1498年連作木版画集『黙示録』により汎欧的名声を得、イタリア美術などにも多大な影響を及ぼした。~

・出典元:『新潮 世界美術辞典』より、一部抜粋&参考

 

 

 

 

「物語る黒線たち」の開催概要

Ticket(チケット)

て、肝心の開催概要は以下になります。

 

物語る黒線たちデューラー「三大書物」の木版画の開催概要

・会期:~2026年2月15日(日)まで
・場所:国立西洋美術館の版画素描展示室(常設展示室内)

・時間:9:30~17:30(金・土曜は20:00まで) ※入館は閉館の30分前まで

・休館:11月4日、11月25日、12月28~2026年1月1日、1月13日  (ただし11月3日、11月24日、1月12日、2月9日は開館します。

・観覧料:一般は500円、大学生は250円
 ※常設展の観覧券、もしくは企画展「オルセー美術館所蔵  印象派- 室内をめぐる物語」の観覧当日に限り、同展観覧券で観覧可能。

 

個人的な鑑賞ポイントになりますが、版画を鑑賞する際はルーペの持参をおススメ!

特にデューラーの版画を存分に楽しむなら、必須のアイテムだと思っています。

 

国立西洋美術館の「カレーの市民(Burghers of Calais)」
デューラー木版画展「物語る黒線たち」は、2026年2月15日までの開催になっています。

興味のある方は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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