森アーツで「キース・へリング展 -アートをストリートへ」を観てきました。

「キース・へリング展 アートをストリートへ」を観てきました。

 

先日、六本木の森アーツセンターで、キース・へリング展 アートをストリートへを観てきました。

 

つい最近だとユニクロともコラボしていたりと、けっこう馴染みのある芸術家”キース・へリング(Keith Haring)

一見”落書き”に見える時もあれば、でもアーティスティックでもある。この独特なデザインと奥深さは、私が思うに唯一無二の代物だと思っています。

今回は「キース・へリング展」の様子を交えながら、私の感想レビューをしていこうと思います。

 

六本木ヒルズ森タワー

また2024年は各地で巡回開催するので、行く予定の人は参考にしてもらえると嬉しいですね。

 

目次

「キース・へリング展 アートをストリートへ」の感想レビュー!
「キース・へリング展」の見所・鑑賞のポイント

六本木の「 キース・へリング展」開催概要とチケット・撮影
その後の「 キース・へリング展」巡回情報

 

 

 

 

「キース・へリング展」の感想レビュー!

「キース・へリング展 アートをストリートへ」の様子

ずは、「キース・へリング展」の様子からレビューしていこうと思います。

 

今回は入場時にスタッフの人から説明があると思いますが、最後の章以外は基本的に撮影OKになっています。

元々キース・へリングは”アートはみんなのために!”という芸術観を持っていたのは結構有名な話。そういった考えが今回の撮影OKにも繋がっているんでしょうね。

何とも素敵な考えだと思いませんか!?^^

 

「サブウェイ・ドローイング(Subway Drawing)」 ※「キース・へリング展」より
・「サブウェイ・ドローイング(Subway Drawing)」チョーク、紙

 

「サブウェイ・ドローイング(Subway Drawing)」 ※「キース・へリング展」より
・「サブウェイ・ドローイング(Subway Drawing)」チョーク、紙

アートはみんなのために!

この芸術観が根底にあるから、サブウェイ・ドローイングが生まれたのかもしれないですね。

 

サブウェイ・ドローイング(Subway Drawing)

キース・へリングが1980~85年の約5年の間に、ニューヨークにある地下鉄駅構内で制作した作品。俗に”サブウェイ・ドローイング”と言われ、へリングが一躍注目を浴びるきっかけになったアートです。

ヘリングは開いた広告版に貼られた黒い光沢のない紙に絵を描くアイディアがひらめき、近くの文房具店でチョークを買って描いたのがきっかけと言われています。多い時には1日40点近くも描いた事もあったとか。

・「キース・へリング展 アートをストリートへ」の解説文一部参考

 

 

「無題(Untitled)」 ※「キース・へリング展」より
・「無題(Untitled)」(1988年)アクリル、拡大した写真、キャンバス

 

「フラワーズ シリーズ(Flowers)」(1990年) ※「キース・へリング展」より
・「フラワーズ シリーズ(Flowers)」(1990年)シルクスクリーン、紙

 

「無題(Untitled)」(1983年) ※「キース・へリング展」より
・「無題(Untitled)」(1983年)シルクスクリーン、紙

 

「アンディ・マウス(Andy Mouse)」(1986年) ※「キース・へリング展」より
・「アンディ・マウス(Andy Mouse)」(1986年)シルクスクリーン、紙

これは第3章で登場する「アンディ・マウス」という絵(アート)です。

ポップ・アートの巨匠と言われる”アンディ・ウォーホル”と、子供時代に好きなキャラクター”ミッキー・マウス”をかけ合わせた作品。共にヘリングの好きなものを合体させた融合作!

 

・「アンディ・マウス(Andy Mouse)」(1986年) ※「キース・へリング展」より
・「アンディ・マウス(Andy Mouse)」(1986年)シルクスクリーン、紙

観ているだけでも、何だかワクワクしてきてしまう。^^

個人的に「アンディ・マウス」は、今展一番のお気に入り作品です。

 

「キース・ヘリング:84年へ」(1983年) ※「キース・へリング展」より
・「キース・ヘリング:84年へ」(1983年)オフセット・リトグラフ、紙

 

「レトロスペクト(Retrospect)」(1989年) ※「キース・へリング展」より
・「レトロスペクト(Retrospect)」(1989年)シルクスクリーン、紙

 

 

「赤と青の物語 シリーズ(The story of red and blue)」(1989年) ※「キース・へリング展」より
・「赤と青の物語 シリーズ(The story of red and blue)」(1989年)リトグラフ、紙

5章”アートはみんなのために”で展示されている作品です。

「赤と青の物語」シリーズが描かれたのは1989年。ちょうどキース・へリングが、より”死”を意識し始めた時期になると思います。

 

エイズと診断された事で、自身の作品をより多くの人に広めようと考えたのだろうか?

自分の生きた功績を、アートという形で残そう!と。これは芸術家ならではの本能だろうと僕は思っています。

 

「ブループリント・ドローイング」(1990年) ※「キース・へリング展」より

 

「ブループリント・ドローイング」(1990年) ※「キース・へリング展」より
・「The Blueprint Drawing」(1990年)シルクスクリーン、紙

 

「ブループリント・ドローイング」(1990年) ※「キース・へリング展」より 「ブループリント・ドローイング」(1990年) ※「キース・へリング展」より
・「The Blueprint Drawing」(1990年)シルクスクリーン、紙

 

 

「ペルシダ(Percida)」(1986 年) ※「キース・へリング展」より
・「ペルシダ(Percida)」(1986 年)アクリル、カンヴァス

僕のアートはみんなの中で生きているから

医学の父と呼ばれた”ヒポクラテス(Hippocrates)”の「芸術は長く、人生は短し」に通じる様ですね。

このヘリングのフレーズはとても印象的で、しかも物凄く重い言葉にも感じてしまう。芸術家の言葉だから、なおさらなんでしょうか。

 

ころでちょっと疑問に思った事が…

ヘリングがこの言葉を残したのが1987年。まだエイズと診断される前だった。もしかしたらヘリングはすでに、自分の人生はそんなに長くはないと感じていたのかも!?

物凄い勢いで芸術家人生を歩んだ理由には、自身の残りの人生を悟ったからなのかもしれないですね。

 

「Icons(イコンズ)」(1990年) ※「キース・へリング展」より
・「Icons(イコンズ)」(1990年)シルクスクリーンにエンボス加工、紙

とにかく31歳って本当に早すぎます

もっと長生きして、たくさんのアートを描き続けて欲しかったな~と。

…そう思った「キール・へリング展」でした。

 

 

考に、キース・へリングについて

キース・へリング(Keith Haring) 1958年 ー 1990年没。

1958年5月4日、アメリカのペンシルベニア州レディングで生まれる。

1980年にニューヨークの地下鉄構内で、使っていない広告掲示板にチョークで絵を描いたのが始まり。俗に”サブウェイ・ドローイング()”と呼ばれる芸術プロジェクトです。

それから通勤者の間で評判となり注目を集め、個展を開催するまでに。

その後はシドニーやアムステルダム、パリなど世界各地で活動し、芸術以外でもAIDS撲滅活動や児童福祉など様々な社会貢献活動に参加。

1990年にエイズの合併症により31歳という若さで亡くなります。

ジャン=ミシェル・バスキアやアンディ・ウォーホルとも親交があり、現在では世界的に知られるアーティストに数えられています。

 

 

 

「キース・へリング展」の見所・鑑賞のポイント

「キース・へリング展 アートをストリートへ」の看板広告

どんな展覧会でもそうですが、ただボ~と眺めて終わるだけでは勿体ない。

何事も目的やポイントを押さえるだけで、収穫も多いというものです。

これから見に行く人も多いでしょうから、実際に鑑賞した私による見所やポイントをちょっと話そうかと。

 

1、メッセージをそれとなく探ってみよう!

左「アートを使ったエイズとの戦い」 / 右「セーフ・セックス!」 ※「キース・へリング展」より
・左「アートを使ったエイズとの戦い」 / 右「セーフ・セックス!」 ※「キース・へリング展」より

キース・へリングのアートは一見おふざけに見えて、実は物凄く深いメッセージが込められている場合が多いです。

エイズの撲滅運動や平和を主張するメッセージ、教訓的なものまで…。中には殺人的な描写もあるけれど、でもまったく怖い感じがしない。これがヘリングアートの真骨頂なんでしょうね!

作品名を見ずに、アートだけをじっくり見て、どういうメッセージが込められているのか探ってみるのもオモシロイと思います。

 

2、まるで雰囲気を感じさせる没入感がイイ!

『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット(1985年) ※「キース・へリング展」より
・『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セット(1985年)アクリル、モスリン布

この「キース・へリング展」では、その場の雰囲気を感じさせる展示があります。

例えば1章の「公共のアート(Art in Transit)」では、まるで地下鉄の構内を再現した感じでサブウェイ・ドローイングが展示されていたり…。

3章の「ポップアートとカルチャー(Pop Art and Culture)」では、素敵な音楽が流れていたりします。

まるで当時の雰囲気をそのまま再現したかの様な演出!

実にイイですね!最近流行りの”インスタレーション”にも通じる感じがします。まさに没入的です。^^

 

 

なみに…

「キース・へリング展」のショップもかなりの充実度なので、ぜひ色々漁ってみるのも楽しいと思います。

「キース・へリング展」のグッズ・ショップ

「キース・へリング展」のグッズ・ショップ 「キース・へリング展」のグッズ・ショップ

 

 

 

六本木の「 キース・へリング展」開催概要とチケット・撮影

森アーツセンターギャラリーへ

キース・へリングのアート作品は、様々な場所で見かける機会があると思います。最近ではユニクロのTシャツのデザインになっているくらいですから。

でも、どういった芸術家なのか?まで、詳しく知っている人っていないと思います。

 

そういった意味でも、今回の「キース・へリング展」はイイきっかけになるかもしれませんね!

 

東京(六本木)のキース・へリング展 アートをストリートへ開催概要

・会期:2023年12月9日(土)~2024年2月25日(日) ※会期中は無休
・場所:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

・時間:10:00~19:00まで、金曜と土曜は20:00まで
 年末年始(12月31日~1月3日)は11:00~18:00まで ※入館は閉館の30分前まで

・チケット料金:一般・大学生・専門学校生は2,200円、中高生は1,700円、小学生は700円、未就学児は無料
 ※事前予約制(日時指定券)を導入しまいます。

 

チケットと混雑状況は?

当日券も発売はしていますが、個人的におススメは事前にネット購入です。

おそらくそこまで混雑はしないと思うので、当日券も買う事は出来ると思います。でもチケットの購入窓口で多少なり並ぶ可能性もありますから、事前購入の方がスムーズだと思います。

 

館内の撮影は?

美術館内の写真撮影ですが、一部の展示を除いてほとんどが撮影可能になっています。(最後の章「トピック:キース・へリングと日本」以外は撮影OKです。)

周りの人の迷惑にならない程度に、楽しんでカメラに収めるのもイイかと思います。でも一番は、あなたの目に焼き付ける事ですよ!^^

 

 

 

その後の「 キース・へリング展」巡回情報

美術館の前にチケット購入

実は公式サイトで開催概要を確認したところ、東京開催の後は、日本各地を巡回で開催予定になっています。

詳細はまだハッキリしていない部分はありますが、現在分かる範囲では下記の様な感じです。

 

以降の開催予定

・(神戸開催)2024年4月27日(土)~6月23日(日)、兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリーにて
・(福岡開催)2024年7月13日(土)~9月8日(日)、福岡市美術館にて
・(名古屋開催)2024年9月~11月頃予定
・(静岡開催)2024年11月~2025年1月頃予定
・(水戸開催)2025年2月~4月頃予定

 

先ほどもちょっと話しましたが、キース・へリングのアートは、何といっても親しみやすさにあります。それでいて物凄くインパクトもあって、アーティスティック(芸術的)です。

誰もが楽しめる展覧会だと思うので、あまり美術を知らなくても十分楽しめるかと。

ぜひ、一度足を運んでみては!?

 

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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