クールベの「世界の起源」 …観る者に与えた衝撃と謎

Painting Art

 

今の私たちが見ても衝撃的なクールベ世界の起源

 

この生々しくリアル過ぎるほどに描写は、
当時としては相当な衝撃作だったと思うのです。

 

「世界の起源」(1866年)ギュスターヴ・クールベ

「世界の起源」(1866年)ギュスターヴ・クールベ

ギュスターヴ・クールベ世界の起源(1866年)
・46×55cm、カンヴァスに油彩、オルセー美術館所蔵

この絵にはベッドの上で足を開いた女性の性器と腹部が描かれています。

 

絵を見て感動!
それにしても実に大胆な構図だと思いませんか!?

まさかこんな角度からヌードを描こうなんて…。
おそらく当時の人たちは想像もしていなかっただろうと思います。

 

当時女性のヌードは美化して描く傾向があったと言います。

つまり女性に対して理想的なものを求めていたのかもしれませんが、
このクールベの作品は美化するというよりも、
実に生々しくリアルに描かれているわけです。

当然ながら当時はかなりスキャンダラスでした。

クールベは性格的に野心家で型破りだったと言われているので、
この「世界の起源」はクールベらしいと言えば”らしい”作品だと思います。

 

 

この絵を観て浮かぶこんな疑問!!

Painter - Painting

クールベは写実主義を代表する画家です。
対象物を美化する事なくありのままを描くことを良しとしていたのです。

もちろんこの「世界の起源」は当時かなりスキャンダルを呼んだ作品で、
もちろんこの絵に対して
こんな疑問を持った人も多いのでは?と思います。

 

それは…

この描かれているモデルは一体誰なのか??

 

カンヴァスに顔が描かれていないだけに、
この疑問が湧いてくるのも当然な事だと思います。

 

考え…・思い…
そう言えば私はこの絵を観て
ふとこんな事を思ってしまいました。

この絵のモデルを務めた女性は一体どんな気分だったんでしょうね。

いくらクールベの絵のモデルとはいえ、
さすがにこの角度から描かれるのは気恥ずかしさもあったのでは?と思います。

 

さて話は戻るとして…

この絵のモデルは一体誰だったのか??

 

当初このモデルはクールベの愛人
Joanna Hiffernan(ジョアンナ・ヒファーナン)”だと言われていました。

このジョアンナ・ヒファーナンはアイルランド出身で、
別名”ジョー”とも呼ばれていました。

赤毛の髪が特徴的な女性で、
ホイッスラー(ジェームズ・マクニール・ホイッスラー)の恋人だった人でした。

 

 

もつい最近になって
新たな事が分かってきたのです。

 

この「美しきアイルランド女性」でも分かりますが、
ジョアンナ・ヒファーナンは美しい赤毛が特徴的な女性です。

 

「美しきアイルランド女性(ジョーの肖像)」(1865‐66年頃)ギュスターヴ・クールベ

「美しきアイルランド女性(ジョーの肖像)」(1865‐66年頃)ギュスターヴ・クールベ

ギュスターヴ・クールベ美しきアイルランド女性(1865‐66年頃)

でも「世界の起源」に描かれている女性の陰毛は赤毛というよりは黒に近い色。

つまりジョアンナ・ヒファーナンの赤毛とは色が一致しないのです。

 

??
では本当は一体誰なのか!?

実は最近になってこのモデルが判明したのです。

それは元バレリーナだった
コンスタンス・クニョー(Constance Queniaux)”という女性でした。

 

絵のモデルが明らかになったきっかけは
作家”アレクサンドル・デュマ”と”ジョルジュ・サンド”との手紙のやり取りだったといいます。

このコンスタンス・クニュー(1832年~1908年)は
元バレリーナで高級娼婦だった女性。
「世界の起源」のモデルとなったのはクニョーが34歳の頃だったと言います。

 

ここでCheck!
当時のバレリーナの立場ってどうだったの!?

今ではバレリーナと言えば華やかな職業と見られていますが、
実は、当時バレリーナは地位が低い職業と言われていたそうです。

食べていくには認められ主役として舞台に立たないとやっていけなかった。

そのため認められるために、
パトロンたちに媚を売ったりしていたそうです。

もちろんパトロンだった男性たちも
気に入ったダンサーがいれば愛人として抱えていたと言います。
(エドガー・ドガの「バレエ」の絵からも当時の背景が分かります。)

 

 

考え…・思い…
とにかく現在でもこの「世界の起源」は、
実に衝撃的でスキャンダラスに溢れています。

 

事実…
数年前この「世界の起源」のモデルが明らかになった時は、
フランスのマスコミはこぞってこの事を報じたそうです。

いくら有名な画家の作品とはいえこぞってマスコミが報じるなんて…
日本人からするとちょっと信じがたい事だと思います。

こういった点からも
フランスは”芸術の国”なんだな~って思いますね。

 

「世界の起源」(1866年)ギュスターヴ・クールベ

「世界の起源」(1866年)ギュスターヴ・クールベ

とにかくこの”世界の起源”…

ある意味本質を突いた作品でもあると思うのです。

まさにクールベだからこそ描ける絵画だと思いますね。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Category

2020年10月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
ページ上部へ戻る