ギュスターヴ・クールベの「波」とエトルタ

フランス、ノルマンディー地域のエトルタ

 

押し寄せてくるダイナミックな波の様子。

こういった迫力ある波の描写はクールベにしか描けないものだと思います。

 

クールベは”(WAVE)”をテーマにした作品を何枚も描いていますが、
そのどれもが非常にシンプルに描かれているのが特徴。

 

「波」(1870年頃)ギュスターヴ・クールベ

「波」(1870年頃)ギュスターヴ・クールベ

ギュスターヴ・クールベ(1870年頃)

これは国立西洋美術館に所蔵されている作品で、
現在は松方コレクションとして常設展でもたまに展示されています。

 

個人的にこの「波」という作品は好きで、
国立西洋美術館でも一際存在感を発しています。

 

絵を見て感動!
国立西洋美術館でこの絵を観る度に、
毎回圧倒されてしまいます。
この迫ってくる様な波の迫力は実に凄い!
迫力満点だと思いますね。

これはノルマンディー地方のエトルタの嵐の様子を描いたもので、
海と空と言うシンプルな構図ながら、
迫ってくる様な波の迫力は非常にリアルとしか言えないですね!

 

専門家曰くこの波の質感やリアルさは
鉛筆とペインティングナイフを使った質感表現によるもの。
クールベの技術の高さが伺えると言います。

シンプルだからこそ、
そこには高い技術があるって事なんでしょうね。

 

さて
クールベはこの”波”をテーマに多くの作品を描いています。

1860年以降になるとクールベは好んで波の風景画を描いていますが、
それだけ”波”や”海”というものに魅了されていたそうなのです。

 

「波」(1870年)ギュスターヴ・クールベ

「波」(1870年)ギュスターヴ・クールベ

 

クールベが生まれたのは”オルナン”という村。

そこはフランスとスイスの国境近くにある村で、
周りは山に囲まれている場所だといいます。

そんなクールベが初めて””を見たのは22歳の事だったそうです。

初めて海を見たクールベは一体どんな気持ちだったのかは分かりませんが、
その後多くの”海”をテーマにした作品を描いている事から、
よっぽど感動というか魅了されたんだろうな~と言うのは分かりますね。

 

クールベは写実主義を代表する画家です。
それまでのロマン主義の様に美化して描くと言うよりも、
”ありのままに”、”あるがまま”に描く事を目指したわけです。

このエトルタという場所をありのまま描いて、
そしてクールベは波の様子をありのまま描いたわけですが
そこには深い物語やストーリーは一切なく、
純粋に荒れた波の様子をそのままキャンヴァスに乗せたわけです。

 

考え…・思い…
私がこの「波」という作品を見てこの迫力に圧倒されるのは、
クールベが波の迫ってくる様子をそのまま描いたからなんでしょうね。

つまりクールベが見た波の迫力が、
そのままキャンヴァスに描かれているわけです。

 

 

ノルマンディー地域のエトルタと海

フランス、ノルマンディー地域のエトルタ

エトルタはフランスのノルマンディーにある場所で、
ここは雨風によって自然に出来たアーチ状の断崖がある事で知られています。

現在は観光地とも知られている場所で、
何よりも石灰質の地層から成る崖と砂利の海岸は美しい事でも有名。

 

フランス、ノルマンディー地域のエトルタ フランス、ノルマンディー地域のエトルタ

クロード・モネやウジェーヌ・ブーダン、
そして今回のクールベと多くの画家を魅了してきた場所でもあるのです。

 

もちろんクールベはこのアーチ状の断崖も描いています。

「エトルタの崖、嵐のあと」(1870年)ギュスターヴ・クールベ

「エトルタの崖、嵐のあと」(1870年)ギュスターヴ・クールベ

ギュスターヴ・クールベエトルタの崖、嵐のあと(1870年)

目の前の光景をリアルに描いているのが特徴なので、
今も150年前もこのエトルタの風景は大きく変わっていないのが分かりますね。

 

自然をありのままに描く…

レアリスムの画家だからこそ描ける作品だと思うのです。

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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