- 2016-7-15
- Artwork (芸術作品), For you (”Art”なイイ話)
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クシャクシャにした”ゴミ”みたいな紙…
普段だったらゴミ箱行きの紙だけれど、これもれっきとした”芸術”かもしれない!?最近の現代アートを見ていると、本気で思ったりするわけです。一見、子供が描いた様な幼稚な作品でも、数百数千万円という高値が付く事だってあります。(もちろんちゃんとした画家の作品ですが…)
そう考えたら、最近のアートは”もしかしたら?”という可能性に満ちているわけです。もちろん可能性という話であって、現実的に考えたらありえないでしょうけど。だって、素人がクシャクシャにした単なる紙なわけですから。
さて、なぜ今回”クシャクシャにしたゴミの様な”紙”も実は芸術!?”という話をするかというと、実は中学時代のある先生の授業が根底にあるからです。
きっかけは僕の中学時代に遡ります…
中学生のいつだったかは忘れましたが、僕の中学時代のある図工の授業での事でした。図工の先生が突如、真っ白な紙を皆に配り、そしてこんな話をしたのです。「では真っ白な紙をくしゃくしゃにしてください!そしてその紙を広げてみて下さい。」と。
単なる真っ平らな紙を、手で無造作にクシャクシャにする。すると上の様にくしゃくしゃに折り曲げられた紙になりますよね。
すると、今度は先生がこんな言葉を!「くしゃくしゃになった紙の隅に、皆さんの名前(サイン)を書いてください!」と…
当時は純粋?^^な僕なので、当然ながら先生に言われた通り、紙の隅に名前を書いたわけです。今の私だったら、”何の事やら!?”って疑いの目で見たかもしれません。でも中学時代の僕は、先生の言われた通りにしたわけです。
すると、今でも印象に残っていますが、先生がこんな一言が!!
”この紙はあなたしか作れない芸術なんですよ!”と。
つまり僕がクシャクシャにしたゴミの様な紙が、僕にしか作れない芸術だというわけです。無造作に作られたこの斜めや縦に入った折り目や谷間。凸凹した1枚の紙がサインを入れる事で、ちゃんとした作品になったと先生は言ったわけです。もちろん当時は、”へ~!?”という状態だったと思います。
でもそれから約20年という年月が経った今だからこそ、あの図工の先生の話の意味が何となく分かる気がします。実はそう思えたのが以前「ポンピドゥー・センター傑作展」で観た現代アーティスト”クリスト”の作品がきっかけでした。
クリストの「パッケージ」(1961年)という、一見すると単なる梱包したものが展示されていたのです。
クリスト Christo 1935.6.13ー2020.5.31
ブルガリア出身のアメリカの美術家。本名クリスト・ジャヴァチェフ(Christo Javacheff)。ガブロヴォに生れる。1956年プラハでステージ・デザインを学んだにち、58年パリに出る。1964年以降アメリカに在住。パリの道路をドラム罐(かん)で”封鎖”したのち、様々な物体を”梱包”し、ついには、コロラド渓谷やオーストラリアのシドニー湾まで包んでしまった。物体を梱包し、その既成の意味を剥ぎとることで、人間と物体との関係を常に曖昧に保とうとする方法論である。
出典元:新潮「世界美術辞典」
事実このクリストの梱包作品については、芸術的評価が分かれているそうです。人によっては”芸術”と評価したり、逆に”芸術ではない”と言う人もいる。賛否が分かれる作品なのです。正直言って私的にも解釈が難しいところではあるけれど、このクリストの創作的思考に対して芸術的評価がされているのかな?と思っています。
私的には、評価してくれる人が一人でもいたら、それは芸術作品に成りえる!と考えているので、もし僕のクシャクシャにしてサインを記した紙も、ちゃんと評価してくれる人がいたら、その時点で芸術になる!と思うわけです。でも、果たして僕のクシャクシャの紙を評価してくれる人っているのだろうか?そして、数百万という高値で購入してくれる人がいるのだろうか??
さて、あなただったらどうしますか?
僕の無造作にクシャクシャの紙を高値で買ってくれますか??
現在日本には1億人を超える人たちが住んでします。そして世界で言えば、約80億人近い人口がいます。その中に、一人でも評価してくれる人が居てもおかしくないと思いませんか?
というか、一人は居てほしいですけどね!^^
考えによっては、芸術って本当に可能性に満ちていると思いませんか??仮にくしゃくしゃの紙にサインを記して、オークションで出品してみるのも面白いかもしれない。もしかしたら、あなたのクシャクシャの紙が高値で売れるかもしれませんよ!?
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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