- 2016-7-15
- Artwork (芸術作品), For you (”Art”なイイ話)
- コメントを書く

クシャクシャにしたこの”ゴミ”みたいな紙…
普段だったらゴミ箱行きの紙ですが、
これもれっきとした”芸術”かもしれない!?
そう思ったきっかけがあったのです。
事の始まりは私が中学生の頃でした。
・・・
図工の授業の先生のこんな話~
まず先生が真っ白な紙を皆に配って言いました。
「さて真っ白な紙をくしゃくしゃにしてください!
そしてその紙を広げてみて下さい。」と。
すると広げた紙はくしゃくしゃに折り曲げられた跡が残ります。
そして今度は先生がこんな言葉を!
「くしゃくしゃになった紙の隅に、
皆さんの(あなたの)サインを書いてください!」と…
この時点では、
”何の事やら!?”って状態だと思います。
でもここで発した先生のこの一言が
なぜか今でも記憶に残っているのです。
…「これはあなたしか作れない芸術なんですよ!」と。
つまり僕がクシャクシャにしたゴミの様な紙は、
僕にしか作れない”芸術”でもある!というのです。
この斜めや縦に入った折り目、
山や谷の様にでこぼこした折れ方は、
この瞬間、
この僕にしか作れない作品だと言うわけです。
当時は”へ~!?”みたいな状態だったと思います。
でもそれから20年くらい経った今の私からすると、
その先生の発した言葉の意味が何となく分かる気がするのです。
実はそう思えたきっかけが
「ポンピドゥー・センター傑作展」で観たこの作品からでした。
この”ポンピドゥー・センター”は
フランスのパリにある20世紀の近代芸術を集めた施設です。
実はそこである作品を発見したのです。
それがクリストの「パッケージ」(1961年)でした。
一言で言えば”梱包した物”です。
”クリスト”とは?
… 本名は”フリスト・ヴラディミロフ・ヤヴァシェフ”
最初は日用品の梱包から始まり、
次第に大きな物を梱包するに至ります。
例えば建物(議事堂や家など)まで梱包していきます。一見すると
単に紐で梱包された物にしか見えない。
でもこの「パッケージ」の様に”芸術作品”に成りえるのです。
事実このクリストの梱包作品については、
芸術的評価が分かれているそうです。
人によっては”芸術”と言うし、
中には芸術ではないと言う人もいる。
解釈は難しい所ですが、
おそらくこのクリストのオリジナリティ溢れる創作活動に対して
芸術的評価が下されているのかもしれないですね!
そう考えると
僕がクシャクシャにしてサインを記した紙も、
ちゃんとした”芸術”なのかもしれないですね!
そしてこのクシャクシャになったゴミの様な紙も、
もし仮に評価して値を付けてくれる人が現れたら…
正真正銘れっきとした”芸術”になるわけです。
という事はもしかしたら…
… この丸めた紙クズも”芸術”になるのかな??
それは評価してくれる人が現れたらの事ですが、
この人口1億人以上の日本に果たして居るのだろうか??
こう思ったら、
芸術って本当に可能性に満ちていると思いませんか??
つくづく芸術って奥が深いな~と思ったのでした。
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。