- 2019-10-28
- Impression (絵画展の感想)
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![「ゴッホ展(Gogh)」上野の森美術館より](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/goghten19.jpg)
ゴッホ展 - 人生を変えたふたつの出会い –
フィンセント・ファン・ゴッホ…
と言えば誰もが知る画家ですが、
改めて知らない部分もあるんだな~と。
今回の「ゴッホ展」ではゴッホの画家人生を変えた
ある大きな2つの出会いがあったのですが、
それを作品を挙げながら見ていきたいと思います。す
…場所は”上野の森美術館”でした。
このゴッホ展は東京と兵庫で開催します。
共に同じような展示内容だと思うので、
すでに見た人もそうですが、
観る機会のない人はぜひ参考にしてくれると幸いですね。
・・・
「ゴッホ展(GOGH)」 (東京展) ・期間:2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月)まで
(兵庫展) ・期間:2020年1月25日(土)~2020年3月29日(日) |
このゴッホ展を大きく分けると2つになります。
1、ハーグ派に導かれて
…ハーグ派の画家とハーグ派に影響されたゴッホの初期の作品が見れます。
2、印象派に学ぶ
…印象派の画家たちと、アルルに移り住んでからのゴッホの作品が見れます。
それでは順に「ゴッホ展」の様子を
ちょっとしたネタや感想を交えて話していきたいと思います。
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ハーグ派に導かれて…
前半部分は主に”ハーグ派”の作品が展示しています。
さて”ハーグ派”と言われても、
おそらく馴染みのない人も多いと思います。
どんな作風なのかは、
それは作品を見るとどんな感じが分かると思います。
![「出会い(仔ヤギ)」(1865-66年)マテイス・マリス](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/getting_acquainted.matthijs_maris01r.jpg)
「出会い(仔ヤギ)」(1865-66年)マテイス・マリス
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![「室内」(1872年)ベルナルデュス・ブロンメルス](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/interior.bernardus_blommers01r.jpg)
「室内」(1872年)ベルナルデュス・ブロンメルス
見た感じ薄暗い雰囲気の作品ばかりですね。
何だかバルビゾン派にも似ているような…。
ハーグ派とはオランダの都市ハーグで活動していた画家たちの事を言い、
主に農民の生活風景など風景画がメインに描いていました。
そういう点では
”バルビゾン派”に近い感じだと思います。
もちろんゴッホもハーグ派に影響を受け、
農村の人々や農婦の肖像画を描いているわけです。
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![「農婦の頭部」(1885年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/peasant_woman.van_gogh01r.jpg)
「農婦の頭部」(1885年)フィンセント・ファン・ゴッホ
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![「耕す人」(1882-83年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/man_work.van_gogh01r.jpg)
「耕す人」(1882-83年)フィンセント・ファン・ゴッホ
派手さよりも質素で地味というか…
当時の農村に住む人たちの生活をそのまま描いている感じですね!
実はハーグ派は”灰色派”とも言われていたので、
作品的には薄暗い感じのものが多かったわけです。
僕らのよく知るゴッホとは正反対にも見えますね。
ゴッホが印象派に影響を受け始めたのが、
1886年にパリに移り住んでからの事なので、
その頃までゴッホはこういう風景画を描いていた事になります。
そしてこの時期に
ゴッホの画家としての基礎が作られたわけです。
![「雪の中の羊飼いと羊の群れ」(1887-88年)アントン・マウフェ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/sheep_shepherd_in_snow.anton_mauve02.jpg)
「雪の中の羊飼いと羊の群れ」(1887-88年)アントン・マウフェ
特に”アントン・マウフェ”からは、
色々と画家としての基礎を教えられたと言います。
結局は仲違いしてしまうわけですが、
ゴッホにとって重要な時期でもあった様ですね。
ゴッホと言えば”印象派”というイメージが強いけれど、
実はゴッホにとって”ハーグ派”は
切っても切れないほど重要なものだと思います。
印象派に学ぶ…
よくゴッホは”ポスト印象派”の画家ともいわれています。
この”印象派に学ぶ~”からは、
私たちの馴染みのあるゴッホらしい作品が登場してくるのです。
…
![「麦畑とポピー」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/cornfields_poppies.van_gogh01-1.jpg)
「麦畑とポピー」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ
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![「麦畑」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/weizenfeld.van_gogh01r.jpg)
「麦畑」(1888年)フィンセント・ファン・ゴッホ
色鮮やかな色彩はゴッホらしいというか…
特に「麦畑」を見ると、
ゴッホだな~と思いますね。
黄色はゴッホがよく使用していた色で、
例えばアルルに居た時に描いた絵は黄色が多かった印象です。
有名どころで言えば「ひまわり」もそうですよね。
ゴッホが黄色を好んでいた理由は、
単に好きだったという説もあるようですが、
ある説では精神的な病気が原因だったとも…。
真相はどうあれ
黄色はゴッホを象徴する色には間違いないと思います。
![「夕暮れの松の木」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/pine_trees.van_gogh01r.jpg)
「夕暮れの松の木」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ
ゴッホの作品は時代によって変化してきています。
後半では僕らの知る様な
厚塗りと色彩が魅力の作品が登場してきます。
ちょっと派手過ぎないか?
と思えるような鮮やかな色彩だったり、
ボテッと厚く塗られた大胆な描き方。
まさに”ゴッホらしい作風”だと思います。
実はこの”厚塗りの技法は
アドルフ・モンティセリに影響されたと言います。
ここでポイント!ですが、
厚塗りの絵の魅力はまさに迫力!だと思います。
平面の絵に関わらず厚塗りで塗られている事で、
絵がより立体的というか迫力が増して見えるのです。
そしてもう1つのポイントは
近くで見るのと離れて見るで、違った楽しみ方が出来る事!!
近くで見る事で筆さばきや絵の具の盛りを観察したり、
ちょっと離れて見る事で、
全体像の調和や迫力を鑑賞出来るのです。
こういった観方は
まさに”厚塗り”でしか味わえない魅力ですね!!
何よりも写真や画像では分からない、
本物の作品を見る事でしか味わえない魅力だと思います。
でもこの他にも
厚塗りの醍醐味があります!
それはこの絵を見ると分かるとおもいます…
![「糸杉」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ](http://kaiga-date.com/wp-content/uploads/2019/10/cypresses.van_gogh01r.jpg)
「糸杉」(1889年)フィンセント・ファン・ゴッホ
この「糸杉」もゴッホを代表する作品の1つで、
もちろん”糸杉”の枝や葉はかなり盛られて描かれています。
この絵は渦を巻く様な躍動感があって、
見ごたえのある作品ではあるのですが…
何よりも盛られた絵の具が光で反射して、
絵に不思議な存在感が生まれてきます。
厚く塗られた絵具は光沢感があるだけに、
光を反射して光って見えてくるわけです。
つまり光も作品の一部となってくるのです。
そんなわけでゴッホの絵は、
絶対に本物を見るに限るわけです!!
というかゴッホの作品を味わうには、
美術館に行くしか味わえないわけですね!!
最初の頃ゴッホの作品は
ちょっと馴染みにくい印象があったわけですが、
見ていくうちに徐々に魅力が増してきて、
最近ではゴッホの厚塗りと色彩は本当にイイな~と思いますね!
この上野の森美術館の「ゴッホ展」は
東京五輪の開催する2020年1月13日までです。
その後は兵庫でも開催するので、
ぜひ一度ゴッホをあなたの眼で見に行ってみては?
やっぱりゴッホは生(LIVE)に限りますよ!!
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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