ローマの歴史が凝縮!? イタリアの「カピトリーノ美術館」を解説!

Piazza del Campidoglio(カンピドリオ広場)

 

イタリア、ローマには世界最古の美術館と言われるカピトリーノ美術館(Musei Capitolini)があります。

 

古代ローマ期の作品から~ ルーベンスやティツィアーノ、ティントレットと名だたる画家の作品があり、特に彫刻作品で言えば群を抜いているとさえ言われている。個人的にも”いつかは行ってみたい!”と思っている美術館です。

でも残念かな?日本での知名度はイマイチの様ですね。所蔵している作品は物凄い傑作揃いだというのに、ココを知らないのは本当に勿体ない!2023年には「永遠の都 ローマ展」が開催するだけに、ぜひこの機会に知ってほしいと思ったわけです。

 

目次

まず、初めに…
”カピトリーノ美術館”は、ローマの歴史が凝縮!?
カピトリーノ美術館が抱えている作品を見てみよう!
カピトリーノ美術館に対する私の一言!

 

今回はローマを象徴するカピトリーノ美術館所蔵作品について、私なりに分かりやすく解説していこうと思います。

 

 

 

まず、初めに…

今回なぜ”カピトリーノ美術館”について書こうと思ったかと言うと、「永遠の都 ローマ展」が開催するから。実は以前展覧会の概要を観た瞬間、正直言って震えました。”なんて粋な展覧会だろう!!”と。これは絶対に行かないともったいない!と。

 

カピトリーノ美術館の外にある古代ローマ彫刻

確かにカピトリーノは、ルーヴルやオルセーとは違い日本ではあまり知られていないかもしれない。でもここは地味に凄い!美術館です。古代ローマの彫刻や私たちの知る巨匠たちの作品が結構あるからです。調べていけば分かりますが、建物の雰囲気や所蔵作品の質!ハッキリ言って鳥肌物ですよ!!^^

 

という訳で、ちょっとでも”カピトリーノ美術館”の魅力を伝えられたらイイな~と思たわけです。

永遠の都 ローマ展」は巡回展で、東京と福岡で開催予定です。ぜひ今回の話を参考に行ってほしいと思います。また随所に美術館の画像や代表作品も挙げているので、気楽に見てほしいと思います。
※「永遠の都 ローマ展」の開催概要は?⇒私イチオシ展覧会は「永遠の都 ローマ展」一択!

 

 

 

”カピトリーノ美術館”は、ローマの歴史が凝縮!?

Piazza del Campidoglio(カンピドリオ広場)

カピトリーノ美術館(Musei Capitolini)はローマのカピトリーノの丘に建てられた、世界最古の美術館と言われています。時代はルネサンス期にさかのぼり、時の教皇シクストゥス4世がローマ市民に古代彫刻を寄贈したのが始まりでした(1471年)。この時に寄贈された作品の中には、同美術館を代表する彫刻「とげを抜く少年」や「カピトリーノの牝狼」も含まれていたと言います。この時点でも、歴史の深さを感じますよね。「永遠の都 ローマ展」では、「カピトリーノの牝狼」の像も展示されるそうで、複製にはなるけれど一見の価値ありだと思います。

 

「女占い師」(1594年)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

「女占い師」(1594年)ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

・115×150cm、カンヴァスに油彩、カピトリーノ美術館所蔵

これはカラヴァッジョ(Caravaggio)の代表作「女占い師」。私がカピトリーノ美術館の存在を知るきっかけになった作品です。かれこれ数年前になりますが、所蔵場所カピトリーノ美術館所蔵”を目にしたのが最初でした。そして調べてみたら、凄いのなんの!巨匠クラスの作品をたくさん抱えているから驚き!

ルーベンスにティツィアーノ、ティントレットなど…。美術好きにはタマラナイ画家ばかりですね。

 

「マルクス・アウレリウス像」カピトリーノの丘 カンピドリオ建築

日本ではあまり知られてはいない様ですが、実は所属作品は傑作揃い!私が地味に凄い美術館!と言った理由が、少しは分かってもらえたかと思います。

 

てここで参考に、『新潮 世界美術辞典』の解説も挙げてみようと思います。

カピトリーニ美術館 Musei Capitolini

ローマのカピトリーノの丘に建ち、広場をはさんで向い合うカピトリーノ美術館(Museo Capitolino)とコンセルヴァトーリ美術館(Museo del Palazzo dei Conservatori)の二つを総称していう。いずれも古代彫刻の宝庫として著名。

コンセルヴァトーリ美術館の方が建物は古く1450年に造られたが、1564ー68年にミケランジェロの設計を基に再建拡大された。その後1580年に新館(Museo Nuovo)が加えられ、また1749年に絵画館(Pinacoteca)が付属し、16ー18世紀の多くの絵画が収められた。コンセルヴァトーリ美術館のコレクションは1471年教皇シクストゥス四世が古代彫刻をローマ市民に寄贈したことに始まり、以後歴代の教皇、枢機卿などのコレクションが加わり、近代発見された作品も含む。エジプト、エトルスク、ヘレニズム期、ローマ時代の数多くの美術品が集められている。有名な作品に『カピトリーノの牝狼』『カピトリーノのブルートゥス像』『とげを抜く少年』などの青銅像、マールクス・アウレーリウス帝の大理石記念碑などがある。

カピトリーノ美術館もミケランジェロンの設計を基にインノケンティウス十世の時代に建てられ、主なコレクションはクレメンス十二世の時代に収められ、その在位中(1734)に公開されている。有名な作品に、『カピトリーノのヴィーナス』『瀕死のガリア人』の大理石像などがある。

・出典元:『新潮 世界美術辞典』

 

カピトリーノ美術館は本館”コンセルヴァトーリ美術館(Museo del Palazzo dei Conservatori)”と新館”カピトリーノ美術館(Museo Capitolino)”を総称した美術館群。設計にミケランジェロ(ルネサンス期の3大巨匠の一人)が関わっている点も見逃せない!ある意味建物自体が芸術と言っても過言ではないわけです。

 

映像を見ても分かる様に、本当に素晴らしい!の一言ですね。彫刻作品を多く抱えているためか、他の美術館にはない重厚感と上品さ!これは実際に現地に行って観たくなりますね。^^

 

写真が美しい本「世界の美しい美術館」
実は先日購入した「世界の美しい美術館」にも載っていて、派手さはないけれど上品で気高い雰囲気は本当に美しい!の一言でした。改めてミケランジェロの凄さを感じてしまいます。建築や彫刻はそこまで専門的に詳しくはない私ですが、雰囲気だけでも感じてみたいものです。

 

 

 

 

カピトリーノ美術館が抱えている作品を見てみよう!

解説

古代ローマの彫刻作品を多く抱えている美術館として知られる”カピトリーノ”ですが、実は絵画作品も凄い!!

先ほどもちょっと名を挙げましたが、ルーベンスやカラヴァッジョ、ヴェロネーゼ、ティントレットなど…。西洋絵画の歴史を語る上で、外せない画家ばかりですよね。なぜ今まで注目されなかったのか?本当に不思議で仕方がないのです。

 

実は個人的に調べてみたら、「イタリアのおすすめ美術館8選(thisismedia)」や「イタリア旅行で外せない美術館&博物館10選(トラベルjp)」で、カピトリーノの名が挙がっていなかった事にビックリ!まだまだ日本での注目度もそうですが、あまり”おすすめ”として認識されていない様ですね。個人的に本当に残念だな~と思います。

 

カピトリーノ美術館にあるコンスタンティヌス帝の頭部

2023年に開催する「永遠の都 ローマ展」で、ちょっとは認知度が上がってほしいと願うばかりですね。

 

て気を取り直して、カピトリーノ美術館に所蔵されている作品をいくつか見てみようと思います。

 

「ロムルスとレムス」(1615‐16年)ピーテル・パウル・ルーベンス

「ロムルスとレムス」(1615‐16年)ピーテル・パウル・ルーベンス

・210×212cm、カンヴァスに油彩、カピトリーノ美術館所蔵

巨匠ルーベンス(Peter Paul Rubens)の作品です。特にこの画家についての説明はいらないと思います。

今回このルーベンスの作品を真っ先に挙げたのは、「ロムルスとレムス」がローマにとって重要な題材だから!ローマを建国したとされる初代皇帝ロムルスと、その弟レムスの幼少期を描いた作品です。カピトリーノ美術館には、ローマ建国神話をテーマとする彫刻「カピトリーノの牝狼」もあります。ローマを象徴する題材だけに、ぜひローマ建国神話は押さえてほしい話です。

 

「エウロペの誘拐」(1581‐84年)パオロ・ヴェロネーゼ

「エウロペの誘拐」(1581‐84年)パオロ・ヴェロネーゼ

・245.0×310.0cm、カンヴァスに油彩、カピトリーノ美術館所蔵

パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese)1528ー1588年、ルネサンス期にヴェネツィアで活躍しました。ティツィアーノやティントレットと同じく、”ヴェネツィア派”として名高い画家。一般的にはティツィアーノが特に知られている様ですが、専門家からは色彩感や重厚感で言えば、天下一と評価をされるほど。私からするとヴェロネーゼもティツィアーノも、どちらも注目に値する画家ですが。

 

「悔い改めるマグダラのマリア」(1598‐1602年)ドメニコ・ティントレット

「悔い改めるマグダラのマリア」(1598‐1602年)ドメニコ・ティントレット

・カンヴァスに油彩、カピトリーノ美術館所蔵

 

「聖マタイと天使」(1622年)グエルチーノ

「聖マタイと天使」(1622年)グエルチーノ

・120.0×179.0cm、カンヴァスに油彩、カピトリーノ美術館所蔵

グエルチーノ(Guercino)1591ー1666年、バロック期に活躍したイタリアの画家。

本名は”ジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ(Giovanni Francesco Barbieri)”と言います。色々な意味で洗練された画家なので、宗教画を描かせたら右に出る者はいない程!制作した作品数は結構あって、現在はあちこちにある世界の名だたる美術館に所蔵されています。もちろん日本では、西洋画の王道とも言える”国立西洋美術館”にもグエルチーノの作品はあるので、機会があれば見てほしいと思います。

 

「カピトリーノの牝狼」※カピトリーノ広場より
それから忘れてはいけないのが、先ほどちょっと触れましたが「カピトリーノの牝狼」という銅像です。世界最古の美術館と言われるだけに、カピトリーノ美術館は彫刻を多く所蔵している事でも知られています。特に上の「牝狼」と「カピトリーノのヴィーナス」、それから「瀕死のガリア人」などは世界的にも傑作中の傑作!これは見れる機会があったら逃したくないですね。古代ローマの時代に作られた彫刻が見れるのも、カピトリーノ美術館ならでは醍醐味だと思います。

 

 

 

カピトリーノ美術館に対する私の一言!

考え

調べれば、調べるほど行きたくなる美術館”カピトリーノ”!

もちろんローマにある美術館ですから、かの有名な”ヴァチカン美術館”も比較的近い距離にあります。だから行く時は、間違いなく両方行くでしょうね!!

 

今回改めてカピトリーノ美術館について調べてみたわけですが、つくづく”行きたい度合”が高まってしまったわけです。調べれば調べるほど行きたくなるカピトリーノ美術館”。その一部が「永遠の都ローマ展」で観れるわけですから、これは見逃すわけにはいきませんよね!

 

「考える人」がイチオシ!
永遠の都 ローマ展」の開催概要は?⇒私イチオシ展覧会は「永遠の都 ローマ展」一択!

ぜひ、あなたも行ってほしいと思います。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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