- 2023-8-19
- Enjoy This (観てほしい絵画展)
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2023年後半~開催される展覧会で、私のイチオシ!は「永遠の都 ローマ展」です。
この「永遠の都ローマ展」は巡回展です。
2023年9月16日~12月10日まで東京都美術館で、来年2024年1月5日~3月10日まで福岡で開催します。
本来ならオススメ5選などのように、羅列するのがイイのかもしれませんが…。”美術通”な私としては、どう考えても「ローマ展」が一択!になってしまう。もちろん他にも注目すべき展覧会はあるのですが、ONLY ONEで別格ですね。もちろんここまで推す理由には、それなりの理由があるからですが、それは順を追って話していこうと思います。
「永遠の都 ローマ展」が、なぜイチオシなの!?
ネット上にある美術系のサイトを見渡しても、おすすめの美術展で「永遠の都 ローマ展」が上位に挙がっているものはほぼない。なぜなのか??注目度は低い様ですね。
仕方がないと言えば、それまでなのですが。色々と大人の事情もある様で、人気の企画展はメディアが推している場合がほとんどだから。でもメディアが推す展覧会が、僕らにとって最適な展覧会とは言えないわけですが。
そんな事情もあって、上位に挙がってなくても穴場的な素敵な展覧会は結構あったりします。それが今回私が一押しする「永遠の都 ローマ展」です。
2023年後半から注目の展覧会として、「イヴ・サンローラン展」や「キュビスム展」「モネ 連作の情景展」などがあります。どれも気になる展覧会で、実は個人的にも注目しています。特に「モネ連作の情景展」は本当に気になる。私が美術を好きになるきっかけの画家ですし、何よりも連作を展示してくれるのが嬉しい!モネは同じ風景を何枚も描いた事で知られていて、でもどの絵も違った光や雰囲気が表現されている。自然の本質を理解していたモネならではの芸術だと思います。
でも、さすがにこの「ローマ展」はちょっと別格!
なぜか??
「永遠の都 ローマ展」は別格に歴史が長い!から
「永遠の都 ローマ展」にあって、先ほど挙げた「イヴ・サンローラン展」や「キュビスム展」「モネ 連作の情景展」にないもの。
それは”時代(歴史の長さ)”です。
「イヴ・サンローラン展」や「キュビスム展」は時代的には1900年以降、「モネ展」は1900年前後になります。対して「ローマ展」は?というと、2000年を超えるはるか前の時代になります。つまり紀元前の頃までさかのぼるわけですね。
この「永遠の都 ローマ展」は”カピトリーノ美術館(Musei Capitolini)”の作品を中心に展示するそうです。世界的にも最古の美術館と言われ、所蔵作品は古代ローマ美術~ルネサンスやバロック期までの作品をメインに抱えているそうです。そう考えると物凄い歴史の深さですよね。
実際に公式サイトを見ると分かりますが、展示作品からも時代を感じさせるものばかりです。
・「カピトリーノのヴィーナス」2世紀頃 ※東京開催のみ展示
・「イシスとして表わされたプトレマイオス朝皇妃の頭部」紀元前1世紀~紀元後1世紀
・「マイナスを表わす浮彫の断片」1世紀
・「ディオニュソスの頭部」2世紀中頃
・「カピトリーノの牝狼(複製)」
一部複製もありますが、約2000年前の作品が展示されるから凄い!!さすがは世界最古の美術館と言われるカピトリーノだけあると思います。個人的に注目しているのが「カピトリーノのヴィーナス」です。これは東京開催のみの展示だそうで、福岡では見れないようですね。彫刻はイタリアのローマから持ってくる(輸送する)だけでも一苦労だと思います。それが日本で見れるわけですから…、何とも嬉しい!この上ないですね。^^
参考⇒ローマの歴史が詰まった、世界最古の「カピトリーノ美術館」を解説!
ちなみに「カピトリーノの牝狼」は、日本でも見る事が出来います。「ルーパロマーナ(ローマの牝狼)」というの名の銅像ですが、東京の日比谷公園でも見れます。「ローマ展」に行く前に、予習として見に行くのもイイと思います。
美術品は過去の芸術家と間接的に対話できる唯一の手段!
これは私の持論ですが、”美術品は過去の芸術家と間接的に対話できる唯一の手段”だと思っています。はるか昔の芸術家や彫刻家たちと間接的に触れ合う事が出来るわけですから!!この「永遠の都 ローマ展」では、約2000年前に制作された美術品と直接出会える!そして美術品を観る事で、どういった意図で制作したのか??制作した人(芸術家)の想いを読み取ろうとする事で、間接的にはるか昔の芸術家と通じる事ができる!何ともロマン(Romance)を感じませんか??(こう思うのは私だけかな??)
約2000年前は写真なんてない時代ですし、油絵といった絵画だっておそらくなかった時代。当時の芸術家たちと間接的に対話できる手段は、おそらく当時造られた彫刻や芸術品のみ。本来ならローマのカピトリーノ美術館に所蔵されているものが、一部ですが日本で見れるわけですから。これは見ないともったいないと思います。
確かに「イヴ・サンローラン展」や「キュビスム展」「モネ 連作の情景展」もイイですが、この「永遠の都ローマ展」は別格にロマン溢れる展覧会だと思っています。さすがに上の3つに比べると地味な部分はありますが、逆に人気どころを外したという点から、”あの人美術通だよね!”と思ってもらえるかもしれない。
そういう意味でも、一押しです。^^
※参考として
・「イヴ・サンローラン展」
2023年9月20日~12月11日まで、国立新美術館にて
”モードの帝王”と呼ばれたイヴ・サンローランの日本で初となる回顧展です。
・「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展」…東京、京都と巡回開催します。
(東京開催)2023年10月3日~2024年1月28日まで、国立西洋美術館にて
(京都開催)2024年3月20日~2024年7月7日まで、京都市京セラ美術館にて
・「モネ 連作の情景展」…東京、大阪と巡回開催します。
(東京開催)2023年10月20日~2024年1月28日まで、上野の森美術館にて
(大阪開催)2024年2月10日~2024年5月6日まで、大阪中之島美術館にて
「永遠の都 ローマ展」の開催概要
さて、肝心の開催概要ですが「ローマ展」は東京と福岡での巡回の開催になっています。
【 永遠の都ローマ展 】 (東京開催) (福岡開催) |
世間の波や流行に左右されずに、古代の芸術家たちと対話してはどうだろう??
※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。
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