バルビゾン派中の動物画家”コンスタン・トロワイヨン”について解説!

草原の牛たち(イメージ画像)

 

風景画や農村画のイメージが強いバルビゾン派の中で、一際異彩を放つ画家がいます。

”の動物画で有名なコンスタン・トロワイヨン(Constant Troyon)です。

 

今回は動物を描く事に生涯を捧げた画家”トロワイヨン”について、代表作を交えながら解説していこうと思います。

 

目次

コンスタン・トロワイヨンの代表作を1つ挙げるとすれば…
動物画家”コンスタン・トロワイヨン”について解説!

 

 

 

コンスタン・トロワイヨンの代表作を1つ挙げるとすれば…

「群れの帰宅」(1860年頃)コンスタン・トロワイヨン

「群れの帰宅」(1860年頃)コンスタン・トロワイヨン

・73.0×93.0cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

私がトロワイヨンの代表作を1つ挙げるとすれば…

迷わず、↑上の「群れの帰宅」を挙げます。

動物画家として知られるトロワイヨンですが、とりわけ””を描かせたらピカ一!だからです。

まるで生きているかの様な描写と、毛並みの表現はまさに圧巻!の一言。

単にリアルで生々しいだけじゃなく、動物に対する敬意というか崇高さも感じられます。

トロワイヨンが動物画家として名を馳せたのも、納得というものです。

 

 

 

動物画家”コンスタン・トロワイヨン”について解説!

「体をこすりつける牛」(1859年)コンスタン・トロワイヨン

「体をこすりつける牛」(1859年)コンスタン・トロワイヨン

・113.0×145.5cm、カンヴァスに油彩、オルセー美術館所蔵

これはコンスタン・トロワイヨンの「体をこすりつける牛」という作品です。

どうでしょう!?

牛の毛並み表現もさることながら、こすりつけている牛の動きやしぐさはまさに圧巻!

トロワイヨンを説明する上で、あれこれ解説は要らないと思います。

作品だけで充分伝わるのではないでしょうか。

 

「コンスタン・トロワイヨン」(1865年)Eugène Louis Pirodon ※Public Domain画像

「コンスタン・トロワイヨン」(1865年)Eugène Louis Pirodon ※Public Domain画像

一般的にコンスタン・トロワイヨン(Constant Troyon)はバルビゾン派を代表する画家と言われています。

俗に、”バルビゾンの七星”と称される程です。

※(参考)バルビゾンの七星の画家:
コンスタン・トロワイヨン、ジャン=フランソワ・ミレー、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー、テオドール・ルソー、 シャルル=フランソワ・ドービニー、ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ、ジュール・デュプレ

 

考として、私が愛用する『新潮 世界美術辞典』の解説も紹介したいと思います。

トロワイヨン・コンスタン

Constant Troyon 1810.8.28ー65.3.20

フランスの画家。父が働いていた国立磁器製作所があるセーヴルに生れ、パリで没。セーヴルの美術館長リオクルー(D. Riocreux)に師事した。自然を写生して研鑽し、バルビゾン派に仲間入りし、1833年のサロンでデビューした。1847年のオランダ旅行でポッテルの芸術に触れ、『白い牝牛』(1856、ルーヴル美術館)にみるように田園風景のなかに牛や羊の姿を導入するようになった。バルビゾン派中の動物画家。

・出典元:『新潮 世界美術辞典』

上の解説で、特に気になる一文が!

トロワイヨンを説明する上で、”自然を写生して研鑽”の一文は外せないと思っています。

 

私の考え
の解釈になりますが…

生い立ちを見ていくと、トロワイヨンは細部へ徹底的にこだわった画家だと解釈しています。

トロワイヨンは風景画としては大成しなかったそうで、逆に動物画家としては評価されていったという経緯がある。

自然を写生し細部まで極めようとした性格ゆえ、風景画というジャンルでは個性が表現できなかったのでは?と思うのです。

”自然を写生して研鑽”は、トロワイヨンの誠実さを表わす一文だと思うわけです。

 

「草地の牛」(1852年頃)コンスタン・トロワイヨン

「草地の牛」(1852年頃)コンスタン・トロワイヨン

・93.0×75.0cm、カンヴァスに油彩、エルミタージュ美術館所蔵

牛の骨格や質感など、細部に至ってリアルに描かれているのが分かります。

これぞ、まさにトロワイヨンの真骨頂ではないでしょうか!?

ただトロワイヨンの凄さは、細部の徹底描写だけじゃないと私は思っています。

動物への敬意や崇高さも感じられる点です。

つまりはですね!^^

 

「水を飲む牛の群れ」(1851年)コンスタン・トロワイヨン

「水を飲む牛の群れ」(1851年)コンスタン・トロワイヨン

・78.4×51.8cm、油彩、ウォルターズ美術館所蔵

トロワイヨンが動物画家となるきっかけは、オランダの画家”パウルス・ポッテル”の作品でした。

トロワイヨンは1846年から約1年間オランダに滞在していますが、そこで”パウルス・ポッテル”の牛や馬などの動物画に影響を受けたわけです。
※”パウルス・ポッテル” 1625年ー1654年、動物画を多く描いた画家で写実的な作品が特徴。

 

「マーケットへの道のり」(1858-59頃年)コンスタン・トロワイヨン

「マーケットへの道のり」(1858-59頃年)コンスタン・トロワイヨン

・92.0×73.4cm、カンヴァスに油彩、シカゴ美術館所蔵

 

「マーケットへ向かう道中」(1859年)コンスタン・トロワイヨン

「マーケットへ向かう道中」(1859年)コンスタン・トロワイヨン

・260.5×211.0cm、カンヴァスに油彩、エルミタージュ美術館所蔵

バルビゾン派は、1830年~1870年頃にかけてフランスで発生した一派。

多くの画家がバルビゾン村に集まり、そこで風景画や農村画を写実的に描いたのが特徴でした。

一般的に写実的というと、ありのままを描くを意味しますが、バルビゾン派の写実的はちょっと意味合いが違うと思っています。

画家たちはバルビゾン村の自然や農民たちに、一種の崇高さを感じていたからでしょう。

自然の美しさや神秘さ、そこに住む農民たちの生き様をありのまま描こうとしたと思っています。

 

「嵐の接近」(1849年)コンスタン・トロワイヨン

「嵐の接近」(1849年)コンスタン・トロワイヨン

・116.2×157.5cm、カンヴァスに油彩、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵

 

「ノルマンディーの牧草地」(1852年)コンスタン・トロワイヨン

「ノルマンディーの牧草地」(1852年)コンスタン・トロワイヨン

・38.5×55.0cm、カンヴァスに油彩、シカゴ美術館所蔵

当然、トロワイヨンの動物画にも同じことが言えると思っています。

ただトロワイヨンの場合は、動物の生きる姿や美しさをありのまま描こうとしたと。

これが他の動物画家と一線を画する大きな理由だと思うのです。

 

「池の中の牛と子牛」コンスタン・トロワイヨン

「池の中の牛と子牛」コンスタン・トロワイヨン

・78.0×103.0cm、カンヴァスに油彩、ルーヴル美術館所蔵

コンスタン・トロワイヨンが動物画家として大成したのも分かる気がしますね!!

 

談にはありますが、干支で使われる”(うし)”という漢字がありますが、実はこんな意味があるそうです。

元々中国の漢字から来ているそうですが、芽が種子の中に生じていて伸びることができない状態を意味しているそうです。

そんな事から「丑年」は、芽が出る発展の前触れの年とも言われるそうです。

つまりトロワイヨンにとって、牛はまさに発展の前触れ!だったというわけですね。^^

 

どんな経緯があるにせよ、牛を描かせたら天下一なのは間違いのない事実!!

今後トロワイヨンの作品を見る機会があったら、ぜひじっくりと鑑賞してほしいですね!

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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