- 2016-3-10
- Impression (絵画展の感想)
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”法悦(ほうえつ)のマグダラのマリア”
法悦…
英語一文字で表すとしたら
”ecstasy(エクスタシー)”になるのだろうか?
カラヴァッジョによって描かれたこの絵画は、
まさに至上の歓喜、最上の喜びを表現しているといいます…
カラヴァッジョ「法悦のマグダラのマリア」(1606年頃)
カラヴァッジョ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ)
バロック期に活躍したイタリアの画家です。
この作品を初めて観たのが
2016年の「カラヴァッジョ展」の事でした。
この時の展示が事実上世界で最初になったわけです。
実はこの作品が発見されたのは2014年の事で、
最初は最初サインがされていなかった事から、
カラヴァッジョの作品かどうか不明だったといいます。
それが科学的検証と専門家の意見から
カラヴァッジョの作品だと確定されたといいます。
そう思ったらこの時間近で観れた事は、
実に貴重というか歴史的瞬間だったわけですね。
法悦を知るとより神秘的に見えてくる…
「法悦のマグダラノマリア」
”法悦”の意味を知ると、
よりこの絵が神秘的に見えてくる…
実に奥深くて心に沁みる作品なのです。
”法悦”とは…
意味は”仏教の教えを聞き信じる事で湧いてくる喜び”。
(※ここでは仏教ではなくキリスト教になると思います。)
つまりこの絵はイエスの教えを聞いて、
マグダラのマリアの心が救われていく様子を描いているのです。
カラヴァッジョは画家として天才と言われながら、
でも私生活ではかなり問題を抱えていたのは有名な話。
人殺しや暴行などで懸賞金を掛けられ各地を転々とし、
それが1610年には熱病にかかってしまい
38歳という若さで亡くなってしまいます。
そんな亡くなった時の荷物に
この「法悦のマグダラのマリア」が含まれていたと言います。
それだけカラヴァッジョにとってこの絵は、
思い入れのある大切な絵だったのかもしれないですね。
ここでこの絵に対する私の解釈は…
マグダラのマリアの心が救われていく様子を描いていると言いますが、
でも私の解釈ではまるで生気を失いかけていく様に見える。
”マリアの命が消えかける時に
イエスの教えで救われた瞬間を描いたのでは?”と…。
・・・
ここまで見てきて思う事は、
カラヴァッジョは自らの罪の意識に対して
この絵に救いを求めていたのかも!?と…。
カラヴァッジョはこれまで多くの罪を犯してきて、
多少なり罪の意識を感じていたかもしれません。
この法悦するマグダラのマリアの様に、
カラヴァッジョも自分の罪から救われたい…。
そんな思いが込められていたかもしれないですね。
そう考えると
ますますこの絵の深さを感じてしまうのです。
・・・
このカラヴァッジョの名画『法悦のマグダラのマリア』…
さて、
あなたはこの絵を見てどう思いますか??
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