カラヴァッジョの静と動 …「カラヴァッジョ展」より

「カラヴァッジョ展」…国立西洋美術館にて

カラヴァッジョの動と静

 

カラヴァッジョは、

バロック絵画形成の立役者”と言われています。

 

それだけに
ドラマチックな作風が持ち味です。

でも今展ではそれ以外に
意外な発見があったのです!!

 

実はカラヴァッジョは…

・・・

  聞いて!!
・・・”静物画”が上手かった!

 

バロック絵画という””の印象とは逆に

静物画の””の印象が対照的で妙にオモシロイ点でした!

 

例えば
このカラヴァッジョの代表作

「果物籠を持つ少年」(1593年頃)カラヴァッジョ

「果物籠を持つ少年」(1593年頃)カラヴァッジョ
※出展:Web Gallery of Artより

  …『果物籠を持つ少年

 

これは手前にある果物や葉っぱの描写がリアルです。

写実的と言えば写実的となるんだろうけど、
果物に当たる光具合が本物っぽいのです。

それとは対照的に

描かれている人物の描写が生々しいのです!

 

それから~

この『果物籠を持つ少年』と
似た感じでもう一つの代表作がありました。

 

看板のデザインにもなっている作品

「バッカス」(1595年頃)カラヴァッジョ

「バッカス」(1595年頃)カラヴァッジョ
※出展:Web Gallery of Artより

  …『バッカス』です。

バッカス(Bacchus)は、
ローマ神話に登場する”ワインの神”だそうです。

 

個人的に注目してほしいのが、

バッカスが左手に持っている”グラス”です。

揺れているワインの波紋が描かれているのです!

繊細な描写というか、
この動きの一瞬を描いているのがスゴイ!

 

カラヴァッジョの描いた作品はバロックだけに、
この様に動きの中の一瞬をとらえた作品が多い様です。

まるで映画を見ていて途中でストップで止めた様な感じです。

 

考え…・思い…
こんな風に動くものと動かないモノを

同時に高い領域で描いているのがスゴイですね!

天才と言われる所以がここになるのかな~と。

 

そして

カラヴァッジョと言えば、
明暗の対比が特徴と言われています。

それを表す作品がこれです。

「エマオの晩餐」(1606年)カラヴァッジョ

「エマオの晩餐」(1606年)カラヴァッジョ
※出展:Web Gallery of Art

  …『エマオの晩餐

この作品は141cm×175cmのサイズで
思った以上の大きさの絵なのです。

そのため穏やかな絵なのに思った以上の迫力があります!

 

実はこの絵を見て最初疑問に思ったことがあったのです。

光がどこから差しているのか分からなかったのです。
月光なのか?
もしくは星光なのか??…。

実はカラヴァッジョは光の源を描かなかったそうです。

 

それとは対照的に
カラヴァジェスキの中には””を描いた画家もいたのです。
(カラバッジェスキとは
カラヴァッジョに影響を受けた人たちの事。)

 

ヘリット・ファン・ホントホルストの作品

「キリストの降誕」(1620年頃)ヘリット・ファン・ホントホルスト

「キリストの降誕」(1620年頃)ヘリット・ファン・ホントホルスト
※出展:Web Gallery of Artより

  …『キリストの降誕

実は今展で私的に好きな絵の一枚なのですが、
これは”イエスから発せられている光”なのが分かると思います。

 

カラヴァッジョは工房を持たないで、
弟子も持ったことがなかったといわれています。

でも影響を与えた画家は多かったそうです。

カラヴァッジョを見習いながらも、
それぞれカラヴァジェスキたちは
独自の道を切り開いたってことなんでしょうね~。

 

考え…・思い…
この『カラヴァッジョ展』もそうですが
テーマを絞った企画展はいろいろな発見があります!

絵画は見れば見るほどおもしろいと思います!

 

それでは最後は
今展で最も印象に残った作品をあげます。

 

 

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