- 2016-7-23
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2016年7月17日の事でした。
”国立西洋美術館が世界遺産に登録”されました。
このニュースを耳にした時、
特段驚きもなかったわけですが…
というのも、
2か月くらい前(5月17日)になりますが~
”諮問機関イコモスが国立西洋美術館の世界遺産登録はふさわしい”
との勧告の記事があったからです。
だから
登録されるのは間違いないだろう!と思っていました。
とはいえ詳しく知らなかった私は、
今回の世界遺産登録の件について調べてみたのです。
すると…
実は今回の世界遺産は、
国立西洋美術館だけではないって事です。
最初ニュースを聞いた時の認識は、
日本の国立西洋美術家が世界遺産に登録!!だと思っていました。
でも今回登録されたのは、
他にもいくつもあったのです。
つまりどういう事かというと…
この国立西洋美術館を含めた
”ル・コルビュジエ”の建築作品17資産が世界遺産に登録!なのです。
どうしてもニュースや見出しを見ただけだと、
日本の国立西洋美術館が世界遺産に!
って思ってしまいますよね…。
こんな風に登録された事を探っていくうちに
こんな事を思ってしまったのです。
確かに日本の国立西洋美術館が登録決定したのは、
間違いのない事実なのですが、
でも登録が決まった大きな要因は
設計した”ル・コルビュジエの建築作品”なのです。
国立西洋美術館にばかりスポットを当てないで、
もっと建築家や設計者に光を当ててほしいな~と。
(これは絵画が好きな私だから思う事なのかもしれないけど…)
建築家ル・コルビュジエの建築物や
彼の建築運動にもっと焦点を当ててほしいな~と。
ではでは、
”ル・コルビュジエ”とはどんな人かというと…
建築家ル・コルビュジエは
20世紀を代表する近代建築の巨匠と言われている人です。
鉄筋コンクリートなどを利用し、
柱や階段などを基本としてた
眺めの良さや住みやすさに重点を置いた建物が特徴と言われています。
(建築に精通しているわけではないので、多少ニュアンスの違いはあるかもしれませんが…)
一言でいえば、
”合理的な建築”という言葉になると思います。
これまで国立西洋美術家に
何度も行った事がある私なりに言えば…、
シンプルで開かれた空間と言ったほうがイイのかな??
仕切りとかがあまりなく、
広々としていて開かれた空間。
コンクリートの良さを生かしたシンプルで機能的なデザイン。
華やかさはないけれど、
洗練された”美”って事になると思います。
光をたくさん取り込んで、
自然な明かりで部屋を照らす構造だったり。
快適な住みやすさや
眺めの良さを追求した作り。
今ある近代建築の根本を作った人と言われているのです。
それに
ル・コルビュジエは建築以外に、
絵画なども描いた画家でもあったのです。
こうやって調べていくと、
”ル・コルビュジエ”残した功績は計り知れないのです。
では最後にまとめると、
”ル・コルビュジエ建築作品”を代表する
7か国計17資産が世界遺産登録が決定しました。”
その17資産は…
(国別に挙げてみました)(フランス)
・サヴォワ邸(サヴォワ夫婦の別邸)
・マルセイユのユニテ・ダビタシオン(18階建て全337戸の集合住宅)
・サン・ディエ工場(織物工場)
・ロンシャンの礼拝堂(「ノートルダム=デュ=オー礼拝堂」)
・ラ・トゥーレット修道院
・ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸
・ベサックの集合住宅(ボルドー近郊ペサックにある集合住宅)
・ポルト・モリトーの集合住宅
・カップ・マルタンの小屋
・フィルミニのレクリエーション・センター(スイス)
・レマン湖の小さな家(両親のために建てた家)
・イムーブル・クラルテ(ジュネーブにあるアパート)(日本)
・国立西洋美術館(アルゼンチン)
・クルチェット邸(インド)
・チャンディーガル(インド、パンシャブ州の都市計画)(ドイツ)
・バイセンホフ・ジードルングの住宅(ベルギー)
・ギエット邸
最後にこんなマメ知識を発見しました。
実はこの国立西洋美術館は、
”免振レトロフィット”を採用しているのだそうです。
つまり耐震性をアップした美術館になっているのです。
内部になる美術品や彫刻、
中にいる人を守るための地震対策を取り入れているのです。
この免振レトロフィット工事は1998年に行われたそうで、
ここまで本格的な工事は
日本では国立西洋美術館が初の事だったそうです。
”国立西洋美術館は、美術館としての本来のあり方を
しっかりと認識しているだろうな~”と思う発見でした。
まだまだ探れば
いろんな発見がありそうな国立西洋美術館です。
まだ行ったことのない人は…
(内部に入ったことのない人は)
是非この機会に行ってみてはいかがかな?
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