絵画鑑賞は”自分事”として観ると、より面白い!?

より絵画鑑賞を楽しむ方法

 

今回は絵画を楽しむ鑑賞方法(観方)について話していこうと思います。

私の様にある程度美術館に行き慣れた人間は、自分なりの鑑賞方法も確立されてきます。でもあまり行き慣れていない人や、絵画鑑賞初心者にとっては、どうやって楽しもうか試行錯誤の人も多いでしょうね。今回の話は、まさにそんな鑑賞方法がまだ確立していない人にとって参考になる話かと!

先日「THE BACKYARD(ザ・バックヤード)」という番組で、大原美術館の知られざる裏側について取り上げました。現在大原美術館には、社会連携課という部門があるそうで、そこで働いている方の話です。

実はこれが結構参考になるというか私の鑑賞方法と似ているというか…。

 

 

絵に対して”問い”を持って、観てみよう!

より絵画鑑賞を楽しむ方法

社会連携課の方の話によると、もちろん専門的な知識があるのは良いことだけれど、一番は自分事として鑑賞した方がイイよ!と。つまり、絵に対して”問い”を持つ事が大事!だと言うのです。一体どういう事なのか??何となく分かると言えば分かるけれど、具体的にどうやって見ればイイの!?と。

そこでこんな面白い例えを交えて話してくれました。

 

まずは、持ち帰ってイイですよ!と言われたら、あなたは今回の展覧会の中からどの絵を選びますか?と。

さすがに画家の絵を持ち帰るって無理に決まっているよ!と思う人もいるでしょうけど、これは”例え”という意味です。絵画作品は高いものになれば10億、20億は当たり前になってきますし。仮にそこまで高くなくても、少なくても100万以上はすると思います。冷静に考えたら、この質問の答えは出てこないと思います。まずは、「どの絵が欲しいか?」気楽に考えてみましょうね!

 

次に、ではなぜ?この絵を持ち帰りたいのか!?

綺麗な絵だから?印象に残る絵だったから??理由は様々あるでしょうね。

 

そして、持ち帰ったら、この絵をどうしたい!?

飾りたいの?大切に保管したいの??もしくは、大切な人にプレゼントしたいから!色々な目的はあるでしょうけど、今回は”飾る”という選択肢で考えてみようと思います。

どこに部屋に飾ろうか!?部屋の壁紙はどうしようか??色は??絵を入れる額縁は??考えたら、キリがないですが、これはこれでワクワクしてくる妄想ですね。^^

 

なみに、最近私が見に行った絵画展を例えに話そうと思います。

「露に濡れたハリエニシダ」(1889‐90年)ジョン・エヴァレット・ミレー

「露に濡れたハリエニシダ」(1889‐90年)ジョン・エヴァレット・ミレー

・173.2×123cm、カンヴァスに油彩、テート・ブリテン所蔵

最近私が見に行った絵画展というと、国立新美術館で開催した「テート美術館展 光」がそれに当たります。ここで一番持ち帰りたい絵をいえば、ジョン・エヴァレット・ミレイの「露に濡れたハリエニシダ」という作品になるでしょうか。理由はこの絵を観た瞬間に、一気に目を奪われたからです。私の思うミレイ作品は、人物を交えた風景画や物語画が多い印象だったので、こういった神秘的な風景画は珍しかったから。

何よりも、見た瞬間に不思議な感覚に襲われてしまったからです。「へ~、ミレイってこういった絵も描くんだ!」って。

 

もちろん、この絵をどうしたいかと言われれば、部屋に飾りたい!という答えになるけれど、さすがに作品の大きさからしてちょっと難しいかも…。173×123cmですから、ほぼ私と同じ身長!!少なからず、部屋の壁紙を変える以前に、増改築という大幅なリフォームが必要になりそうですね…。でも、増改築の費用よりも、おそらくミレイの「露に濡れたハリエニシダ」の方が金額的には高いだろうけど。それだけ絵画の価値って、普通の生活感覚からかけ離れているわけですね。

 

「オフィーリア」(1852年)ジョン・エヴァレット・ミレー

「オフィーリア」(1852年)ジョン・エヴァレット・ミレー

・76×112cm、カンヴァスに油彩、テート・ブリテン所蔵

そういえば、ちょっと余談になりますが、今回の「テート美術館展 光」では、ミレイの代表作「オフィーリア」が展示される?とのうわさもあったそうです。実際は展示されませんが、一体どういった経緯でこういったうわさが??ちょっと気になりますね。
上の画像は、参考として載せてみました。

 

とにかく、ジョン・エヴァレット・ミレイがどんな画家で、どういった画風が特徴で…、とか。作品がいつ頃描かれ、どこの場所を描いたモノなのか??そういった情報をあれこれ調べるのもいいけれど、純粋に自分事としてこの絵を観た方が楽しいのは間違いない!

少なからず美術鑑賞は、娯楽の一つだと思うので、まずは楽しむことが大事!楽しんで興味が湧き、自分なりに調べたりして、そして結果として画家や作品の知識が増えてくると思うので、まずは自分事として観るってイイ方法なんでしょうね!

そう思ったら、意外と今回の「THE BACKYARD」という番組は、密度の濃い内容だったな~と。そう思った今日この頃でした。

 

 

※ここで扱っているイラストや作品画像はpublic domainなど掲載可能な素材を使用しています。

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